万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

二階幹事長の撲滅願望の本音ー”依頼殺人”の発想

2017年06月11日 14時21分12秒 | 国際政治
訪韓中の二階氏「悪巧みする連中、見つけたら撲滅して」
 自民党の二階幹事長は、親中派の筆頭にその名が挙がる政治家ですが、親韓議員としても知られています。その二階幹事長が、韓国において「一握りの(日韓関係改善を妨げる)悪巧みをする連中は撲滅をしていくように。韓国の中にも一握りだけでもいるかも知れないが、見つけたら撲滅して」と述べたというのですから、驚きです。

 この発言、二階幹事長としては親韓派議員の立場から日韓関係改善に向けたメッセージのつもりであったのでしょうが、韓国国内では、相当の反発を買っているそうです。何故ならば、日韓関係改善を妨げる”悪巧みをする連中”とは、反日感情で団結している韓国人の大半を意味してしまうからです。言い換えますと、同氏は、韓国人に対して”自らを撲滅せよ”と述べたに等しいのです。

 韓国国内での反発は同氏の所謂”オウンゴール”ですが、日本国民にとりましても、この発言は聞き捨てなりません。何故ならば、発言の内容をよく読みますと、”韓国の中にも”と述べているからです。この表現からしますと、同氏の頭の中では、文頭に”日韓関係改善を妨げる悪巧みをする連中は日本国の中にも存在するが…”が付いていたはずです。つまり、二階幹事長は、日本国内にあっても、”悪巧みをする連中”を見つけたら撲滅したいと考えていると推測されるのです。

 韓国は、国を挙げて反日政策を推進しており、慰安婦等の歴史問題でも未だに火種が燻っております。関係改善を”絶対善”と見なす同氏は、日本国側の韓国に対する正当なる要求や批判も”日韓関係を妨げる行為”と見なし、韓国に対して批判的な一般の日本国民に対しても”悪巧みをする連中”のレッテルを張ることでしょう。同氏の善悪の判断も、倒錯しているとしか言いようがないのです。もっとも、本発言で日韓関係が悪化したとしますと、撲滅すべきは二階幹事長自身となりますので、何とも皮肉なことです。

 撲滅依頼の発想は”依頼殺人”を想起させますし、政治家が人を対象として撲滅という言葉を使いますと、弾圧や粛清を容易に連想させます。従来であれば、致命的な失言として辞任に追い込むぐらいにマスコミが騒ぎ立てるはずなのですが、親中派のためか、マスコミの態度は至って静かです。とは申しますものの、今般の発言は、二階幹事長が、中国や北朝鮮と同様に弾圧を容認する政治家であることを露わにしましたので、日本国民は、今後とも同氏の動向には警戒すべきと思うのです。

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コメント (8)
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