原キョウコ ダンスセラピーラボ

ダンスセラピーという手法を通して心身の解放をサポートし、心と身体と魂をつなぐことを目標に、研究を重ねている場です。

生から死へ 死から生へ

2014-06-04 | 生と死を考える



もうすっかり夏のような陽気ですね。

指輪ホテルの公演を終えたのが5/11。
翌週は東京でのWS、
その次は大阪でのWS。

大阪ではリクエストもあり、
死に関してのワークを行いました。

私の実家は自宅開業している小さな町医者でした。
今とは違って、地域の患者さんは自宅で亡くなる方も多く
電話がかかってくると父は往診カバンを持って出て行き
帰ってきて玄関で「塩!」と言い
台所から塩の入れ物を持ってきてかける、ということも
何度もありました。
様々な方の死に様を父母が話しているのを聞いていたこともしばしばでした。

そんな環境でしたので
「死」はある意味身近なものでした。

そして何故か子供の頃は
こことは別の世界があるに違いない、というようなことを思っていました。

近年は身近で亡くなる方が多かったこと、
自分も病を通して自分の死というものをリアルに感じたこともあり、
ここ5~6年、死に関してのワークをやることが多くなりました。

死をいたずらに怖れているだけでは勿体ないと思うのです。
死は、元気なうちにさまざまな角度から考えておくべきことと思います。
具体的な遺産などの問題もそうですが
自分の気持ちをどう整理して行くのか。
死ということをどう捉え、どうイメージして行くのか。

私にとっては
死は現在の肉体からの離脱である、というイメージがあります。
これは以前、死のワークをやってみて感じたことです。
死んで自分の身体を抜け出した後の解放感が思いのほか強く、
何だかとても楽だったのでした。

その思いもあり、年齢的なこともあり
これは自分にとって今後もずっとテーマであり、
WSでも形を変えて何度も行っていくつもりです。


今年の初め、指輪ホテルの出演を引き受けたときも
内容に関してはほとんど知らなかったのですが
結果的には死と生につながる話でした。

先日の大阪WSで
何年もお母様の介護をして送り出したという女性がいました。
最後に死のワークを行った後、彼女はこんなシェアをしてくれました。
「自分が死んだ後、なぜか亡くなった母が出てきて
なんでみんな泣いてるんや。
わたしはこれからもっと楽しむんや。
ととても元気そうに笑って話していた」とのことでした。
(その女性とお母様はイメージの中で同化していたのだと思います)

これを聞いて、
ああ、死んでまた他の世界に生まれるんだなあ、と思いました。
なんて面白いのだろう。

死の捉え方はたくさんあるけれど、
自分の深いところにあるイメージにアクセスしたときに
思いもよらないことが出てくる。


そして先日参加したあるWSでは
赤ちゃんの動きを再体験しました。

その動きの中の感覚や感情を味わってみて
何だか、ああ、生と死がつながったなあ、と思ったのです。

生も死もウロボロスの蛇のようにつながり合っていることなんだな、と

これはまだうまく言語化できないけれど。


今年初めからやってきたことが、
こんなかたちで落着いたようです。
今のところ。
この半年、なかなか面白い旅でした。

こういう体験を昇華して
またWSという形でみなさまにお届けできると思います。

興味がある方は、ぜひ。

また、一番上に載せた本は
わたしのこのところのテキストです。
内科医の徳永進さんの書かれた本で、文体も内容もなかなか味わい深いです。
谷川俊太郎さんの詩も載っています。
こちらも、興味のある方は、ぜひ。

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