先週の土曜のお昼すぎ、石見神楽を松阪コミュニティセンター(通称・コミセン)で見ました。客席は500だそうで、1500人くらい収容できる市民会館は工事中なので、仕方なしにこちらで実施されたそうです。もう10年くらい、松阪市と島根県の浜田市との神楽での交流は続いているそうです。
きっかけは、400年前、安土桃山時代の豊臣政権のおり、滋賀県から連れて来られた蒲生氏郷という武将が松坂のお殿様となり、城下町や都市計画をしたということだそうで、初代の城主として氏郷祭りというのが今でも実施されています。その蒲生さんは家康と伊達政宗の抑えとして会津若松を任され、赴任してしまう。
そこからしばらくして古田さんという殿様が城主となる。これは徳川時代で、このお殿様がやがて山陰の抑えとして長州・毛利への抑えとして抜擢されて浜田に転封となったそうです。それから、何代めかの浜田の殿様が本居宣長さんの教えを受けた。そういうつながりを調べる方がいて、少しずつ交流が進んで、今では市長さんが行き来する関係が続いているそうです。
さて、金曜の夜の22時からクルマ2台とバスとで交流団と神楽の一座のみなさんは松阪に来られたそうです。朝にはこちらについて、舞台設営をして、休憩したらすぐに14時から公演で、そのまま2時間半たっぷり四つの演目を披露してくれました。
たぶん、土曜は松阪にお泊りされて、日曜に帰られたと思いますが、強行スケジュールであるのは確かでした。
浜田市では、宿泊のお客さんが9人以上いて、もし希望があるなら3万円で神楽が見られる、本当は8万円が必要なんだけれど、5万円は市の補助が出て、神楽推しで地域振興をしているとのことでした。本来なら市長さんが交流のために来てくださるそうですが、やむを得ない事情により副市長さんが代わりに来て報告してくれました。
神楽は、私には魅力的で、今回でも8月にチケット販売の当日に購入し、チケット完売の満員御礼の中で見て、聞いて、楽しませてもらったのですけど、若い人や中堅夫婦たちにどれくらいアピールするのか、それは少し疑問でした。私たちがいるホールも、お年寄り率がものすごく高くて、ほとんどが高齢の人で、私たち夫婦は若手の部類に入りそうな、そんな感じではありました。
オマタノオロチをスサノオノミコトが退治する演目「大蛇(おろち)」、エビスさんがひとりだけでずっとパントマイムのように舞う「恵比寿」、アマテラスさまを天の岩戸から出てもらう「岩戸」など、有名なテーマを舞ってくれたようでした。
圧巻は、舞台の上に8匹のオロチがいろいろなフォーメーションを組んで舞う「大蛇」で、延々とオロチたちが舞う姿を見た後は、対決シーンはわりとあっさりと順々に頭を8つ切り取っていくその丁寧なストーリー展開を納得しながら見ておりました。
すべてが終了すると、関係者全員が面を外して舞台に立ち、挨拶をするのですが、そのメンバーの多いこと。こんなにたくさんの人たちで演じられる舞台なのだ。だから、お互いの町で支え合いながら文化交流をしているのだ、今回松阪に来てもらったことも、松阪市なりに歓待したはずだろう、とは思いましたが、文化にはシブチンの松阪市の行政ですから、少し不安にはなりました。どうだったろうな。