バイオ燃料用原料の需要増加につれて穀物価格が上昇してしまう現象は、近年、環境政策のパラドックスとして度々指摘されてきました。あらゆる商品は価格が廉価な方がよいに決まっているのですが、こと、この穀物価格については、必ずしもマイナスではない面もあります(もちろん、投機による価格上昇は×ですが・・・)。
第一に、穀物価格の上昇は、少なくとも発展途上にある国々の農業に、再生のチャンスをもたららすかもしれません。これまで外国からの安い輸入農産物に押されて国内農業が成り立たなかった諸国でも、穀物価格が高くなれば、採算の合う経営を行うことができるようになるかもしれません。
第二に、穀物需要が高い状況にある限り、途上国向けの輸出が減少しても、穀物輸出国に対する打撃にはなりません。高値の取引は利益になりますし、途上国向けの輸出の減少は、エネルギー需要のある国への輸出で代替すればよいからです。
第三に、世界各国の農産物の価格価格差が収斂されれば、WTO交渉においても進展の道が開かれるかもしれません。何れの政府も、関税率の引き下げや輸出補助金の削減に応じやすくなります。もちろん、これは、財政負担の削減につながりますので、納税者である国民にとりましても朗報となりましょう。
これらのメリットは、楽観的な観測に過ぎないのでしょうか?
第一に、穀物価格の上昇は、少なくとも発展途上にある国々の農業に、再生のチャンスをもたららすかもしれません。これまで外国からの安い輸入農産物に押されて国内農業が成り立たなかった諸国でも、穀物価格が高くなれば、採算の合う経営を行うことができるようになるかもしれません。
第二に、穀物需要が高い状況にある限り、途上国向けの輸出が減少しても、穀物輸出国に対する打撃にはなりません。高値の取引は利益になりますし、途上国向けの輸出の減少は、エネルギー需要のある国への輸出で代替すればよいからです。
第三に、世界各国の農産物の価格価格差が収斂されれば、WTO交渉においても進展の道が開かれるかもしれません。何れの政府も、関税率の引き下げや輸出補助金の削減に応じやすくなります。もちろん、これは、財政負担の削減につながりますので、納税者である国民にとりましても朗報となりましょう。
これらのメリットは、楽観的な観測に過ぎないのでしょうか?