万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

暴力反対とテレビ番組とのミスマッチ

2007年11月06日 19時38分00秒 | 日本政治
暴力的番組が悪影響か=視聴の男児、攻撃的に-米大調査 (時事通信) - goo ニュース

 マスコミは、何か残酷な暴力事件が起きるたびに、こぞって暴力反対キャンペーンを張ったり、政府に対して再発防止策を訴えったりするものです。しかしながら、暴力的番組が攻撃的な人格を生み出すとしますと、暴力事件の頻発には、当のマスコミ自身にも責任の一端があったとも言えます。

 確かに、テレビ番組の中には、異常であるはずの暴力や犯罪行為が、あたかも日常の風景のように描かれている場合が少なくありません。まだ判断力が充分に備わっていない青少年の段階で、このような番組を見続けますと、暴力の意味や犯罪性に気付かずに、他者に平気で暴力を振るうような大人に成長することは、理解に難くありません。テレビというメディアを通して、大勢の人々が攻撃的な人格と成長するとしますと、これは、社会の安全にとって重大な脅威です。

 もし、この傾向が、研究によって実証された事実であるとすれば、やはり、マスコミは、番組制作に当たっては、成長期の青少年への影響を考慮すべきと言えましょう。マスコミが変われば、多くの青少年が、モンスターにならずにすむかもしれません。

 
 

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