お昼のBSで、邦題が「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(2011 ワーナー)というアメリカであったテロ事件を題材にした映画を見ました。
お父さんはトム・ハンクス、お母さんはサンドラ・ブロック、10歳のひとり息子はトーマス・ホーンという人です。今は彼はどんな仕事をしているのか、少し気になりました。いい役者さんになっているかな。
映画は、2011.9.11の朝に事件が起こります。いや、その前に主人公の男の子は、お父さんといろいろとニューヨークという街で生きていくため、いろんなことを教えているところから始まります。
地図の見方、調査探求の仕方、ブランコにいかにして乗るか。お母さんをどれだけ愛しているか。その他にもいろいろと伝えていたように思います。でも、最初のうちは人間関係を把握するのが忙しくて、何をやっているのか、イマイチつかめていませんでした。
そして、その日の朝、9時過ぎくらい、子どもたちは学校を早退させられます。そういう非常事態という感じがあったんですね。みんな浮き足立っているし、サイレンが街に鳴り響いていて、大人はテレビを見てはいるけど、どうしたらいいのかわからなくなっていた。
少年は家に帰ってみると、電話が鳴っています。お父さんからの電話だという気がしました。留守電は入っているようでした。最後の電話は、途中で切れてしまいます。少年は、受話器を取ることができた。でも、できなかった。直面していることの大きさに、体が硬直してしまう。それはトラウマにもなるものであったけれど、彼にはできなかった。
そう、映画は空っぽの棺桶を埋葬するシーンから始まったんでした。それは、お父さんじゃないなんて少年は言う。確かにその通り。でも、お母さんはけじめのために、とりあえず埋葬することにした。おばあちゃんも一緒に見ていてくれたんだった。
1年が経過し、少年は父の部屋のクローゼットに、小さな封筒に入ったカギを見つける。封筒にはBLACKと書いてあり、少年はニューヨーク中のブラックさんの家を訪ねることを始める。
たくさんのブラックさんを訪ね、自分は父を亡くしたが、父の残したこのカギの秘密を見付けたいと思っています。何か知らないですか? という調査・探検行が始まる。
途中から参加する、たぶん、父の父、つまり自分の祖父らしい人とも少しだけ交流するのですが、この祖父らしい人も、少年時代のトラウマによりしゃべれなくなっている。けれども、孫らしき人を支えようと祖父らしい人も、ニューヨークの町のあちらこちらを一緒にたどります。
そして、カギの持ち主も見つかり、その持ち主もやはり父とのわだかまりを抱えている人であった。そんないろんな人の心の傷を、本人も抱えてはいるけれど、父から与えられた(かもしれない)ミッションと信じて、ほんの少しタフになり、父からの最後のメッセージも見つけられて、物語は終わります。
実は、お母さんは、子どもの先回りをして、こんな子が来たら、よろしくお願いします。というのを伝えて回ったそうで、母と子の別々のカギを探す旅がニューヨークで行われた。それらは、残された人々が、この街でいかに生きていけばいいのか、その手がかりを見つける旅でもあった、というのを私たちに思わせてくれました。
私は、祖父役の、スウェーデンの名優の、マックス・フォン・シドーさんが出てくるあたりはとても癒される感じがしていました。マックスさんのセリフはないのです。でも、どんなことがあっても、見捨てず、見守り、助言を与え、その子のために良いことを勧めていく。なんと、あたたかい家族の愛情なのか、というのを感じていました。
NHKのページからコピーしました。
〔製作〕スコット・ルーディン
〔監督〕スティーブン・ダルドリー
〔原作〕ジョナサン・サフラン・フォア
〔脚本〕エリック・ロス
〔撮影〕クリス・メンゲス
〔音楽〕アレクサンドル・デプラ
〔出演〕トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、
マックス・フォン・シドー、ジョン・グッドマンも出てた!(Babeでベイブ・ルースをされた俳優さんです)