先日の2回の旅行中、一冊の本を持参していた。
先月、いつものリブロで本を物色中、原研哉さんの『日本のデザイン』と出会った。僕のセンスは置いておき、「デザイン」という言葉には興味をそそられる。もちろん、デザインそのものにはもっと興味を持っている。で、面白そうだという気持ちでかごに入れた。
しばらく開くこともなかったが、旅行に行く際に新書の手軽さから鞄に放り込んだが、旅先では行く先々の風景に気持ちが向かい、栞は余り先に進まなかった。だが、面白くまた自分自身が強く関心を持っている内容だったので、職場への行き帰りの電車の中では馬車から新幹線に乗り換えた位の勢いで読み終えた。
ここ数年、日本が注目されている。それは震災により大きなダメージを受けた後でも続いているようだ。ユーラシア大陸の東の端に位置する小さな島国においてさまざまな文化が生まれ、その文化が脈々と今の日本に息づいている。そして、そこから生まれた「MADE IN JAPAN」が20世紀後半の世界を席巻したのは記憶に新しく、勢いは衰えたものの今なおその価値は高い。
円高などを受けて工業生産の現地化などが進んでいるが、日本でないとできないことというのはまだまだあるように思えた。特に、初めて海外に行き目にしたものごとは、そういう思いをより強くさせるものだった。現地の人のレベルが低いというのではなく、彼らと僕らが協力することで、新たな価値を生みだすことができるのではないか。
例えば、北京の古い街並みである胡同(ふーとん)を歩きながら、ここにコミュニティデザインや環境技術を融合させたら、人々の暮らしをより快適に変えることができるかもしれないと思った。まあ、余計なお世話なのかもしれないが、そんなことを話してみたいと思い、やはりその土地に生きる人々と話すことができたら楽しいのに…という気持ちが募る。
僕は、今後日本はスイスのような国を目指していくのがいいのではと考えている。もちろん、スイスと比べ人口の多い日本が食べて行くには巨大な製造業がなくてはならないという面もあるが、少しずつ人口が減っていくのだとしたら、エネルギー問題も含めコンパクトに生きることができないかを考えてみたいと思っている。
四季がはっきりした気候がさまざまな景色を生み、観光資源という点ではかなり高いレベルのコンテンツを持っている。また、大量生産でない工芸品の分野でも日本の力は強い。大量生産に支えられた工業製品も、品質が良いだけでなく、デザインの面でも高いレベルを持っている。その第一人者である柳宗理さんが亡くなられたのは残念だが、彼が切り拓いた分野はその後に続く人が少なくない。
ただ、それを売り込んでいくプロデューサーがいないのが現在の問題だ。日本の繊細さをエネルギッシュなアジア地域にどのように融合させ、新たな価値を生み出すか。可能性のある分野だと思うが、自分にその才があればと天を仰ぐ…
先月、いつものリブロで本を物色中、原研哉さんの『日本のデザイン』と出会った。僕のセンスは置いておき、「デザイン」という言葉には興味をそそられる。もちろん、デザインそのものにはもっと興味を持っている。で、面白そうだという気持ちでかごに入れた。
しばらく開くこともなかったが、旅行に行く際に新書の手軽さから鞄に放り込んだが、旅先では行く先々の風景に気持ちが向かい、栞は余り先に進まなかった。だが、面白くまた自分自身が強く関心を持っている内容だったので、職場への行き帰りの電車の中では馬車から新幹線に乗り換えた位の勢いで読み終えた。
ここ数年、日本が注目されている。それは震災により大きなダメージを受けた後でも続いているようだ。ユーラシア大陸の東の端に位置する小さな島国においてさまざまな文化が生まれ、その文化が脈々と今の日本に息づいている。そして、そこから生まれた「MADE IN JAPAN」が20世紀後半の世界を席巻したのは記憶に新しく、勢いは衰えたものの今なおその価値は高い。
円高などを受けて工業生産の現地化などが進んでいるが、日本でないとできないことというのはまだまだあるように思えた。特に、初めて海外に行き目にしたものごとは、そういう思いをより強くさせるものだった。現地の人のレベルが低いというのではなく、彼らと僕らが協力することで、新たな価値を生みだすことができるのではないか。
例えば、北京の古い街並みである胡同(ふーとん)を歩きながら、ここにコミュニティデザインや環境技術を融合させたら、人々の暮らしをより快適に変えることができるかもしれないと思った。まあ、余計なお世話なのかもしれないが、そんなことを話してみたいと思い、やはりその土地に生きる人々と話すことができたら楽しいのに…という気持ちが募る。
僕は、今後日本はスイスのような国を目指していくのがいいのではと考えている。もちろん、スイスと比べ人口の多い日本が食べて行くには巨大な製造業がなくてはならないという面もあるが、少しずつ人口が減っていくのだとしたら、エネルギー問題も含めコンパクトに生きることができないかを考えてみたいと思っている。
四季がはっきりした気候がさまざまな景色を生み、観光資源という点ではかなり高いレベルのコンテンツを持っている。また、大量生産でない工芸品の分野でも日本の力は強い。大量生産に支えられた工業製品も、品質が良いだけでなく、デザインの面でも高いレベルを持っている。その第一人者である柳宗理さんが亡くなられたのは残念だが、彼が切り拓いた分野はその後に続く人が少なくない。
ただ、それを売り込んでいくプロデューサーがいないのが現在の問題だ。日本の繊細さをエネルギッシュなアジア地域にどのように融合させ、新たな価値を生み出すか。可能性のある分野だと思うが、自分にその才があればと天を仰ぐ…