台風ははるばる熊野灘まで来て、その勢いを失いました。けれども、雨雲は刺激する力があるみたいで、今日も何度かケータイは注意勧告をしてくれました。今も警戒レベルは「3」なんだそうです。夜にも大雨は降るということでした。 皇室のことを研究しておられる先生は、X(旧ツイッター)の中で、今度の台風の進路はたまたまではあるけれど、神武東征と似たようなコースになったと書いておられました。確かに、少しズレはある . . . 本文を読む
中島らもさんの『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』1994朝日新聞社→1997集英社文庫、というのを読んでいます。実は古本屋さんめぐりをしていて、最近買った本ですが、もう一冊十年以上前に買っておりました。というわけで二冊あります。どうやら、自分の中のらもさんブームというのが巡って来るみたいで、今は何度目かのブームです。しんみり読んでいます。 らもさん自身は、2004年に52歳で亡くなって . . . 本文を読む
やっと「しをんのしおり」(2005)を読みました。 ノルマという言葉を辞書で調べて、ロシア語なのだ。シベリア抑留から伝わった言葉だというのを書いた後で、 だいたい私は「ノルマ」という言葉を調べるために辞書を引いている場合であろうか。まだ今日は数学の問題集を8ページと、古文を6ページ、漢字の書き取りを20個に英単語15個覚え、英語長文一題を終わらせねばならぬというのに。 予備校時代が割と身近に感じ . . . 本文を読む
石坂洋次郎さんの『何処(いずこ)へ』というのをまだ読んでいます。 主人公は帝大卒の文学士で、地域の名士にさせられつつあります。まだ若いけど、田舎では珍しいし、見込みのある人だからなのか、お医者さんや下宿屋さん、芸者やさん、いろんなところで主人公とお近づきになりたいというお嬢さんたちがチャンスをねらっています。 たまたま、けがの治療に出かけたお医者さんのところで、そこの一人娘の安子さんと二人きりに . . . 本文を読む
石垣りんさんは高等小学校を卒業した十四歳の時、銀行に就職することになったそうです。そりゃ、優秀な人だったのでしょう。 1979年のエッセイに、新聞の家庭欄で母親が娘の「巣立つ日の装い」をどうしたらいいのか、というのを投書していたそうです。 当時は、「袴姿の多いのが最近の傾向」ということだったらしいです。 そういえば、ウチの彼女も卒業式は袴にしていましたね。何だか懐かしくなってしまった。彼女は今で . . . 本文を読む
16~17世紀の日本人たちは、海外進出をしたそうです。歴史学者の永積昭さんはこんな風に語っておられました。 この時代の日本人が東南アジアにどういうような生き方をしていたのだろうかということは、大変興味のあるところだと思います。私は、民族エネルギーの高揚とか、未知の世界への関心の高まりといった知的好奇心が旺盛であることなど、ちょうど、今の日本人(1980年ころ)に似通ったところがあるのではないだろ . . . 本文を読む
2011年の6月某日の野坂昭如さんちのネコの話です。 わが家に二匹の猫がいる。オスとメスのきょうだい。オスの方をアルという。アルコールのアルである。メスはニコ。こっちはニコチンのニコ。ぼくの戒めのため、ぼくが命名。結構気に入っている。 ということだそうです。ネコのこの話にキュンとしたので写してみますね。 アルは弟、ややマザコン風。妻のそばを離れない。妻が出かけると、挨拶程度にぼくの部屋をのぞき、 . . . 本文を読む
1980年の秋、司馬遼太郎さんたちは越前の旅をされたそうです。その旅が「街道をゆく」シリーズの18巻「越前の諸道」にまとめられ、1982年に単行本化され、文庫は1987年に出ています。 そして、私は、今さらながら2024年に読んでいます。もうすぐ読み切りそうです。40年以上前の司馬さんたちの旅をたどりながら、私は2023年の1月に行ったっきりですから、その時の感じと重ね合わせて、越前とはどんなと . . . 本文を読む
朝の7時に家を出て、大阪の実家にクルマで行き、奥さんの用事をして、済んだら母と昼ごはんを食べ、少しお話したらすぐに帰ることにして、家に着いたら17時くらいでした。10時間の外出だったのですね。ほとんどクルマに乗ってたようなもので、少し疲れました。 私は電車に乗りたいのに、奥さんがまだ電車を信用できてなくて、私はアッシーとして必死こいて運転していました。そりゃ、何だってします。奥さんのご希望であれ . . . 本文を読む
ついこの間、古本で『絶筆』(2019 新潮文庫)を買いました。3分の1くらいまで読み進めました。あと400ページほどありますが、気長に読んでいこうと思っています。 野坂昭如さんは、いろんな活動をされてたのだ。政治家は知っていました。タレントで歌も歌ったり、コマーシャルにも出たり、〽ソ、ソクラテスかプラトンかなどのCMソングは350曲ほど作詞されたそうです。 ラグビーのチームを作ったり、シャンソン . . . 本文を読む
これは何だろう。借りてきたマンガですけど、帯には「煙が雨に打たれてるとこ見んの、大好きなんだよな。」とあります。 何人かの群像劇で、その中のお兄ちゃんの紹介でチイチイという3才児が登場し、天才だから学校にも行き、つまらない授業は受けないで、自由奔放に生きている姿が描かれています。 学校のワクから飛び出そうな3才児なんだけど、まわりの子らにも配慮のできるすごい子で、この子中心に物語は進んでいるみた . . . 本文を読む
司馬遼太郎さんとドナルド・キーンさんの対談集『日本人と日本文化』(1972 中央公論)というのを読みました。 今から100年くらい前、司馬遼太郎さんは1922年のお生まれ、D・キーンさんは翌年の1923年生まれでした。そのお二人が、すでに日本とは何か? 日本文化とは? という大きなテーマで、ドラマチックに語るのではなくて、話題にしたいあれこれを一つずつ取り上げて、それぞれの専門のところへ持ってく . . . 本文を読む
あれこれと大騒ぎして毎日それらしくブログを書いていましたけど、私のブログなんて、すべて既視感の積み重ねであり、過去のいくつものイメージをつなぎ合わせているパッチワークみたいなものでした。 あらためてそう思うような文章を見つけました! 田中真知(まち 男性)という思想家みたいな方の書かれたものから引用させてもらいます。 ありのままの世界とはどのようにイメージできるのか。それは生まれたばかりの赤ん坊 . . . 本文を読む
(孫引きで申し訳ありません。でも、この祝福された母子の姿に感動しました! 今読んだばかりではありますが……) 今、小津夜景というフランス在住の俳人の『いつかたこぶねになる日』(2023 新潮文庫)というのを読んでいます。 彼女が、シャーロン・ビールスの『鳥の巣 50個の巣と、50種の鳥たち』という本が気に入っていて、とうとう日本語版も買われたそうです。その序文に博物学者 . . . 本文を読む
路面電車つながりで志賀直哉さんを思い出しました。1912(T1)年に「正義派」を、1913(T2)年に「出来事」という短編を志賀直哉さんは書いています。29~30歳という頃から小説をコツコツ書き始めていたようです。 白樺派のみなさんたちは、どんなお仕事をされてたのか、年譜で見る限り、志賀さんは就職したと書いてありません。お父さんが鉄道会社、帝国生命保険、東洋制約などの役員とかをされてたみたいだか . . . 本文を読む