ココロの手帳にメモっとこう

楽しかったこと
うれしかったこと
忘れたくないから心の手帳にメモしておこう

新感線プロデュースInuekabuki☆號 『IZO』

2008-01-22 23:10:07 | ├お芝居のこと
@青山劇場

作:青木豪
演出:いのうえひでのり
出演:森田剛・戸田恵梨香・田辺誠一・千葉哲也・粟根まこと・池田鉄洋
   山内圭哉・木場勝己・西岡徳馬
上演時間:3時間30分(休憩25分)

“天に飼われ、

天に捨てられ、

天に裁かれた犬。

その名は以蔵。

人斬り以蔵”

幕末の土佐藩で、郷士・武市半平太のもとで土佐勤王党に加わり
暗殺を繰り返した岡田以蔵。
時代が変わろうとしているなかで、ただただ忠義を持って
人を斬ることしかできなかった以蔵。

司馬遼太郎の『人斬り以蔵』を読んで結末を知っていたせいか、
さいしょっから観ていてせつなかった。
オープニングが以蔵演じる森剛のシルエット。
これがまたカッコよかったんだけど、
しょっぱなから、以蔵が上士の無礼討ちから幼馴染をかばうところで
すでに悲しくなってしまった。

新感線にしては珍しく笑いはほとんどナシ。
それでも、中谷さとみさん、右近健一さんは出てくるだけで
舞台の雰囲気が変わる。
森剛はちょっと声がつらそうだったな。
もともと声が細い感じだし。

西岡徳馬さんはそんなに好きな俳優さんではないけど、
さすがの声量。
田辺誠一さんもカッコよかったな。
それから、『医龍2』で目立ってた池田鉄洋さんの坂本竜馬が
なかなかよかった。
今ちょうど『竜馬がゆく』を読んでいるのでおもしろい。
粟根まことさん演じる勝海舟と出合った竜馬が、以蔵に
これからの日本のこと、身分の無い日本の話をするところ。
聞いていて、大政奉還っていうのは本当にすごいことだったんだなぁと
思ってしまった。

武市半平太(田辺誠一)や、薩摩の郷士・田中新兵衛(山内圭哉)に
“以蔵はこの先どうなりたいんだ?”と聞かれてうまく答えられない以蔵。
なんだかその気持ちは、100年以上たった今の人にも通じる気がした。
竜馬や半平太のように確固たる未来を描いて自信を持って突き進める人は
なかなかいない。
だから、そんな人のそばにいてその人のために役に立ちたいと思うのに
それさえもかなわない。
そんなせつないことはない。
剣しか無い以蔵の不器用さが痛かった。

時代の流れに飲み込まれ、囚われて拷問を受ける半平太。
逃げる以蔵。
お金も食べるものもない物乞い同然で逃げる以蔵が
ますます悲しかった。
だって以蔵だって武士なのに。

自分がかかわった暗殺を以蔵のせいにした半平太。
以蔵が囚われて真実を話すことを恐れ毒殺を企てた半平太。
でも、半平太にも志があったゆえのこと。

自分は天に従った、でも天は動く、と気がふれたように叫ぶ以蔵。
せめて武士らしく最後を遂げられればよかったのに、下された結果は打ち首。

舞台に舞う黄色い万作の花がひらひらと。

最後は涙・・・
こりゃあ歴史を知らない森剛ファンも泣けちゃうだろうな。

途中、勤王党を取り締まる新選組が出てくるんだけど、なにげにそれが
沖田総司だったり。
幕末の歴史は悲しすぎる。
これだけたくさんの血が流れて平等な世の中になったのに、
今の世、大丈夫なんだろうか。

カーテンコールでは着物を着替えて森剛登場。
なかなか笑顔を見せなかったけど、2回目の登場のときには
軽く笑ってて、最後は二階席の方に向かって手をあげていたね。
この先声は大丈夫なのかーと心配になっちゃうけど、
新感線2回目の森剛、よくがんばりました。
今回は席が前から7列目くらいだったんだけど、森剛はやっぱり
顔がキレイだわ。
パンフの写真もえらいカッコいいし。

そう言えば、開演するときに客席一体がどよどよしてて誰かジャニが
来ているのかなと思ったら、どうやらケンのようでした。
休憩からもどってくるところをちょこっと見たら
遠かったから顔はよくわからなかったけど、ぐっさん曰く歩き方がケンだったと。

ジャニファンもみんなお行儀よかった。
観ながら何気に、客席と舞台の距離感とか気になって『SEMPO』目線に
なってしまった。

新感線の次回作がこれまた、豪華メンバー。
なんとしても行くぞー。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする