万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

何故細胞は死の前に光るのか?-STAP細胞事件が示す生命の不思議

2014年09月04日 15時24分50秒 | その他
 科学的な成果としてのSTAP細胞の存在は、理研の中間報告によりますと、否定的にならざるを得ないようです。その一方で、一連の事件は、生命科学のに対して極めて興味深いテーマを提供していると思うのです。

 生物学は専門外ですので、的外れな疑問であるかもしれないのですが、それは、何故、”細胞は、死を前にして光るのか?”、あるいは、”遺伝子レベルで変化するのか?”という問題です。STAP細胞の万能性、あるいは、未分化状態であることを証明する証拠の一つとして、OCT4の発現があったことが挙げられていました。実験に先立ち、マーカーとしてOCT-4が発光するように遺伝子を操作するとで、その発現を確認することができるそうです。STAP細胞の場合も、OCT4の発現が確認されたため、その存在の信憑性が高まったのですが、実のところ、理研の中間発表でも説明されたように、OCT4の発光は、細胞が死を迎える直前にも観察されるそうです。つまり、OCT4が発光したのは、万能性を獲得したからではなく、細胞死に伴う現象であったことになるのです。STAP細胞の検証実験としては、お話はここで終わるのですが、この現象、事実であれば、まことに不思議な現象です。何故ならば、細胞は、生命が終わる段階で、遺伝子レベルでは、初期化、あるいは、再生という逆の方向の変化を見せていることになるからです。これは、一体、何を意味するのでしょうか。細胞死に伴う発光は、通常の緑色のみならず、照射する光の角度を変えると赤色にも見えるそうです。この奇妙な自家発光現象は、通常の遺伝子操作によるものと同一なのでしょうか。

 細胞死における遺伝子発現の変化こそ、実のところ、生物の生と死に関わる謎を解く重大な鍵が隠されているのかもしれません。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2014-09-04 21:15:17
こんばんは。宇宙単位で申しますと、ごく普通の現象ではないかと思います。
生命の源である太陽も、いずれは巨大な褐色矮星となって爆発してその一生を終えるのでしょう。
身近な所で申しますと植物の竹も、枯れる前に白い小さな花を咲かせます。
枯れて腐ってくると、発酵したような甘い匂いを漂わせます
生命と言うのは、エネルギーの元になるものを取り込み、エネルギーに変えて活動しています。
死を迎えて活動が停止してしまえば、残されたエネルギーはどうなるのでしょう。
発光現象は、残されたエネルギーが失われてゆく過程で起きる現象では無いでしょうか。
最近はなくなりましたが、昔は土葬された墓の近くで発光現象はしばしば見られています。
科学的には燐が燃えるとか言っていたようですが、一般的には人魂を見たと・・・
この手の話になりますと、科学的な話より、柳の下に白い着物を着たものが立っていた話のほうが季節的にピッタリかと思います。
三国志などでは、諸葛孔明が空を見上げ、星が一瞬明るく輝く様を見て「巨星墜つ」と嘆く様子が描かれております。
植物の中にも枯れる寸前になると種子を飛ばし子孫を残そうとするものもあります。
死に直面して、子孫や生きた証を残そうとするのは、通常生活する上で使う意識より、もっと深いところにある本能に近いのかも知れません。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2014-09-04 22:09:10
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 生命体は、何故、自己の死に際して通常とは異なる現象を見せるのか、不思議でなりません。しかも、この奇妙な細胞の発光が事実であれば、遺伝子レベルでの反応を見せていることにもなります。STAP細胞の一件は、確かに日本国の科学界には痛手となりましたが、生命科学のに対しては、新たな探求すべき課題を残しているように思われます。生命の最初と最後である細胞の未分化状態と死とが密接な関係にあることは、生命における重大な何か暗示しているように思えるのです。
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