これは何だろう。借りてきたマンガですけど、帯には「煙が雨に打たれてるとこ見んの、大好きなんだよな。」とあります。 何人かの群像劇で、その中のお兄ちゃんの紹介でチイチイという3才児が登場し、天才だから学校にも行き、つまらない授業は受けないで、自由奔放に生きている姿が描かれています。 学校のワクから飛び出そうな3才児なんだけど、まわりの子らにも配慮のできるすごい子で、この子中心に物語は進んでいるみた . . . 本文を読む
司馬遼太郎さんとドナルド・キーンさんの対談集『日本人と日本文化』(1972 中央公論)というのを読みました。 今から100年くらい前、司馬遼太郎さんは1922年のお生まれ、D・キーンさんは翌年の1923年生まれでした。そのお二人が、すでに日本とは何か? 日本文化とは? という大きなテーマで、ドラマチックに語るのではなくて、話題にしたいあれこれを一つずつ取り上げて、それぞれの専門のところへ持ってく . . . 本文を読む
あれこれと大騒ぎして毎日それらしくブログを書いていましたけど、私のブログなんて、すべて既視感の積み重ねであり、過去のいくつものイメージをつなぎ合わせているパッチワークみたいなものでした。 あらためてそう思うような文章を見つけました! 田中真知(まち 男性)という思想家みたいな方の書かれたものから引用させてもらいます。 ありのままの世界とはどのようにイメージできるのか。それは生まれたばかりの赤ん坊 . . . 本文を読む
(孫引きで申し訳ありません。でも、この祝福された母子の姿に感動しました! 今読んだばかりではありますが……) 今、小津夜景というフランス在住の俳人の『いつかたこぶねになる日』(2023 新潮文庫)というのを読んでいます。 彼女が、シャーロン・ビールスの『鳥の巣 50個の巣と、50種の鳥たち』という本が気に入っていて、とうとう日本語版も買われたそうです。その序文に博物学者 . . . 本文を読む
路面電車つながりで志賀直哉さんを思い出しました。1912(T1)年に「正義派」を、1913(T2)年に「出来事」という短編を志賀直哉さんは書いています。29~30歳という頃から小説をコツコツ書き始めていたようです。 白樺派のみなさんたちは、どんなお仕事をされてたのか、年譜で見る限り、志賀さんは就職したと書いてありません。お父さんが鉄道会社、帝国生命保険、東洋制約などの役員とかをされてたみたいだか . . . 本文を読む
近ごろ、ちゃんと本が読めません。というか、物語にはついていけないので、エッセイしか読めなくなっています。 「古本屋 タンポポのあけくれ」(2004→2023)という本は、19年ぶりによみがえった幻の本で、定価は2600円なんですが、ネットで買って、手数料などもあったので、もう少しかかりました。それだけしみじみ読んでしまうし、私は古本屋のオヤジではないけど(あこがれは持ってたけど)、こん . . . 本文を読む
「タンポポのあけくれ」という本を買った、というのは何日か前に書きました。まだ少ししか読んでいないけど、少しだけ引用させてもらおうと思います。 タンポポは、綿毛で遠くまで飛んで行って、そこで根をおろすから、いろんなところに少しずつ広がっていく、タンポポ書店も、少しずつあちらこちらで新しく住むところを見つけていくのだ、などの意味を込めて、つけられた店の名前でしたね。 そして、著者の千歳(ちとせ)さん . . . 本文を読む
1963年から2004年まで、高知にタンポポ書店というのがあったそうです。そのお店のご夫婦は、ダンナさんが亡くなられ、奥さんが引き続きお店をされてたそうですが、店を閉じたあとの2008年に亡くなられています。 実店舗を閉じられたころに、今までのことをふり返った本が出ていて、2004年に『古本屋タンポポのあけくれ』というカタチで出ています。奥さまのお名前は片岡千歳(かたおかちとせ)さんという方で、 . . . 本文を読む
1981年に中央公論社から出ている本でした(私の本はそれの文庫化したもので、2019新潮文庫版)。徳岡孝夫さん(毎日新聞記者)とドナルド・キーンさんという「三島由紀夫」さんつながりの二人が、ミシマさんを語り合う旅をしたそうで、普通の対談本なら話した人の名前とことばが時系列で流れていくのですが、この本はすべて徳岡さんのアレンジで、キーンさんのことばも文の中に取り込まれています。だから、お二人の名前 . . . 本文を読む
私の持っている本は、1994年の新潮文庫版ですけど、この本がいいよという話(コメント?)をどこかで見たのはもっと後でした。ということは、古本屋さんで買ったんでしょうか。あちらこちらに持ち歩いて、普通の古本よりもくたびれた状態で、たぶん、古本屋さんなら50円でも売れないだろうな。 どこで買ったのか、ちゃんとメモしてないですけど、読んだのはようやくこの年になってです。何十年もかかっているらしい。手に . . . 本文を読む
まだ途中ですけど、書いておこうと思います。何しろ私も、もうすぐ旅に出たりしますから。……何を書いているんだか! 何度も挫折した「旅のラゴス」とは、いろんな方がお勧めしている本でした。もう三十数年前の本です。文庫本は1996年に出たそうで、その初版のものを読んでいます。文庫本の初版なんて、そんなに意味はないかな。 とにかく、いろんな人がおススメでした。だから、私もどこか . . . 本文を読む
わたしの専門の(?)近世文学にしようかと思いましたが、メモがありませんでした。 仕方がないので、「青空文庫」から借りてきました。これでしばらくやってみます! 若山牧水さん(1885~1928)の「草鞋の話 旅の話」という旅日記らしいです。うちの岩波文庫には載ってないお話のようでした。旅したい気持ちがあるのに、どこにも行けないですからね。旅する人の話を聞かせてもらうしかありません。 私は草鞋(わら . . . 本文を読む
最近、山本夏彦さん関連の本を二冊読みました。「夏彦・七平の十八番づくし」(1983 中公文庫)、これはお二人の対談の本で、こんな方たちがいた、というのを40年ぶりに初めて知ったというところでした。「夏彦の写真コラム傑作選(藤原正彦編)1979-1991」(2004 新潮文庫)、こちらは週刊新潮にコラムの枠をずっと守って来られた山本夏彦さんの12年分からいろいろと選ばれたもののようです。 40年前 . . . 本文を読む
荒野(あれの)さんの「ひどい感じ 父・井上光晴」(2002)というエッセイは読んだことがありました。私は、井上光晴さんという人は、高校の時からずっと好きな作家でしたから、いろんなエピソードを聞かせてもらえるのなら、何だかいいのかなと思って読んだんでした。 あまり憶えてないけど、お嬢さん(荒野さん)が小説を書く時、お父さんと同じように大学ノートにどんどん書いていき、ある程度の塊になったら、それらを . . . 本文を読む
去年の夏に打ち込んでいた文章、今さらながら、取り上げさせていただきます。今度都会に出たら、また米原万里さんの作品集を買って来ようと思っています。 『魔女の1ダース』(新潮文庫 1999)は、プロローグのところで異端者はどんなにして作られ、疎外されてきたのか、というのをふり返っておられました。 高校のあたりから、聞きかじりで興味があった私でしたが、岩波新書『魔女狩り』という本は買い込みましたが、そ . . . 本文を読む