* わたしの望み・わたしの季節
いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かンめれ。〈1段〉
いゃあもう、この世に生まれたからには、誰でも当然こうありたいと思うことがいろいろと多いようでなんですよ。〈1段〉
いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かンめれ。〈1段〉
いゃあもう、この世に生まれたからには、誰でも当然こうありたいと思うことがいろいろと多いようでなんですよ。〈1段〉
まさに、その通り。人間の半分以上は欲望でできています。それがなければ、ただの生き物です。いや、生き物はたいてい欲望を大事にして生きてるんじゃないかな。
花はさかりに、(a ? )はくまなきをのみ見るものかは。雨に向かひて……を恋ひ、たれこめて春のゆくへ知らぬも、なほあはれに情け深し。
桜の花は真っ盛りに咲いているのだけを、(a ?)はかげりもなく照り輝いているのだけを、見て味わったりするものなんだろうか。たとえば、降っている雨に向かって見えない( ? )を心で思い浮べたり、簾を垂れて、その中に身をこもらせて、春が次第にふけてゆくのを知らずに過ごすのも、やっぱりしみじみとした感じがして、情趣が深いものじゃないのかなあ。
兼好さんも、一筋縄ではいきませんね。簡単な気持ちを大事にはしているけれど、あまりにみんなが同じところに流されていると、本当にそれでいいのかと言ってくれる人なんです。ひねくれ魂も大事というか、忘れてはならないのです。
咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ。〈137段〉
いまにも咲きそうな桜の木の梢や、桜の花が散ってしおれ残っている庭の様子などは、特に見る味わいのある所が多いものだと思います。
☆ 空欄aに適当な一字を入れてみてください。それを見ると、どんなストレスも慰められるということです! 30日に1回盛り上がる時がありますよ!
☆ 私たちのたくさんの望み! たとえば、家柄? ルックス?
そして、兼好さんがもっとも大切としたものは何でしょう? 三択です。生きる目標みたいなものかな? [b ]
ア・法師になること? イ・人の鏡になること?
ウ・才(学問)があること? エ・世の中が平和になること?
すべて、何も皆、ことのととのほりたるはあしきことなり。〈82段〉
何もかも完全すぎるのはよくない。ゆとり・スキ・余裕・遊びといったものが必要です、という作者の倫理観・人間観はどんなでしょう。
平板なものを嫌い、パターン化されない価値観を育てよう! 自分の感性で、自分の好きなものに心を動かされよう! やりたいことや願いを誰もがたくさん持っているけれど、自分を信じてそれらを感じ取ろうと言っているようです。
もう少し注釈が必要です。四十代になりたてのころ、何だか不安がいっぱいでした。体調も悪くて、いつ自分がこの世から消えてなくなるのか、それなりに不安でした。
だから、孔子さんや、兼好法師さんの本を読んでみました。あまり光明は見つからなかったけれど、落ち着いたのは確かで、とりあえず芭蕉さんの五十、兼好さんの老年、孔子さんの七十を目標に、たいしたことはできないけど、やっていこうと思いました。
そうこうするうちにもっとオッチャンになって、ただの酒飲みオヤジになってしまった。昔はこんなに毎日飲むなんて、とても考えられないことだったのに、毎日飲んでいます。
それで、兼好さんの文章を打ち込んで、お勉強をして、項目別に並べて、いつもの自己満足をしておりました。
その原稿が、もう何年も前のことです。それを今さらながら掘り出してみました。
その時はおもしろかったんだけど、今はそれほどでもないですね。価値観が変わったんだろうか。よくわかりません。
★ 答え……a・月 b・ウ