A: 中三トリオでだれが好きだった?
B: そりゃ、淳子ちゃんだべ。 ♬クッククック、青いトリーじゃないの!
A: 百恵ちゃんの「あなたに女の子一番たいせつな……」は?
B: あれは、何か、狙いすぎてて、なんかイヤじゃったよ!(どこのオジイサン?)
A: 昌子ちゃんは?
B: 中学の音楽の男の先生は、好きだったみたいだけど、よくわからんかったなあ。というのか、何とも思わんかったかも。何かお年寄りに好かれる感じで、若い人に好かれたんだろうか。森進一さんなんかと結婚しちゃうんだもんな。
C: いや、なんてったって、ヒロミちゃんに決まってるじゃん!
このデビューアルバムの「はだしの散歩」なんて、ファンは涙したもんよ! ♬あなたお願いよ、席を立たないで! の「ロマンス」なんだよ!
D: あなたたち、まちがってますよ! みんな、どこかへ消えてしまったでしょ。キャリアといい、実力といい、ずっとトップを走ってきたのは、さゆりちゃんなんですよ!
C: そりゃ、そうかもしれないけど、宏美ちゃんは今も活動してますけど……。
D: そうかもしれないけど、紅白とか出てますか!?
C: 確かに、出てないかもしれないけど、かわいさは宏美ちゃんだけど。
A: それは、キミの好みの問題だろ!
C: あなたは話題を振ってるだけで、あなたは誰が好きだったんだい?!
A: いや、特に……。
B: ただの昔話の話題を持ち出しただけかよ!
D: さゆりちゃんは、デビューしたころは、三人娘のあとを追いかけるだけのアイドルだったけど、ずっとコツコツ頑張って、19になる年に「津軽海峡冬景色」で演歌界のトップに立ったんですよ。あの時は、本当にすごかったんですから!
C: そういうこともあったのかな。1977年、宏美ちゃんは何をしてたんだろう。「想い出の樹の下で」「悲恋白書」「熱帯魚」「思秋期」四つシングルを出して、最後の「思秋期」で自分の方向性を見つけたのかなあ。彼女はポップスとか、シャンソンとか、歌そのものにシフトしたんだった。ちゃんと自分の道を見つけて、偉かったなあ。
そうか、確か、学生のころ、「さゆりちゃん」とボクが勝手にあだ名をつけた女の子いたなあ。彼女、全く、演歌とは関係のない、普通の、大人しい感じの女の子だったけど、落ち着きあったなあ。少し憧れてたかも……。お話もできなかったけど。緊張してしまって……。
A: 急にコイツ、何を語ってんだよ。それは誰だよ!
B: お前はヒロミちゃんじゃないのかよ!
C: うん、そうなんだけど、さゆりちゃんも好きだったなあ。
D: そんなんじゃなくて、ちゃんと石川さゆりの魅力を語ろうよ。
C: イヤだ! ボクは、兵庫県の浜坂の、さゆりちゃんの住んでた町に行ったんでした。学校を卒業して何年目だったのかなあ。
B: お前、勝手にひたってろ!
C: そう、やはり、日本海なんだよ!