@江戸東京博物館
2006年に江戸東京博物館で肉筆浮世絵展を観てから
ちょっと気になる浮世絵
今日は『北斎展』に行って来た。
世の中、美術芸術好きな人って多いらしく、美術館の類はどこもいつも
混んでいるから今回も覚悟してたけど、11:30頃に到着したらやっぱり混んでいるー。
ひとつひとつ作品の前に立ち止まって観ようとしたら
いったいどんだけかかるか分からんので、わたしはささっと観て
気になったのだけじっくり観て来た。
本展は、文政年間(1818-1830)、長崎のオランダ商館長が
北斎に描かせててオランダに持ち帰った作品を日本に里帰りさせたもの。
北斎自らのではない、弟子たちの作品もいくつかあった。
展示のなかの解説では北斎の才能を、“想像力の豊かさ、デッサン力、画面の構築性
風や砂、水など常に形を変えるものを表現していた”と言っていた。
難しいこと、専門的なことはどうでもよくって、
北斎の残した作品の多種多様な数の多さに驚いた。
すごいなーと思うのは、その細かさ。
細かい着物の柄や魚のうろこまで、よくここまで指先で表現できるなぁと感動。
『東海道五十三次』と言えば、歌川広重らしいけど
北斎も五十三次を描いていたらしい。
広重がそこに季節や天気の風情を描いたのに比して
北斎の描いたものは人物が目をひくらしい。
ふむふむ、そうなんだ。
そして北斎と言えばの『富岳三十六景』
いろいろなところから見た、いろいろな富士の表情。
これを観ながら、やっぱり富士山ってすごいなーって思った。
このうちの一作、北斎と言えばの波がざっぱーんってなってる向こうに
富士が見えるやつ。
これは『神奈川沖浪裏』というらしい。
目にする機会が多いせいか、やっぱり足が止まる。
大迫力。
他にもシリーズもの(っていう言い方は合ってるか分からんが)で
『諸国滝廻り』という8枚ものや、『諸国名橋奇覧』なる11枚ものも
あった。
おもしろい。
それからやっぱりパワーを感じる肉筆画。
美人画が美しい。
当時の美人と今の美人はそりゃ違うけど、それでもなんとも色っぽく
艶っぽさを感じる。
なんなんだ、あのしなやかさは。
鷲も迫力あってよかったな。
あとは、今回30年ぶりに展示されたという『松下群雀図屏風』
松と楓、散るもみじと飛び立つ雀が描かれているんだけど
この雀がリアルで本当に飛んでいるみたい。
公園でお弁当食べてるときによくスズメがよってきて
すんごくかわいいから、なんだかスズメって親近感あるんだよね。
北斎は、“ザ浮世絵”的なものだけじゃなくて
絵手本とよばれる出版物もたくさん残していたみたい。
絵手本っていうのは、ようはテキストというか教則本みたいなものなのかな。
カット集みたいな感じ。
一筆画とか、櫛や煙管のデザイン集とかいろいろ。
おもしろかったのが『画本早引』っていう、五十音順の絵手本。
“ふ”の頁は、ふのり、福録、吹雪、福引
“わ”の頁は、別れ、若恵比寿、わがまま、とかが
絵であらわされている。
いいなー、おもしろいなー。
葛飾北斎ってこんなにいろんなものを残している人だったんだ。
この時代にしては珍しく、90歳越えるまで生きていら北斎。
すんごい芸術家なんだな。
偉大だー。