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日光にたどり着きました。どんな出会いが生まれるんでしょう。
卯月(うづき)朔日(ついたち)、御山(おやま)に詣拝(けいはい)す。
往昔(そのかみ)、この御山を「二荒山(ふたらさん)」と書きしを、空海大師(くうかいたいし)開基(かいき)の時、「日光」と改め給ふ。千歳(せんざい)未来を悟り給ふにや。
今この御光(ごこう)一天(いってん)にかゞやきて、恩沢八荒(おんたくはっこう)にあふれ、四民安堵(しみんあんど)の栖(すみか)穏やかなり。なほ憚(はばか)り多くて筆をさし置きぬ。
あらたふと青葉若葉の日の光
あらたふと青葉若葉の日の光
四月一日(陽暦五月十九日、まだ間に合いますね)、日光のお山に参拝しました。
昔は、「二荒山」というふうに書いていたそうですが、弘法大師・空海さまがこちらに来られた時、「日光」というふうに書き改めたそうです。何と未来まで見通して、適切な処置を取られた方なのでしょう。弘法大師さまの先見性というのか、未来までを見通しておられるのが、本当にすごいところでございます。
今は、そこに東照宮が建立せられて、その御威光がすべての空と海と大地に満ち満ちて、その恩恵は国のすみずみまで行き届き、すべての人々が何の心配もなく暮らすことができて、平和そのものでもあるのです。
これ以上はもう語る言葉もありません。ただただ素晴らしく、恐れ多いことではありますので、もう書くことはやめにします。
ああ、本当に尊い青葉若葉のあふれる、日の光あふれる日光東照宮さまです。
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そんなにあれこれ書くのは、恐れ多いし、圧倒的な力と物量で東照宮さまは輝いていたことでしょう。なにしろ、できたばかりだったろうし、ピカピカだったでしょうね。
つづきは、明日書くことにします。あまりにでき過ぎた観光地というのは、特に何かを書くということもできなかったでしょう。
よくぞまあ、芭蕉さん、挨拶の句が作れましたね。そこがすごい。うまくまとめていますよ。立派だ!!