素性法師さんの作品にこんなのがあって、メモ帳に記してありました。
いざ今日は春の山べにまじりなむ 暮れなばなげの花のかげかは
さあ、今から春の野山の中へ入っていきたいものだ、さあ行こう行こう。そして、日が暮れてしまったら、どこかの名前の知れない花の下に眠るとしよう。
明るいような、悲しいような歌でした。このまま野山にまじり、消えてしまいそうで、それを望んでいる雰囲気さえ感じられて、何だか怖くなります。
そんな無茶な歌ではないと思うけれど、私には諦めみたいなのが感じられました。諦め・諦観とはいえ、ちゃんと生活して、これからもちゃんと生きていこうとされてるんだけど、それでも、野山で楽しかったら、そのままそこで過ごしてもいいよ、みたいな、アウトドア願望の歌として聞いたらいいのかもしれません。
そこはそれ、みたいな感じです。
でも、何だか悲しい感じもしました。どういうのかよくわからないのです。よくわからないからメモしたというべきか、「なげの花」という言葉が気になったのか、たまたまメモしました。
1・大切に守られてきたスタイルがいつか途切れる時もあるんだろうか
2・誇らしく実をつけていた木は枯れて つる性植物花を咲かせて
3・麦の波わたしのまわりも風は吹く 日は斜め後方より迫る
4・あぜ道にヘビもカエルも大雨も アザミはすべてを受け流す