万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

弾劾裁判はトランプ大統領にはチャンスでは?

2021年01月13日 12時48分33秒 | アメリカ

米民主党は、国会議事堂占拠事件を扇動した廉で、トランプ大統領を弾劾訴追するそうです。弾劾の動きに対して同大統領は怒り心頭に発していると報じられていますが、議会における弾劾は、むしろ、トランプ陣営にとりましてはチャンスとなるかもしれません。

 

 これまで、トランプ陣営が訴えてきた民主党側の不正選挙に関する訴訟は、州レベルであれ、連邦レベルであれ、悉く門前払いされてきました。裁判所にあって厳正なる審議に入る以前の段階にあって、無碍にも却下されてきたのです。仮に、何れの裁判所であれ、訴状が受理されていれば、トランプ陣営にも自らの主張を裏付ける証拠を提出し、バイデン陣営の不正行為を法廷の場で明らかにすることができたはずです。ところが、裁判所の拒絶によりこうした機会を失っており、それ故に、民主党側は、‘有罪判決がない=不正行為はなかった’という論法を以って、選挙結果は正しく、不正選挙を主張するトランプ陣営は民主主義を破壊している批判できたのです。

 

 トランプ陣営に対する司法の態度は、全ての人々に公平な裁判機会を与えるとする近代国家の原則も反するように思えるのですが、皮肉なことに、議会における弾劾裁判こそ、唯一、全国民、否、全世界の人々を前にして、同陣営がバイデン陣営による不正選挙を訴える場となるかもしれません。議会の手によるとはいえ、弾劾裁判も、司法権の行使の一つであり、その手続きは、裁判所と何らの違いはないはずです。当然に、証拠に基づく事実認定が為されるのですから、ここでトランプ陣営が、不正選挙の動かぬ証拠を提出すれば、流れが一気に逆転するかもしれません。弾劾決議案の骨子には、‘トランプ大統領が選挙に勝ったとする虚偽の発言をした’という内容が含まれていますので、この罪状は、不正選挙が立証されれば同大統領の無罪どころか、米民主党側の犯罪行為が事実として確定してしまいます。

 

 もっとも、議会において弾劾決議案が可決されたとしても、実際の弾劾裁判の開始は、1月20日以降となりますので、このままでは、バイデン氏が大統領に就任した後ということになります。弾劾裁判で有罪判決が下されれば、4年後の大統領選挙には出馬できなくなるそうですので、米民主党の狙いは、トランプ大統領の政治的影響力を徹底的に削ぐ、即ち、政治的粛清にあると指摘されています。通常の裁判所にあっても、発言の主観的な解釈を以って有罪判決を下しますと悪しき‘政治裁判’と見なされますので、有罪となる可能性はそれ程には高くはないかももしれません。そして、大混乱が予測されるとしますと、トランプ大統領による弾劾の成立ではなく、むしろ、裁判の過程で露呈する民主党の不正選挙の実態と同混乱の収拾なのではないでしょうか。

 

 1月20日以降の弾劾裁判にあって、民主党の大統領が不正選挙によって就任したことが判明しますと、当然に、その地位の正当性が問われることとなります。弾劾裁判の一部始終は公開されますので、米国民の大半は、‘バイデン大統領’に対する弾劾裁判、あるいは、完全なる不正防止措置を施した上での大統領選挙のやり直しを求めることでしょう。上下両院とも民主党が議会の多数を制しているとはいえ、この問題は放置できないはずです。仮に何らの措置も採らなければ、民主主義の破壊者、即ち、国民の参政権を奪った簒奪者として、米民主党は全国民を敵に回すことになりましょう。

 

 民主党員のみならず、シュワルツェネッガー氏のように、大統領選挙は疑いの余地もなく公正に実施され、トランプ大統領こそ‘嘘吐き’として糾弾する人もおります。この状態では、筆者を含めて不正選挙を確信している一般の人々まで、共犯者、あるいは、狂信者と見なされてしまいます。国民の前に真偽を明らかにするためにも、弾劾裁判の開催は、むしろ望ましいのではないでしょうか。そして、トランプ大統領には、是非とも、その国境を越えた背後関係や電子システムを利用した手口を含め、不正選挙の実態を暴いていただきたいと思うのです。


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