二度寝で…か

旅行には持って行かなかったが、出かける前に買ったもう一冊、木皿泉さんの『二度寝で番茶』を読み終えた。

ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』で木皿さんの世界に引き込まれて以来、この人は何者なのかずっと気になっていた。でこの人が「この人たち」だったということはすぐにわかったのだが、関西に住んでいるなどの断片的な情報くらいしか掴めなかった。いや、それ以上は探さなかった。

だが、この秋の新ドラマ『Q10』が木皿さんの作品だと知り、ワクワクしている。そんな中でこの本を知り、買わずにいられなくなった。

読み始めてすぐに心が射抜かれた。じんわりと涙が溢れ出した。ほっこりしたりまったりしたり、そしてホロリと来たりしながら、ページをめくり続けた。乾いたスポンジにスッと吸い込まれる水のように、大福さんとかっぱさんの掛け合いが紡ぎ出す世界に吸い込まれていく自分が、なんとなく愛おしかった。

この前、ネットでドラマの予告編を見ていたら、切なくなった。その感覚を味わいたかったからというのもあるが、ますます週末が待ち遠しい。