甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

みな去って、会いたい人はいない

2017年02月16日 19時34分08秒 | 一詩一日 できれば毎日?
 例によって室生犀星さんの詩集を時々見ています。何しろ新しく岩波文庫版を買ったくらいですからね。変に詩人づいていますか? 

 そうですね。変な色気はありますね。七五調の詩をまた書くかもしれない。本当に何をやっているんだか……。


   みな去る

結局 みないなくなる
一人見えなくなり
また一人いなくなり
こんどは三人も見えなくなる
どこにもいなくなる
しばらくの間に
かぞえて見れば
十何人もいなくなる
あまりたくさんいなくなり
ついにかぞえることもできなくなる
その人らはもう
どこにも生きてはいない
呼んでもふりかえる人ではない
かぞえれば
減って行くところを知らない


 当たり前のことだけれど、日々いろんな方たちが亡くなっていきます。私としては、七十年代に影響を受けた方たちが、ポツリ、ポツリとこの世からおられなくなるのが、ボディブローのように効いています。

 冨田勲先生、中学校の時の担任の先生、その他いろいろ、どんどん増えていくばかりです。それはどうしようもありません。ああ、それなのに、世の中はシレッとして、そんなのは当たり前というか、見向きもしないのが情けないです。

 みんな自国の利益ばかり、そんなに自国の利益が大事なら、もうグローバル経済なんてやめたらいいのに、そして、どこにも輸出入しなくて、日本なんかも、脱石油・脱天然ガスで、電気自動車ばかり走らせたらいいのかなあ。

 まあ、絵空事です。もう後戻りはできないのだから……。

   
あひたきひと

あいたいひとはいないか
あいたいひとはいない
ほめたいひとはないか
ほめたいことだらけだ
にくみたいひとはないか
そんなひとは一人もない
かねはほしくないか
家族を生かすだけいる
ほしいものがあるか
もうない
死ぬことはいやだろう
あるときはいやだが
あるときはいやでもない
もう一度いうが
あいたいひとはないか
めんどうくさい
あいたいひとはない
そんなもの世界に一人もない。


 本当なんだろうか。会いたい人はいないのだろうか。それとも、会いたい人はみんな向こうの世界に行ってしまったということなのかなあ。

 年を取ったら、そういうことってあるのかもしれない。私はまだ、会いたい人はいるような気がします。それは幸せなのかなあ。でも、会いたかったら、存分に会えばいいし、会えないのなら、あきらめればいいし、中途半端はいけません。

 せいぜいやれることをやって生きていきます。

 「会いたい人はいないか」と心に念じて生きることは、いいことかもしれない。

 「そして、それでいいのか」といつも問い詰めなくちゃ!


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