

その上、ハプニングへの対応も重なり、頭の中の回路が焼け付くかのように、熱を感じながらあれこれ対応していた。
端ではのんびりと仕事をしている人もいて、「なぜ…」と文句を言ったりもするが、答えはない。
仕事を持って帰ろうかとも思ったが、気持ちを切り替えたほうが良いと思い、そのまま残して帰ることにした。今日こそは…
ちょっと出遅れたが、今日を逃すと行きそびれると思い、六本木の森美術館に向かった。そう、「ル・コルビュジェ 建築とアート、その創造の軌跡」の会期があと数日となっていたからだ。
何とか20時過ぎに会場に入る。会場には、彼の手による絵画やオブジェと、彼が作り上げた建物の模型や写真、図面の現物などが展示されている。そして、彼が考える都市生活を具現化した代表作である「ユニテ・ダビタシオン」、そして妻のために南仏に立てた休暇小屋「カップ・マルタン」の実物大のモデルも展示され、これらは実際に中に入ることもできた。
巨匠と呼ばれる彼の、まさしく創造の軌跡を追った展示は、時間を超えて観る者に力強く迫ってくる。午前を絵画などのアートに費やし、そして午後は設計活動にというスタイルは、豊かな創造の源だったのだろう。
僕にも「たとえ一枚の書類であっても、美しいものを作りたい」という気持ちがある。それは、観る人の心に伝わる力となるから… 成果は?だが、その気持ちはいつまでも持っていたい。そのためには、もう少し時間が欲しい。
何とか2時間ほど観ることができたが、もっとじっくり観てみたかったとも思う。入場は閉館30分前までとなっているが、30分で一体何を感じることができるだろうか… 会期は来週24日(月・祝)まで。まだまだたくさんの人が訪れると思うので、行きたいと思っている方はお早めに。
エントランスと展示フロアを結ぶエスカレーターの脇には彼の描いた絵が飾られていて、写真をと思ったが、ガードマン氏の厳しい眼に諦め、心に留めよう…と思ったが、図録を買った。金額も張ったが、それよりもその重さが疲れた体に響いた。
