種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展
@上野の森美術館
2013年10月12日(土)~11月17日(日)
当日券:1500円
今日は有休とって会社お休み。
消化しきれずになくなっちゃう期日なので、
ちょっとでも使ってやるーってことで。
そんで、上野の森美術館で開催されている
『三谷幸喜映画の世界観展』に行ってきた。
世界の著名な映画監督から高い評価を受けている美術監督・種田陽平氏が
手がけた、三谷作品のセットのあれこれと、
三谷監督自らが解説するセットのみどころなどが観られる。
三谷幸喜作品、大ファンってわけではないんだけど、
今回の展示内容の3作品はどれも劇場で観ている。
基本的に、模型とか小道具とかが好きなもんだから、
こうゆう展示はすごく興味ある。
三谷さんと種田氏が解説している音声ガイドも借りてじっくり観た。
展示冒頭の挨拶文で三谷さんは、
自分の映画は“演劇的”“映画っぽくない”と批評されることが多いけど、
自分は、おもしろいものを創るだけ、みたいなことを言っていたけど、
たしかに私が見た三谷作品の映画はどれもおもしろかった。
“演劇的”というか、それをわたしは“三谷さんっぽい”って思っていた。
三谷さんにとって映画は“リアリティ”よりも“ファンタジー”なのかな。
役者さんが靴下になるシーンは絶対に入れない、
“靴下のあるところにファンタジーは無い”とも。
あー、なんか分かるそれー、と思った。
通常の映画作りでは、ロケをして、ロケのできないところを
セットで撮るんだけど、
その逆で、セットで撮れないところをロケするのが三谷作品だそうだ。
種田監督の、バックストーリーを考えたうえでのセット作り。
美術監督とのやりとりで脚本がすすめられるそう。
たとえ画面に映らなくても、それが役者さんの目に映って
役作りのひとつになればセットとしての役割を果たせる、
っていう考え方がすごいなぁ。
『有頂天ホテル』の舞台になったホテルアバンティの美術品がすごかった。
ホテルのロゴマーク入りのアメニティや、
エントランスプレート、フロア案内。
たとえ映画本編に映らなくてもこれらの小道具が
ホテルアバンティの世界観を作り上げていくんだなぁ。
ベットメイクした担当の名前が書いてる紙のプレートまであったもんね。
ホント、お見事。
セット、小道具、大道具と言っても美術品、芸術品の域だと思う。
映画製作に携わる人のパワーのすごさを感じた。
現実的にはありえないもの、
あえてウソを混ぜることで映画の世界がひろがるんだって。
なるほど。
だからその世界にすっかり引き込まれてしまうのか。
展示の最後は、三谷さんの次回作『清洲会議』のセットを
三谷さんが解説するという30分の映像。
これまた、見えない部分のこだわりがたくさん。
鴨居の釘隠しが部屋によって違うとか、
羽柴秀吉の部屋の襖絵には、農民出身だから野菜の絵を描いたとか。
清洲城は歴史的資料があまり残っていないらしく、
だからこそ、この武将だったら、、、という想像力が働いて
それが最高の技術力で世界が創られていくんだなぁ。
もう『清洲会議』を観るのが楽しみだー。
『THE有頂天ホテル』も『ザ・マジックアワー』も『ステキな金縛り』も
もう一回じっくり観たくなってきた。
この3作品のセットのパネルの展示があって、そこだけ撮影OK
『THE有頂天ホテル』のホテルアバンティのロビー
『ザ・マジックアワー』の舞台守加護(すかご)の町並み
『ステキな金縛り』の法廷
これは清洲城の模型
種田監督は、せっかく作ったセットが撮影が終わると壊されちゃうのは
もったいないとは思わない、映画のなかで作品として残るから、
って語っていたけど。
もったいないなー。
そのセットの中に入って体感してみたい。
気付けば2時間以上もセットの世界に引き込まれておりました。