4日間の旅もこの日が最終日。ホテルで洋朝食をいただき、チェックアウトした。2010年に初めて訪れて以降、高松市内での宿泊は毎回ホテル福屋さんにお世話になっている。繁華街からは離れているものの、それが静かさに繋がり、また規模もそこまで大きくはないからか、お気遣いと行き届いたサービスを受けられる。
キャリーケースを転がしながら、まずは栗林公園に向かった。実は、前日の夜にライトアップを観に来てみたものの、入場待ちが1時間と聞いて早々に退散してしまった。めったに来られる場所でもなく、更にライトアップとなればなかなか観る機会もないと思いつつ、寒さに負けてしまった…ということにしておこう。
そんな話を入口でスタッフの方にしたところ、その方から「朝の早い時間がおすすめですよ」と伺った。慰めでもなく、確かにそう思える景色を堪能した。次の予定があるのでそれほどゆっくりはできなかったけど、観たい場所を歩き、その景色を味わった。
さて、とりあえず高松駅までと思うものの、バスがなかなか来ない。そして、来たとしても途中瓦町を経由するので時間がかかることから、タクシーで駅に向かうことにした。そして、車内でドライバーさんにいろいろお話を伺う。一時よりはだいぶ落ち着いたとはいえ、まだまだコロナ禍が続く中、地域が生き続けていくための地道な取り組みが求められるし、そんな大所高所からの話よりもまず、自分にできることをしなければと思う。
電車の時間より少し前に駅に着きたかったのは、構内にある連絡船うどん店が11月末で閉店すると知ったから。以前2度ほど入ったことがあるが、味が特別という訳ではない。ただ、往時の宇高連絡船を知らない僕でもその名前に過ぎし日への憧れを感じる。
うどんをいただいてすぐにマリンライナーに乗り込み、岡山を目指した。この列車を全区間乗り通したことは今までなかったと思う。瀬戸大橋からの眺めも含め、1時間ほどの鉄道の旅はのんびりと楽しめた。
岡山に着くと人の多さに驚いた。その様子に心配になりつつも、手荷物預り所にキャリーケースを預けてからバス乗り場に向かった。まずは空港行きのバスを確認してから…と、この日は市内の電車バスが無料になるという掲示が券売機にされていた。そうこうしているうちに乗りたいバスが出て行ってしまい、次のバスまで30分あるというので、歩いて向かうことにした。
以前は「桃太郎アリーナ」と言ったその場所を訪ねるのは2回目、ちょうど贔屓チームの試合があるということで予定に加えた。ただ、あっさりと敗けてしまい、とりあえずバスで岡山駅に向かった。同じくファンの方と車中で言葉を交わしながら、推しの選手が去ってしまい観戦に気持ちが入らないことを吐露した。こうしてだんだんと心が離れていくかなと思う一方、近くで試合があれば観に行きたいという気持ちはある。
ところで、岡山に来たらもっと『カムカムエヴリバディ』で溢れているのかと思っていたけど、ほとんど見かけず肩透かしにあったようだった。視聴率はともかく話題にはなっていて、実際僕も毎朝BSで視てから出勤している。
駅から先、バスに乗り続けていたら思っていたところとは違う方に進んでいて、慌てて降りた。そして、後楽園まで歩いて向かった。園内には晴れ着姿の方もいらしたりして、色づいた木々とともに華やいだ雰囲気を感じながら散策した。ただ、空港へのリムジンバスの出発時刻が気になり、そこまでゆっくりはできなかったかな。駅までのバスが大きく遅れてハラハラしたり、焦って路面電車に乗り換えたものの却って時間がかかってしまったりと散々ながら、何とか空港まで向かった。
空港内も多くの人が集まっていた。「満席となるため早めに空港へ」という知らせをもらっていたのでそれ自体は予想していた。ただ、空港内での待ち時間をどう過ごすかが問題で、とりあえずレストランに入ることにしたものの、混雑に加えスタッフの人数を減らしていることから、空席が出来ても次のお客さんをスムーズに案内できない様子だった。店員さんたちが頑張っている姿に、お勘定の際にチップをお渡ししようと思ったけど丁重にお断りされたので、気持ちだけ伝えた。
この4日間は、長いようで短かった。けっこう早くから予定を立てていて、仕事もこの時期なら大丈夫だろうと思っていたものの、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。それでも何とか旅立った。コロナがひと息ついたと思える状況になり、またこの間、天候にも恵まれた。そして何より、一期一会も含め人との出会いが楽しかった。次の旅もまたそんな楽しみ方をしたいし、そして、今回の出会いを大切にしたい。
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