Sound of KYOTO~すきま~ミュージック・ライブラリーと音楽エッセンス

iTunesStoreをはじめ多くの配信サイトで配信中の音楽紹介や、環境音楽として役に立つヒントを京都からお届けします。

環境音楽コンセプト19-日本人は弦楽器系がお好み?

2024-03-18 09:10:37 | 京都の環境音楽

私のサウンドデザインでの経験で言うと日本人は弦楽器曲が好きだ。

金管楽器はオーケストラにも使われ、アメリカ発のビッグバンド・ジャズには重要な楽器で、日本人は小学生時代からブラスバンドなどで親しんでいるのに、環境音楽的な使い方では弦楽器系がお好みだと思う。
これは三味線や琵琶、琴など弦楽器文化が古くからあった事も影響しているのかもしれない。

1960年代にロックの世界で「Yesterday」などの楽曲でクラシック風味を取入れたビートルズの曲が大人にも大ヒットした理由は、ホーンセクションではなくバイオリンなど弦楽器のバッキング演奏だった事が日本では大きいと思う。
若年層からお年寄りまでストリングスやピアノ、それにアコースティックギターの音色は多くの日本人が最高にリラックス出来る最大公約数的音色だと思われるのである。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト18-具体的デザイン

2024-03-02 11:40:44 | 京都の環境音楽

シンプルな器楽演奏曲は個人が家で仕事をしている時に最適だ。

私は受験勉強時に深夜放送を聴いた世代だが、この文章を書いている時や何か一人で集中する時に作って来た音楽が最高な事を発見した。
ボーカル曲や多人数で演奏されている曲を流すより、ピアノやアコースティックギターのソロなどを優しく流すと、その演奏しているミュージシャンと1対1で仕事をしている雰囲気で、すごくリラックスしながら作業が進む。
ミディアムテンポ以下くらいの曲のつながりが最適だ。

演奏者が少ない感じが自分一人で仕事をしている時に集中出来る事を発見した。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト17-パブリックエリアとワークエリア

2024-02-15 09:12:35 | 京都の環境音楽

働く場所と言っても様々だ。

人々が出入りするパブリックエリアとは、例えば
銀行のロビー、ブティックの店先、ホテルのロビー、など
働く人に取っては仕事場だが一般の人にはレジャーだったり用事だったりするエリアだ。

ワークエリアとは、例えば
工場の中の生産ラインの側、オフィスの中、そして自分一人で仕事をしている部屋の中など

私達は特に小さいオフィスや、自分一人あるいは数人のSOHOの様な仕事スタイルの空間を音楽を流す場所として想定して見た。
特に最近の在宅勤務時はどうだろうか。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト16-働く場所の環境音楽

2024-01-30 09:18:03 | 京都の環境音楽

働く人に音楽が必要なのか、必要であればどのような音楽の条件があるのか考えてみる。

私の仕事環境には絶対音楽の効用があるのだが、まず環境音楽としての基本的な重要な要素は意識される音楽であってはならないという事だと思う。
仕事をする上で邪魔になる音楽は必要ない。

瞑想をする、何も考えない。。。時にはリズムのない曲やその全く逆にハードで音圧が一定のクラブミュージックなどは陶酔出来て良かったりする。

しかし、仕事をしながら流す環境音楽はどうだろう?
私の経験では、あまりアンビエント過ぎず、メロディ・リズム・ハーモニーが美しく、しかもボーカルの入らない曲が最適だと思う。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト15-地域による音楽の違い

2024-01-14 12:24:22 | 京都の環境音楽

音楽にはその地域特有のイメージがある。

ブロティッシュロック、アメリカンロックハワイアンサウンドシャンソンインド音楽邦楽J-POPなどなど。
日本ではこれらの全ての音楽をごちゃ混ぜに聞いている。

それらの音楽の中から働いている人の背景や環境に流す音楽を考えると、
沢山の種類の音楽の中から日本人に理解出来る、あるいは不安感を抱かない環境音楽部分を取り出して、それらを再編成し独自の環境音楽として作る事が必要な音楽だと考えた。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト14-日本人と欧米人の音の感じ方の違い

2024-01-02 13:08:52 | 京都の環境音楽

日本の生活においては、サウンドスケープは常に重要な役割を担って来た。

「茶の宗匠は釜で音楽を奏で、庭師は水の戯れを耳に心地よく響かせるために庭に水車や共鳴壷を仕掛けると言う。
このような感性がどのようにして培われたかをあれこれ考えているうちに、おそらくそれは、和紙を使った壁と窓で出来た家に住んでいる為だろうという結論に至った。           
 
和紙の窓は、ガラスの窓とは全く違う。
ガラスは音を遮る。
けれども紙ならば漏れ聞こえてくる。
紙の窓には耳の意識が働いているのだ。

西洋音楽は、石とレンガの壁によってサウンドスケープから遊離されて来た。
これに対し、日本の精神は今なお音楽と環境の融合を味わうことが出来る。」
(「世界の調律 サウンドスケープとは何か」R.マリー・シェーファー:著、鳥越けい子他:翻訳、p22-23より抜粋)

シェーファーが分析した様に日本では環境の中に音を取り込む文化を持っていた。
日本人が元来持っている感性を発揮するためにも、西洋文化で育った我々が聞く現在の環境音楽が必要ではないのか。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト13-世代による音楽の感じ方の違い

2023-12-17 15:30:54 | 京都の環境音楽

1970年代のポピュラーミュージックと2000年代のヒット曲のJ-POPSを聴き比べるとわかるのだが、昔より格段にヒット曲のテンポ感が速くなっている。

これは以前の回でも述べた様に、昔はなかったシーケンサーやコンピュータの使い方でいくらでもビートを速くすることが出来、経済の成長にリンクする様に世間の全てのテンポが速度を増して来たのではないかと思う。(最近は経済の失速に伴い、昔の音源に多いスローテンポも幅広い世代に聞かれているが)

最近のビートを聴いている若者の方が速いテンポに慣れているということが出来る。
しかもクラシックをあまり聴いた事がない世代は、揺れるビート感に違和感を持つ。

それ故、同じ音楽を聴いても感じ方が違うので、ある程度年代を考慮に入れて音楽を創る必要がある。

クラシック的な要素とビート感を両方実現したハイブリッドで年代を超える支持を得られる音楽を創りたいと思った。

=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト12-サンプリングビートとクラシック

2023-12-01 09:35:59 | 京都の環境音楽

ミニマル系と揺れる音楽の違い。

ダイナミックレンジの広い交響曲等の強弱の強い曲は環境音楽には向かないと思う。
適度に聴こえてリズム感がある曲の方が何かする時の環境で流すのは最適だと思うから。

クラシックで最適なのはバロック音楽モーツァルトの弦楽合奏団曲である。
宮廷の晩餐会用に創られた音楽は特に使いやすい。

暗すぎず明るすぎず、流れている事があまり気にならない。
それにエリック・サティの楽曲も最適だ。

これらのイメージを取込んで環境音楽を制作すると、良質の音楽が出来ると思った。

表題のサンプリングビートとクラシック、何が違うかと言うと、
シーケンサーサンプリングのループを使った音楽は、音楽のノリが常に同じテンポをキープしているのに対して、クラシックではダイナミックレンジの広さとテンポ感覚の極端な揺れが最大の特徴となっている(特に交響曲)。

同じビートの繰り返し(ミニマル系)に慣れた耳でクラシックを聞くとテンポの揺れが不思議に聴こえ、
逆にクラシック好きの人にはサンプリング・ビートのミニマル感がたまらなく嫌に聴こえる可能性があると思う。

この辺りの音楽の作り方を少し工夫しなければ、全ての人に愛してもらえる音楽として成り立たないかもしれない。

以下にApple Musicで表題の曲たちを示します。
みなさんのお耳でお確かめください。




=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト11-YMOのアプローチ

2023-11-15 13:12:07 | 京都の環境音楽

1981年に「BGM」と言うアルバムを発表したYellow Magic Orchestraは彼らの音楽の視点を表している。

BGMとはBack Ground Musicの略であるが、一見人々が見逃してしまう事柄の中におもしろくて大事な事が潜んでいる事実を、彼らなりのやり方で示してくれたのだ。
初期の日本の誇るゲームサウンドやテクノロジーを前面に出し、外国人が感じる東洋のイメージを逆手に取ったインストルメンタル音楽の提示は、それまで気付いていても見過ごしていた人々に新鮮に、特に海外の人々には忘れられない音楽と映っただろう。

実際にアンビエントな音楽も取組んでいるが、前面に出るフォアグラウンドの物だけでなくバックグラウンドにある物や普通と思っている事を一度疑って事象を見ると、違う世界が開ける事を彼らは示してくれた。

環境音楽の一つの側面を見る思いである。
そしてある意味、京都的な考え方と捉えることが出来ると思う。

*今年はメンバーの高橋幸宏さん、坂本龍一さんが相次いでお亡くなりになりました。
 謹んでご冥福をお祈りします。
 あなた達の音楽で大いなる希望と可能性を学び聴かせていただき、大変ありがとうございました。
=次回に続く=             by きしかなん
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環境音楽コンセプト10-ウィンダムヒルとナラダ

2023-10-30 09:17:47 | 京都の環境音楽

ウィンダムヒルナラダ・レーベル

この二つのレーベルのアーティスト達の楽曲が環境音楽としては一番取扱いやすい要素の多い音楽だと思う。
ピアノやギターのソロ楽器がクラシックでもないポピュラーでもない(あるいはそうでもある)演奏が数多くある。
多くの楽曲制作方法を学ばせてくれる。

これらの全ての要素を偏る事なく、しかも仕事の環境で聞く事を前提にダイナミックレンジに気を付けて音楽制作を行おう。

ウィンダムヒルの代表的アーティストを選んでみました。


=次回に続く=             by きしかなん
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