中国への元高要求は正当

中国は為替政策で海外の圧力に屈しない＝全人代常務副委員長(ロイター) - goo ニュース

　本記事によりますと、中国は、欧米諸国から寄せられる元相場の引き揚げ要求を、自国に対する不当な圧力として捉えているようです。このことは、国内においては市場経済化を進めつつも、対外的な為替政策については、中国政府は、未だに統制経済の手法を捨てていないことを示しているとも言えます。

　自由貿易体制にあって、自由な為替相場の変動は、特定の国による過度な輸出を調整する働きをします。それは、貿易決済に要する当該国の通貨需要が、相場を引き上げるからです。中国の場合も、今や”世界の工場”と称されるほどの輸出大国に成長したのですから、元相場が上昇する方が自然ということになります。しかしながら、中国は、為替市場に大規模な政府介入を行ったり、為替取り引きに制限を加えたりすることによって、自国の輸出に有利な状況を維持しようとしているのです。

　この側面は、中国のWTO加盟の盲点でもあったわけですが、このままの状況が続きますと、自由貿易体制自体が歪みかねません。中国政府が、頑なに為替政策を変更しないと言い張るならば、国際社会は、何らかの対抗措置を考えなくてはならなくなるかもしれないのです。