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1年ぶりかで県外に出てみました。昨日は感染者が出なかったそうですが、今日は出たのかな。
少しだけ落ち着いてたし、私もひとりでどこかに行きたかったんです。
私だけが休みだったんです。
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それで、京都の国立近代美術館に行きました。
「美しかりし明治への旅」という展示で、どこのコレクションだったのか、その辺の説明がイマイチされてなくて、作品は見たけれど、あとは自分で調べてみてという感じではありました。テーマごとに並べられてはいたけど、説明はほとんどなしで、ただ見てみなさい。感じて見なさい。という展示でした。
油絵もあったんですけど、私が気に入ったのはスコットランドの画家のウィリアム・シンプソンという人の「明けの明星」という水彩でした。
全然、「明けの明星」っぽくないし、女の人は日本の女の子に見えませんでした。
西洋の子が無理矢理に着物を着せられて、朝から雨戸を開けさせられて、何だか疲れているのか眠いのか、という表情でした。でも、何か気になる作品でした。特に深い意味もないだろうし、目が西洋の人だから、こんなふうにしか描けないのかな、と思いました。その疲れた感じがよかったのかなぁ。
W・シンプソンさんの作品はこれ1枚で、あとの画家さんたちもそれぞれ思い思いの日本を描いていました。
やはり、富士山、日光東照宮や中禅寺湖、箱根、鎌倉の大仏、宮島、そういった今でも外国の人に受ける観光地をテーマにした風景画は、かわいらしいし、いとおしい日本の姿がとどめられています。
でも、やはり、そんな観光名所よりも、何気ない人々の表情を描いたもの、そういうのもありましたけど、もう少し時間かけてみた方がよかったでしょうか。
お天気も雨が降りそうになってきて、どんどん暗くなってきて、落ち着かなくなったのでしょうか。
いやいや、暗い外に気づいたのは、全部見終わってから後でした。私なりに時間かけて2度会場を回ってみたんでしたね。
それで、たった1枚だけのシンプソンさんなのか。
他にも気に入ったものはあったんですけど、インパクトはこれが一番でした。
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ウィリアム・シンプソン(William Simpson、1823年10月28日 - 1899年8月17日)はスコットランド生まれの画家だそうです。
戦地特派員として、クリミア戦争の戦地などに派遣されて、戦争の実情を伝える版画原画を描いたり、イギリス王族の外国旅行に随行し、新聞の挿絵の原画を描いた、というのが彼の経歴だそうで、日本にはそうした東欧・アジアの取材の流れで、たまたまやって来たのかもしれません。
そんなに日本と深い関係というのか、日本をテーマにした作品集みたいなのはないのかもしれません。
雑誌・新聞などジャーナリスティックなイラストを求められて、その度に仕事をしていったみたいです。
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これは、展示の中にはなかったけれど、シンプソンさんの富士山なんだそうです。
そうでした。キップ買わなきゃと並んでいたら、同年代の女性から、「これもらったものやから、どうぞ」と招待券をいただきました。
半信半疑、でも、たぶん、そうみたいだから、「ありがとうございます」とチッャカリもらってしまった。
なんというお得なこと! だったら図録を買えよ、と今となっては思うけど、置くところがなくて、運ぶのがしんどくて、買わずじまいで、絵ハガキさえ買いませんでした。なんとシブチンなんでしょう!
日本の風景というよりも、ターナーなどの系列の作品みたいな気がします。またつづきは明日書こうと思います!