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昨日、多気町の勢和図書館で、写真家・中里和人(なかざとかつひと)さんと文筆家・中野純さんによるスライドトークシヨーがあり、夜からノコノコ出かけていきました。帰りは少しだけ寒かったし、シカに遭遇するのではないかとビクビクだったけれど、楽しい夜を過ごしてまいりました。
二人はコンビでいくつかの仕事をされているらしいし、中里さんはご実家が三重県の多気町で、そちらをギャラリーとして改装されていて、時々は戻って来られて、イベントなどをされているみたいです。中野さんは、文筆家でいろんな著書があるみたいだけど、少女漫画の図書館兼喫茶店みたいなのもされていて、東京にあるマンガ館の姉妹館が多気町にもあるということでした。だから、三重県にはお二人とも縁があるということのようです。だからこそ、勢和図書館でもお二人をお招きする意味があったようです。
どんな仕事をされているのかというと、サイハテ学会というのを結成されて、都市部でも地方でも、世の中の人が騒ぐ観光スポットとは別の切り口・視点でおもしろいものを見つけて、それを「サイハテ」と認定する。そうすると、SNS等を通してサイハテのおもしろさを知った人たちが押し寄せて来るという、再発見なんだか、観光スポットの掘り起こしなんだか、その辺りは微妙なんだけど、新たな聖地を求めて人が押し寄せるのは現代的で、ネット世界でスポットライトのあたる場所があるようでした。
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私たちは、どうやらそういうスポットに飢えているようです。誰かが見つけたおもしろいものは、たくさんの人に共有されて、消費されてしまう。そして、せっかく見つけたおもしろい場所はすぐに使い古され、俗化させられて、やがては、もとの誰もふりむかない場所にもどっていくようです。
たくさんたくさん消費しないと気が済まない世の中では、一度生命を絶たれた政治家が簡単によみがえることがあるように、世論操作も簡単に行われ、政治家も賞味期限を更新できた人たちが生き続けたりするようです(たいていはみんなウスッペラですから、更新こそがいのちなんですね!)。すでに「終わっている」と思われていたものが、蘇るんですから、ゾンビだって簡単に作れてしまう。何だか怖いくらいです。
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作られた観光スポットというのか、人から勧められた場所には行かないというのはどうでしょう? 「あそこはいいよ」「ぜひ行くべきだ」「おもしろいよ」「バエるよ」いろんなお誘いの言葉があるけれど、私は私の偏屈な視点を持ちたいと思います。何も見えなくても、たくさんのおもしろみを味わえず、つまらないものしか見られないとしても、それは私なりの楽しみをしたのであれば、それでいいのだと思うようにしたいです。
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ネットでフラフラしていて、ふと、ちあきなおみさんのあの歌なんだっけな? と気になった歌が湧いて来ました。たぶんテレビで見たはずだから、コマーシャルで使われてた歌でした。
あれこれ検索してみたら、たどり着いたのは「黄昏のビギン」という曲でした。永六輔さんの作詞、中村八大さんの作曲。1959年ころの映画のための音楽だったそうです。オリジナルは水原弘さんだったんですね。それは聴いたことがありませんでした。
たそがれの街に出会った男女の歌だったんでしょうか。ビギンというのは、ダンス音楽だったそうですが、いろんな曲調が取り込まれるのは、昔も今も同じなのかな。音楽も次々と取り込まれ、消費され、飽きられ、よみがえり、スタンダードになれたら、人々にそれなりに扱ってもらえる。そういう価値観の変遷を経ながら、私たちは音楽も視覚も継承していくみたいです。
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私は、私の好きなもの・価値観をどれくらい磨いているのか。それは怪しいですね。わがままでただのオデブのうっすらハゲになってないかな? なってるなあ。まあ、いいか。
好きなものを探していきたいです。
〽 雨がやんでた たそがれの街
あなたの瞳 うるむ星影
夕空晴れた たそがれの街
あなたの瞳 夜にうるんで
そんな、無理することはないのです。泣きなたきゃ泣く。泣けないなら、ボンヤリする。もらい泣きしそうだったら、その場を去る。もらい泣きはずるいです。自分の心が動いてないのに、年取って来ると、人の涙で泣けてしまう。腹立っちゃうんだよな。心が動いてないのに、どうして泣くんだよ、なんで思う。
でも、もらい泣きも許してあげよう。それも悲しみの一つ。泣いたら何か生まれるかな。生まれないかもしれないけど、泣ける時間があるだけで、それもしあわせ。
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