月曜日、雨戸をあけると、うちの庭は雪景色でした。西の空は雲が垂れ込めていました。このまま雪は降り続きそうでした。北陸や山陰、新潟、山形、秋田、みんな雪が降っているので、三重県にも少しだけ雪景色をもたらしてくれてもいいのに、それなりに工夫して味わうのに、と思ったのです(いや、いつものスケベ根性です。いい写真が撮れるとでも思ったんでしょう。そんなの撮れるわけがないのに……)。
ゴハン食べて、しばらくしたら出かけました。でも、おっかなびっくりでした。道にはあまり走る車もいませんでした。少し気を許すと、ツルッと滑りそうな気配の道路でした。
スタッドレスタイヤを履いてはいますが、アイスバーンは怖いし、まさかそんなところはないだろうけど、薄暗いところ、日陰のところ、坂道、そういうところを避けて、名松線の奥へと向かいました。
市街地のカーブのところで、逆走した形で停車している軽自動車がありました。あれ、どうしたのだろう。だんだん近づくと、おじいさんが運転席にいて、右の前輪が溝にはまっていました。まがりそこねて、そのまま直進して反対車線に飛び出し、脱輪して溝にはまった直後のようでした。
ああ、おじいさん、どうしてこんな時に、カーブで曲がり損ねたんでしょう。悲しい顔でだれかに電話をしていました。警察か、家族か、車屋さんか、JAFさんか、とにかく大変そうなおじいさんを横目に見て、いよいよ慎重に走ることにしました。
どんどん山奥に進んでも、あまり雪景色にはならなくて、いつもの大洞山が見えなくて、高いところには雪は降っているのかもしれないけど、少しくらい標高が上がっても、雪景色ではありませんでした。
残念でした。雪景色の中を走る電車の姿を撮りたかったけれど、それは無理みたいでした。
トンネルの向こうから上り電車がこちらに向かってくる撮影スポット。夏はこんな感じですけど、雪が降ったら、それも少しだったら、
こんな感じ。だったら、上り電車を待てばいいのに、時計は持ってないし、時間も調べてないし、どうしてこう、無計画で飛び出してくるんでしょう。イヤになってしまう。
終点の伊勢奥津に着くと、折り返し運転というところで、雪景色を撮ろうとした乗り鉄のみなさんが何人かいました。ああ、これでほんの少しだけにぎわっているけれど、みんな手持ちぶさたです。どうしてこのお客さんたちをしばらくでもいいから滞在させる工夫がないかなあ。
みんな折り返しまでのほんの20分かそこらしか滞在しなくて、仕方なくそのまま帰ってしまいます。地元の人に触れ合うとか、特別な体験をするとか、古民家に上がらせてもらうとか、何か体験ができたらいいのになあ。
古民家カフェとか、住み着いた陶芸家とか、少しではありますが、いるんだけど、みんな帰ってしまう。
どうしたら、みんなが触れ合えるか、それは私のテーマでもあるのだけれど、私も何もできないで、オタクのみなさんを知らんぷりしてみているだけだし、ダメです。
1 ねえみんな、名松線の話しよう、古民家に上がって、何かできたらいいのに
2 山里の雪の景色を求めて鉄道乗りにけり とりつく島なくすぐに帰ってく
最近、そのまんましか書けないです。もともとそうだったけれど……。