原キョウコ ダンスセラピーラボ

ダンスセラピーという手法を通して心身の解放をサポートし、心と身体と魂をつなぐことを目標に、研究を重ねている場です。

揺らぎを生きよう

2011-04-04 | 身体/ダンスから学ぶこと
3/19にワークショップを行ったが、
前月に考えていたこの日のテーマは
「ゆらぎを生きる」だった。

あまりのシンクロニシティに、自分でも驚いた。


地震はわたしたちの生活基盤を
根底から揺らがせる。
盤石であるはず、あってほしい、
というわたしたちの勝手な思い込みを覆す。

同じことが
わたしたちひとりひとりにも起こっていると感じる。

通常の生活の中では
見えないこと、なかったこととして
ココロの奥底にしまいこんでいたものが
この揺らぎによって
浮上してくる。

それは人との関係の中でも
自分自身の思い癖としても浮上してくる。
大方は、ネガティブに感じられるものである。

奥底に眠っていた悲しみ、
寂しさや怒り、怖さなどが
いろいろなカタチをとって
出て来ている。

攻撃的になったり、
自分や誰かを責めてみたり、
衝動的な発言、行為が増えたり。

そしてそれらの多くは意識化されていないのだろうと思う。

「ひとを変えることはできないが、
自分を変えることはできる」
とよく言われるが、
自分が変わって行くというのは本当に難しい。

変化、変容というのは
外的な刺激や影響という
必然に迫られた要因がなければ
ひとは自ら変わろうとしない。

そういう意味で、
今回の震災は
われわれが
環境やエネルギーをあらためて考えるだけでなく、
自分の生き方や
考え方の癖を捉え直す、
大きなチャンスであると思う。

こんなに大きな、そして現在進行形の災害があって、
揺れないひとはいない。
西に住んでいる方であっても
不安をすでに感じていることと思う。

不安とは、たいていは「先取り」のものであり、
「漠然として」いるものだ。

また、いつもよりも浮上してくる感情や
何かや誰かへの批判や不満があれば、
しっかりとそれを見つめてみる。
そしてその正体を見極めてみる。
身体と動きを通して。


それだけのことだけれど
それを持続するのは簡単ではない。

自分を見つめることはこわい、という人も多い。
華やかなことや、何かに「酔う」ことでごまかす人も多い。

けれども、
それをしっかりとやることで、
心身の状態は少しずつ変わる。
少しずつでも、積み重なると本当に楽になっていく。

WSに継続的に参加してくれている方の中にも
変化の目覚ましい方達が
過去にも現在も、たくさんいる。

継続はチカラなり、を本当に実感する。
わたし自身も、だ。



長期戦になることは誰もが思っていることで、
社会の揺らぎはこれからも続いていく。

でも、その揺らぎの中を
揺れながら
できうる限りの最善の方法を探しながら、
試行錯誤しながら
わたしたちは生きていくのだ。

既存のシステムや制度にしがみつくのではなく、
硬直することなく、
自分の弱さも無力感も引き受けながら
揺れの中で臨機応変に生きていくのだ。

自分にとって本当に大切なものは何か、を見つめながら。


☆☆☆

4/29,30の二日間、大阪WSを開催します。

継続中の現在の体験をふまえつつ、
それを自分の血肉としていきます。
ワークショップにどんなふうに反映されるかなあ。

こういうときだからこそ、
気づけることがたくさんあります。
こういうときだからこそ、
身体のチカラを実感できます。

体験しにいらして下さい。

『表現と癒しの間で」vol.3