筋肉を鍛えるには、休みなくトレ-ニングをし続ける必要があるりでしょうか?実はそうではありません。トレ-ニングの合間に急速し、筋肉を休めることがとても大切なのです。筋肉は「超回復」といわれる現象により増加します。これは、筋力トレ-ニングを行うことにより一度破壊された筋肉が、24~48時間くらいの休息をとることによって、トレ-ニング前より総量が増えて回復するという性質を利用したもので、適切な休息を与えることで、前よりも線維の太い、大きな筋肉が出来るのです。ですから、休み無くトレ-ニングを続けるのは、筋肉の破壊だけを繰り返していることになり逆効果なのです。 筋肉には、いくつかの種類があります。ます゛、自分の意思によって動かすことができる「随意筋」と意思とかかわり無く動く「不随意筋」に分けられます。随意筋は「骨格筋」と「皮筋」に分けられ、骨格筋は、収縮がゆっくりした筋肉繊維でできている「遅筋(赤筋)」と、収縮するスピ-ドが速い筋肉繊維でできている「速筋(白筋)」に分けることができます。遅筋には、ミオグラビンという赤血球成分に似た物質が多いため、別名「赤い筋肉」と呼ばれます。一方、速筋はミオグラビンが少なく、見た目も白いので、「白い筋肉」と呼ばれています。 スポ-ツ選手を調べて見ると、重量挙げ、砲丸投げ、短距離走、跳躍などの選手では速筋。マラソン、スキ-距離などの選手では遅筋の比率が高いことがわかりました。生まれたときは、速筋と遅筋の比率はほぼ同じですが、その後の鍛え方で少しずつ割合が変わるといわれています。また、男性の方が、女性に比べて速筋の比率がやや高いようです。
人体の骨格
- 頭蓋骨・背骨・肋骨(全部で12対)・骨盤・大腿骨・その他両腕・両脚・両手足で構成されています。人体を支える骨格は全部で206本です。
- この骨格をなめらかな動きをもたらすのが500以上もある筋肉です。
- この地上は常に1Gという重力がかかっています。この条件下で満たす要件。
- ①強くて丈夫、②軽い、③変化・成長する、の3つの条件が必要です。
- そのためには骨は、力のかかるところは太くできていたり、中を空洞にすることで丈夫な構造になっていたりしています。
- 骨の成長が終わるまで、だいたい女性で15年半、男性では18年かかりその時点で206本に成る。
- 骨は骨細胞で出来ており、骨芽細胞で作られ破骨細胞で骨の成分であるカルシウムを溶かしていく。“破骨細胞”によって古い骨が溶かされるとその後に“骨芽細胞”がカルシウムを分泌して新しい骨を作り直していく。
- 破骨細胞と骨芽細胞の2つの細胞のバランスのとれた働きで骨は2年半で全て入れ替わってしまう計算になるということです。
- 人間が歩いたり走ったり出来るのは、筋肉の動きが骨を自由自在に動かしているからです。
- 筋肉の場合は、ただ縮むことしか出来ない。それでいて複雑な動きが出来るのは、500以上もの筋肉がそれぞれの目的にあわせて絶妙にちりばめられているからです。
- 筋肉はいくつもの筋線維束からできいいる。筋線維束は筋線維が集まってできています。さらに、筋線維はたくさんの細胞が集まって出来ていて、太さは0、1㍉、長さは数センチ。その筋線維は、太さ幅1ミクロンの細長い筋原線維が集まってできています。
- 筋原線維の中は、2種類のタンパク質が規則正しく並んでいます。アクチンとミオシンで成り立ち、この2つが互いに働きあって筋肉は収縮する。
- これらの骨や筋肉は、無重力状態ではどんどん減少してしまいます。
身長が伸びるのには、成長ホルモンという物質が欠かせません。脳の脳下垂体では、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、プロラクチン、抗利尿ホルモンという6種類ほどのホルモンを生産していて、また各臓器に不足しているホルモンを送るはたらきををしています。このうち、成長ホルモンは、最も破壊されやすい場所で生産されているため、脳下垂体が形成されなかったり、形成が十分でなかったりして、成長ホルモンがつくられなくなると、低身長症になってしまいます。低身長症というのは、平均身長よりどれくらい低いか、という診断基準によって判定されていて、ただ単に「背が低め」というのとは異なります。低身長症の原因は、原発性のものなど8種類以上ありますが、このうち8割近くを成長ホルモンの注射で治療できないものが占めています。治療が可能な低身長症は、下垂体性のものとタ-ナ-症候群のみですが、成長ホルモンを毎日注射することにより、身長増加率は、治療前の3~5㌢程度から、治療後には7~12㌢程度になります。 しかし近年、分子生物学の研究が進んだことにより、成長ホルモンの受容体遺伝子の構造がわかり、低身長症の発症の仕組みが明らかになってきました。また、成長ホルモン遺伝子の構造が異常で、正常に働かない成長ホルモンが分泌されるためにおこる場合があることもわかつてきました。こうした研究によって、低身長症の治療薬が開発される日もそう遠くないかもしれません。
北大成功 マウスが長期生存
さまざまな細胞になる能力がある人工多能性細胞(iPS細胞)から、免疫細胞の一種で抗腫瘍効果があるT細胞を作製し、白血病のマウスに注入して治療する実験に成功したと、北大遺伝子病制御研究所の清野研一郎教授らが22日、大阪市で開かれた日本癌学会で発表した。白血病の治療法の一つ、骨髄移植の際に、骨髄提供者のT細胞を加えると効果的な場合がある。今回は提供者のiPS細胞から作ることができる方法で、清野教授は「このT細胞の機能を詳しく解析し、安全で効率的な抗腫瘍効果がある細胞作製法を開発したい」と話している。清野教授らは、骨髄を提供するドナ-マウスの皮膚の細胞に4種類の遺伝子を導入してiPS細胞を作り、これをT細胞に分化させた。骨髄移植に加え、こうして作ったT細胞を静脈に注入した白血病マウスでは、T細胞を1回注入した7匹中、1匹が100日以上生存、2回注入した9匹では5匹が100日以上生存した。骨髄移植をしただけの12匹は、28日以内にすべて死んだ。注入したT細胞に抗腫瘍効果があったと考えられた。