万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

国家機構こそ共謀の温床では?ー「共謀罪」公務員除外問題

2017年06月01日 13時43分11秒 | 日本政治
「共謀罪」法案の対象犯罪 政治や選挙除外に批判
 「共謀罪」法案は、本年5月23日に衆議院本会議で採択され、後は、参議院での可決成立を待つばかりとなりました。日本国政府は、本法案は「国際犯罪防止条約」を根拠としていると説明しており、2020年の東京オリンピック開催を控えてのテロ対策としての一面が強調されています。

 野党は反対しつつも、世界各地で凄惨な事件が相次ぐ中、テロや組織犯罪対策は日本国政府の急務であり、この点については、国民の多くも納得していることでしょう。ところが、今般の法案には、「国際犯罪防止条約」に明記されながら、法案では殆ど無視されている部分があることが議論の俎上に上っています。それは、”公務員の腐敗対策”です。同条約の第8条と9条では、公務員の贈収賄による公権力の私物化への対応を明記しており、同条約が、公務員犯罪を特に重視していることが分かります。

 日本国のマスメディアの報道では、公職選挙法、政治資金規正法、並びに、特別公務員の職権乱用等が対象から外されていることを問題視していますが、「国際犯罪防止条約」では、むしろ、選挙時の買収や政治資金当の具体的な行為には言及しておらず、より広い意味での便宜供与や賄賂による公務員の腐敗行為を問題としています。おそらく、法案作成当初にあって政府案に列挙されていた676の対象項目において、既に矮小化されていたのでしょうが、条約の主旨としては、公務員が特定の個人や集団のために職権を不正に行使することを問題視しているのです。

 そして、実のところ、政治家であれ、官僚であれ、あるいは、皇族や王族であれ、共謀とは、公権力や公的権威が関わる時にこそ、国民に対して著しい不利益を与えるものです。かのオウム事件でさえ、数名の政治家が教団との関与が疑われていました。年々、”国際勢力”との関連から深刻さを増す創価学会の問題も、”総体革命”を目指して、当教団が、皇室、公明党、外務省をはじめとした各行政官庁、裁判所、警察・検察…といった国家機構に積極的に信者を送り込んでいるところにあります。また、最近の政策が新自由主義に偏っているのも、日本国の政治家や官僚の多くが”国際勢力”に籠絡され、腐敗しているからなのでしょう。

 今般の「共謀罪」法案の内容はテロ対策が中心となりましたが、上記の視点からしますと、第二弾として、公務員腐敗対策を主たる目的とする「共謀罪」法案の成立が必要です。国家機構こそ、最も破壊的な共謀の温床なのですから、この問題を解決しない限り、日本国の権力も権威も一部の”共謀組織”によって私物化されかねないと思うのです。

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コメント (2)
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