甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

America / Bob Dylan

2016年10月24日 21時57分36秒 | わがまま音楽

 ガロというグループなんて、ほとんどの人が知らないと思います。そんなのを話題にする人の方が少ないし、わざわざブックオフでCDを買ったなんて、もう化石級の古いヤツだと思われます。

 たぶん、小学校の高学年か、それとも中学生、どっちだったんだろう。調べたらわかるだろうけど、どっちだっていいので調べません。

 とにかくガロというグループのうたでディランさんの名前を聞きました。それからディランさんに触れるまでに十年以上経過して(?)、79年だかのグラミー賞で「スロー・トレイン・カミング」がアルバム・オブ・ジ・イヤーになって、少しだけダイアー・ストレイツとかに興味もあった私は、そこのリーダー兼ギタリストのマーク・ノップラーさんが参加している曲が好きになったんでした。

 ダイアー・ストレイツからディランさんに入っていったわけですね。当時はFMの深夜の番組(ソニー・プレゼンツ?)には、1人のアーチストを2時間くらいかけっぱなしの番組があって、ずっと聞いてみたものの、ちっともおもしろくなくて、音もスカスカだし、何を言っているんだかさっぱりわからないし、メロディーははっきりしないし、とりつく島がなかった。


 まだ、私にはボブ・ディランさんがわからなかったんでしょう。

 それから、90年代から、少しずつ聞き始め、今に至っていますが、個人的には、本人の曲よりもスタンダードばかりを集めた「Good As I Been To You」(1992)が好きになりました。これは30代の終わり頃、毎朝毎晩クルマの中で聞いていました。そのころは肝臓の調子が悪くて、「肝臓が悪くて死ぬのはイヤだな」とか、ありもしないことを考えてクヨクヨしていたんでした。

 それから、十数年して、何とかフツーに暮らしていて、時々は肝臓も痛くはなるけれど、わりとかまわずに暮らすようになりました。だから、「グッド・アズ……」もあまり聞かなくなりました。でも、たまには、アメリカのフォークソングを聞きたい気分になったら、朝からCDを取り出すことも、ごくたまにありますから、十数年前の体験が今も息づいているわけです。

 そうですね。私は、80年前後からのフォロワーなわけです。ディランさんはキャリアは長いし、いろんなCDを出しているし、いろいろと変化はしていくし、私たちを今も楽しませてくださる、ありがたい方です。

 だから、そういう方を、ノーベル文学賞という枠にはめようとするノーベル委員会の権威主義を、まったく相手にしないディランさんには、かげながら喝采を送っているんです。

 そんなに詩人が好きなのなら、ディランさんに贈らないで、何がノーベル委員会だよ、アホらしい! とずっと思っていました。あの委員会は、自分たちが認めてあげたら、さぞかし社会的・世界的に認められたことになるのだそ、といい気な感じでおられるかもしれません。でも、川端康成さんも、候補であった三島由紀夫さんも、安部公房さんも、時代の波に消されそうな今、何がノーベル賞だ、アホらしい! という気分はあります。ちゃんとタイムリーに人々の気持ちに乗れない、時代錯誤の委員会が認定したって、何のありがたみもありません。

 本屋さんとお調子者だけが、ソワソワするだけで、ノーベル賞は、社会現象・ブームにはなるかもしれないけれど、何の役にも立たないのです。

 いつかは取って欲しかったけれど、いざ取ってみると、ディランさんに教わるような気分です。ディランさんは、ライブ会場には地道に出続けるけれど、わずかの賞金と引き替えに、時間拘束と無理矢理のスピーチを強要する権威的なヤツらは一切無視する。この姿勢に新たに教わった気がします。

 私には莫大な賞金に見えますが、ディランさんは自由を選んだ。ごく自然に、なおかつ意識的に。


 だから、いっそう私たちは、そうか、そういう生き方があったのだ。権威に傾かないで、人から支持されるために、ファンがよろこぶためだけに時間を費やし、少しでもたくさんの人に語りかけようとしてくれる。これでなきゃいけません。

 私は、これからのディランさんの動向を見ていきたいですし、輸入盤を1000円くらいで買い続けていこうと思いました。若い頃聞いてもちっともおもしろくなかった、スカスカの音楽を聴き、少しは歌詞にも注意して、一生ディランさんに向き合っていこうと思います。

 委員会の人たちは、何だよ、私たちが選んでやったというのに、このアメリカのしわがれ声のオッサンは、どうして言うことを聞かないんだよ、アホウだなあと思っているでしょう。彼らがわからなければわからないほど、私たちはうれしいんです。ザマーミロです。

 取って欲しかったけれど、それを軽く無視するディランさんのことが、改めて好きになりました。ありがたいことです。


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