2001年12月、中国は、かねてから望んでいたWTOへの加盟を実現し、晴れてグローバル市場への参入を果たしました。しかしながら、今になって考えてみますと、この加盟には、盲点があったように思われます。
この盲点とは、WTOは、GATT以来、貿易自由化を促進することを目的に設置された機関であって、政府による通貨管理を有効に制限する規定がないということです。しかも、為替取引の自由化を義務付けているIMF条約第8条でさえ、こうした規定はありません。このため、中国は、外国為替市場で元売り・ドル買い介入を行い、元相場の上昇を低く抑える政策を維持することになりました(2005年は2%の変動に限って容認)。
この結果、中国の輸出は飛躍的に伸びる一方で、アメリカをはじめとした貿易相手国の経済に打撃を与えるようになり、中国政府の人民元管理は、不公正貿易の元凶とまでみなされるようになりました。また、中国内部においても過剰流動性が発生し、バブル現象を伴う金融不安の要因ともなっている、との報道もなされています(日経新聞7月20日朝刊)。
中国の元管理政策に対して何らかの対応策を講じませんと、構造的な歪が拡大し、中国発のバブル崩壊に他の諸国も巻き込まれてしまう可能性は、否定できないのです。
この盲点とは、WTOは、GATT以来、貿易自由化を促進することを目的に設置された機関であって、政府による通貨管理を有効に制限する規定がないということです。しかも、為替取引の自由化を義務付けているIMF条約第8条でさえ、こうした規定はありません。このため、中国は、外国為替市場で元売り・ドル買い介入を行い、元相場の上昇を低く抑える政策を維持することになりました(2005年は2%の変動に限って容認)。
この結果、中国の輸出は飛躍的に伸びる一方で、アメリカをはじめとした貿易相手国の経済に打撃を与えるようになり、中国政府の人民元管理は、不公正貿易の元凶とまでみなされるようになりました。また、中国内部においても過剰流動性が発生し、バブル現象を伴う金融不安の要因ともなっている、との報道もなされています(日経新聞7月20日朝刊)。
中国の元管理政策に対して何らかの対応策を講じませんと、構造的な歪が拡大し、中国発のバブル崩壊に他の諸国も巻き込まれてしまう可能性は、否定できないのです。