万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中東の春と中国―フェースブックは”二つの顔”を持つのか

2012年05月23日 16時08分03秒 | その他
米フェイスブック株、売り出しから18%超下落(読売新聞) - goo ニュース
 2011年は、中東諸国において民主化運動が発生し、相次いで独裁体制が崩壊に追い込まれました。その陰の立役者とされたのが、フェースブックを始めとしたSNSでした。

 ネット上のパーソナルなネットワークを経由した情報の伝達と共有がパワーとなって、中東諸国に劇的な転換をもたらしたのですが、その一方で、フェースブックの将来については、不透明感が増しています。上場したばかりのフェースブック株も、下落傾向が続いているそうです。その一つの要因には、中国との関係があるのではないかと思うのです。フェースブックの創設者であるサッカーバーク氏は、先日、中国系の女性と結婚したことが、マスコミを通して大々的に報じられていました。もちろん、祝福させるべきことであるのですが、フェースブックに、中国ファクターという不安要因が生じたことも否めません。中国では、親族間の結びつきが強く、この点は、婚姻は個人の問題として割り切る西欧諸国とは違っています。中国の民主化に貢献する可能性を秘めていると同時に、最悪の場合には、フェースブックが、民主化運動を怖れる中国側の情報統制に利用される可能性さえあるのです。

 中東諸国において民主化に貢献したフェースブックは、果たして、中国においては、どのような役割を果たすのでしょうか。フェースブックは、民主主義の味方と敵という、”二つの顔”を持つことになるのでしょうか。

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