ボブ・ディラン。楽器すべてができない私は、ギターを抱えて歌を歌える人には、ものすごいあこがれと希望を抱いてしまうんですが、二十代の頃、教養として聞いてたボブ・ディランは、イマイチ工夫がなくて、単調で、心に訴えるものがありませんでした。
けれども、79年だかの「スロー・トレイン・カミング」で、少しだけ好きになれて、しかもダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーのギターが入ってたりすると、音の作り方がいいのかもしれないと見直して、じんわり時間をかけて好きになって、現在はとても好きで、ピンク・フロイドか、ディランかという好きさになっています。
……個人的な趣味では、「プレシャス・エンジェル」が好きです。LPも持っているのに、CDも買ってしまいました。ムダの多い私の人生のムダの1つです。自慢ですか? 自嘲ですか? 反省かな。
イマイチよくわからない比較ですね。どっちも好きなんです。でも、フロイドさんはもう活動しないそうなので、ボブさんだけが頼みの綱です。
それで、今気に入っているのが、この「ディグニティ」なんです。大阪の実家に「Greatest Hits Volume3」を持っていって、ひまに任せて歌詞カードを見ていて、ビックリしたんです。
内容をよくも知らないままに気に入って、クルマの中で一緒にしわがれ声で歌ってたこの曲は、こんな内容だったのです。少し長いから、2回に分けて書いてみます。よろしくお願いします。
ネットで戸田奈津子さんの訳ということで見つかったのを見たら、何だか違うなあ、こんなんじゃなかったと、今日改めて見たら、歌詞カードのは、三浦久さんの訳になっています。ですから、そちらを見てください。
太った男は剣を見つめながら
やせた男は最後の食事をしながら
うつろな男は綿畑の中で
尊厳を探している
賢者は草の葉の中に
若者は通り過ぎる影の中に
貧者は彩色された窓ガラスの向こう側に
尊厳を探している
誰かが大晦日に殺された
先ず失われるのは尊厳だと誰かが言った
ぼくは大都会にも小さな町にも行った
白夜の国にも行ったことがある
あっちこっちを探し
知ってるところはくまなく探した
行く先々で警官に尋ねた
「尊厳を見かけませんでしたか」
目の不自由な人がふと我にかえり
運命のポケットに両手をつっこむ
ひとかけらの尊厳がはいってないかと
かすかな希望を抱きながら
メリルーの結婚式に行った
「あなたと話しているところを見られたくないわ」と彼女は言った
尊厳について知ってることを話したら殺されると
彼女は言った
ハゲタカが死肉に群がってるところへ行った
もっと深く入ることもできたが、その必要はなかった
天使のことばも人間のことばも耳にしたが
ぼくにはどっちも同じに聞こえた
冷たい風は、カミソリのように鋭く
家は火の車、借金はたまるばかり
窓辺に行って、メードに尋ねよう
「尊厳を見かけませんでしたか」
dignity(尊厳)ということばが何度か使われ、耳にはいろんな人が出て来ているんだろうな、というのは何となくわかってたんですが、こんなにたくさんの登場人物がいるとは知らなかった。
物語になっているんですね。そして、「ぼく」は探し、尋ねるのです。
「Have you seen dignity?」
私は、これも1つの人生なのかなと思います。
「栄光」「名誉」「平和」「喝采」「悦楽」「調和」「中庸」などなど、
人が探しているものはいろいろあるようです。
でも、それは簡単に得られるものではないし、手に入れたと思っても、すぐこぼれてしまうし、きりがないのです。でも、私たちは探して生きている。
さあ、この歌はどこにたどりつくと思いますか?
けれども、79年だかの「スロー・トレイン・カミング」で、少しだけ好きになれて、しかもダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーのギターが入ってたりすると、音の作り方がいいのかもしれないと見直して、じんわり時間をかけて好きになって、現在はとても好きで、ピンク・フロイドか、ディランかという好きさになっています。
……個人的な趣味では、「プレシャス・エンジェル」が好きです。LPも持っているのに、CDも買ってしまいました。ムダの多い私の人生のムダの1つです。自慢ですか? 自嘲ですか? 反省かな。
イマイチよくわからない比較ですね。どっちも好きなんです。でも、フロイドさんはもう活動しないそうなので、ボブさんだけが頼みの綱です。
それで、今気に入っているのが、この「ディグニティ」なんです。大阪の実家に「Greatest Hits Volume3」を持っていって、ひまに任せて歌詞カードを見ていて、ビックリしたんです。
内容をよくも知らないままに気に入って、クルマの中で一緒にしわがれ声で歌ってたこの曲は、こんな内容だったのです。少し長いから、2回に分けて書いてみます。よろしくお願いします。
ネットで戸田奈津子さんの訳ということで見つかったのを見たら、何だか違うなあ、こんなんじゃなかったと、今日改めて見たら、歌詞カードのは、三浦久さんの訳になっています。ですから、そちらを見てください。
太った男は剣を見つめながら
やせた男は最後の食事をしながら
うつろな男は綿畑の中で
尊厳を探している
賢者は草の葉の中に
若者は通り過ぎる影の中に
貧者は彩色された窓ガラスの向こう側に
尊厳を探している
誰かが大晦日に殺された
先ず失われるのは尊厳だと誰かが言った
ぼくは大都会にも小さな町にも行った
白夜の国にも行ったことがある
あっちこっちを探し
知ってるところはくまなく探した
行く先々で警官に尋ねた
「尊厳を見かけませんでしたか」
目の不自由な人がふと我にかえり
運命のポケットに両手をつっこむ
ひとかけらの尊厳がはいってないかと
かすかな希望を抱きながら
メリルーの結婚式に行った
「あなたと話しているところを見られたくないわ」と彼女は言った
尊厳について知ってることを話したら殺されると
彼女は言った
ハゲタカが死肉に群がってるところへ行った
もっと深く入ることもできたが、その必要はなかった
天使のことばも人間のことばも耳にしたが
ぼくにはどっちも同じに聞こえた
冷たい風は、カミソリのように鋭く
家は火の車、借金はたまるばかり
窓辺に行って、メードに尋ねよう
「尊厳を見かけませんでしたか」
dignity(尊厳)ということばが何度か使われ、耳にはいろんな人が出て来ているんだろうな、というのは何となくわかってたんですが、こんなにたくさんの登場人物がいるとは知らなかった。
物語になっているんですね。そして、「ぼく」は探し、尋ねるのです。
「Have you seen dignity?」
私は、これも1つの人生なのかなと思います。
「栄光」「名誉」「平和」「喝采」「悦楽」「調和」「中庸」などなど、
人が探しているものはいろいろあるようです。
でも、それは簡単に得られるものではないし、手に入れたと思っても、すぐこぼれてしまうし、きりがないのです。でも、私たちは探して生きている。
さあ、この歌はどこにたどりつくと思いますか?