甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

友だちの古民家カフェ

2024年11月10日 21時20分07秒 | きたぐにへの旅

 大阪にいる時にも、三重県にいる時にも、わざわざうちを訪ねてくれた仕事の仲間がいました。彼とはほんの1年間の付き合いでしたが、細々とつながっていました。みんなのリーダーになれる人だったし、先見の明があって、組織をどう動かしたいか建設的な意見を言葉にしてくれる力がありました。とても頼れる仲間で、私の方が年は取っていましたけれど、彼の言葉の方が重みもあったし、説得力がありました。常に先を見ていたし、自分の好きなもの・やりたいことにはとても敏感なひとでした。センスを大事にする人でもありました。

 (私は、その反対で、センスはないし、やたらめったらではあるし、意固地だし、提言はなくて、ぼんやりとした夢しかなかった。結婚していたから、奥さんと子どもと安定した生活基盤を作る、そのことで精一杯でした。他には何もなかった。仕事に夢を持ってなかったのかもしれません。)

 彼は何十年か兵庫県でお仕事をされて……、ということは1995年の時には兵庫県にいたはずですが、たぶん、神戸ではなかったので無事で、着実に歩いてこられていた。ところが、思うところあって奥さんの故郷である石川県に適当な物件を見つけて、そのおうちを自力でリフォームして古民家カフェを開いたということでした。

 十年くらい前に、転居してカフェを開いたというのだけは教えてもらっていて、大阪のご実家も大きなおうちだったけれど、奥さんのご実家へ行かれたのだなと思っていました。詳しい話というか、そこにたどり着くまでのあれこれを聞かせてもらうチャンスがありませんでした。



 23年の1月に金沢に出かけたときにも、彼の開いたカフェに一度行かせてもらいたいなとは思いましたが、その時はついついチャンスを逃してしまいました。ちゃんと彼のお店に行こうと、下調べも、強い意志も、連絡もしておらず、行けませんでした。こんな反省ばっかり!

 今回、うちの奥さんを連れて金沢に行けたので、彼女は古民家カフェには興味もあるし、お店はどんなセンス・雰囲気なのかと、しり込みする私を積極的に後押ししてくれて、弱気な私も、とうとう行くことができました。



 少し不安ではありましたが、タクシーを降り、運転手さんでも行けない細い道をたどって、迷いながら進んでいました。すると、私たちと同じようにお店を探している若い女性に出会い、「どこでしょうね?」なんて言いながら、彼女はどこの人なのか、地元の人なのか、カフェめぐりする人なのか、とにかく好奇心の塊のようで、その後についていくと、どうにかたどり着けた状況でした。うちの奥さんも、「確かにグーグルのストリートビューで見た景色だ」と、確かな足取りで行く。私は半信半疑でヨタヨタ行く。

 やっと見つけたところを中に入ってみます。お店の女性が対応してくれて(彼女は奥様だったようです。私は初対面でした。お話は聞いたかもしれないのに、実際に会えたのは初めて!)、私たち夫婦は、ひとりひとり別々の席に座り、私は亭主である奥の彼の登場を待ちました。そういうシステムのカフェだったようです。おしゃべりではなく、静かな時間を味わう場所として運営しているようなのです。



 彼は、私みたいなヤツがいたというのはわかってくれたみたいでした。三十何年ぶりだけど、私の雰囲気は変わってなかったというのか、マヌケ顔がインパクトがあったのか……。何とも言えない口の動きで、とっさに私の名前をまちがって言ってくれて、かすかに憶えていてくれたんだなと、何だかうれしくなりました。

 私たちのつながりは、まるでなかったけれど、それぞれが違うところで、違う道で生きて来たけど、こうして何十年ぶりに会えば、当時が蘇ってきました。

 お互いの今までをボソボソと話し、彼はお店にかかって来る電話「お宅の店に行くにはどうしたらいいのか?」という問い合わせにも、外へ出て道案内をしなくてはならないし、忙しそうで(「今日は珍しく忙しい」ということでした)、コーヒーとたまごサンドイッチをいただいて、お別れしてきました。

 また会えるかどうか、それはわからないけど、「そいじゃまた」とご挨拶して、奥さんと二人で昔の仲間に合流したのでした(カフェに行く時だけ少し別行動をしたんです)。昔の仲間ならではの感覚を一瞬に取り戻せて、うれしかった。また行けたらいいんだけど、そんなに金沢ばかり行ってられないしな?



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