万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本軍による慰安婦強制連行はあり得ないー”朝鮮反乱”は致命傷

2017年06月19日 14時13分24秒 | 国際政治
韓国、慰安婦合意検証へ 「破棄と再交渉」は前提とせず
 日韓慰安婦合意の”破棄と再交渉”を公約として当選した文在寅大統領は、当問題について、まずは慰安婦合意に至るプロセスを再検証する方針のようです。実際に、文政権が同合意の”破棄と再交渉”に踏み込むのかは不明ですが、当時の日本国が置かれていた政治状況を考慮しますと、日本軍による慰安婦強制連行はあり得ないはずです。

 何故、あり得なのか、と申しますと、仮に朝鮮半島で反乱が起きれば、戦争を遂行していた日本国にとりましては致命傷となるからです。あまり知られていないセンシティブな事件なのですが、戦時中、日本国政府は、敵国であったアメリカに対して黒人暴動を画策しております。この工作活動にリクルートされたのが黒人問題の専門家であった疋田保一であり、同氏は、民間活動家であった中根中等との協力の下、第二次世界大戦最中の1943年6月20日に発生したデトロイト黒人暴動にも影響を与えたとされています。軍需産業の中心地と化していたデトロイトの生産停止により、戦争遂行能力を削がれることを怖れたアメリカ政府は、この時、即、軍隊を投入し、同月23日に暴動は鎮圧されるのです。

 この事件は、当時の日本国政府がマイノリティーであり、かつ、差別を受けてきた黒人を組織し、大規模な暴動へと誘導すれば、アメリカを内部から崩壊させることができると考えていたことを示しています。ということは、日本国政府自身も、自国領土のマイノリティーが反乱を起こせば、自国の戦争遂行能力に対して致命的な打撃を受けることを自覚していたはずです。仮に日本軍が”慰安婦狩り”を実行し、20万人もの朝鮮人女性を戦場に強制連行すれば、朝鮮半島で大規模な反乱が起きることは目に見えています(過去には日本人男子学生が朝鮮人女学生をからかったことから暴動が発生…)。敵国の内部分裂を誘発するのが一般的な戦略上の手法であるとしますと、当時の日本国政府が、みすみす自ら分裂を招き、窮地に陥るような行為を朝鮮半島において行ったとは考えられないのです。

 日本統治下の朝鮮半島の人々とアメリカの黒人の人々を比較しましても、前者の方が法的地位は遥かに高く、日本国政府からの配慮も受けています。文政権は、慰安婦合意のプロセスを検証するよりも、個人請求の起訴となる事実が実際にあったのか、歴史そのものの検証に着手すべきと思うのです。

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コメント (6)
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