甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

女の都 1980伊 その2

2015年06月11日 21時31分41秒 | だいたい映画、ときどきテレビ

 トンネルが見える。すぐに中に入ってしまう。ガタンゴトンと列車の中では、あっ、酒ビンが落ちそうになる。落ちそうだ。パッとトンネルを抜けると、コンパートメントの外でガキン子たちが飛び跳ねている。

 マルチェロ・マストロヤンニ扮するスナッポラ博士は目を覚ます。目の前にはすごい美人が座っている。彼好みの女性らしい。おっ、ビンが危ない。と、2人の手がビンに走り、手が触れてしまう。

 おや、失礼。へへへと照れ笑い。すごい美人はヒョンと席を立ってしまう。ムムム、もう我慢できない。と、便所に立ったはずの彼女を求め、ドアをノックする。トントントン、ドアが開いて、彼女を見つけると、すぐにキスをして、もうスナッポラくんはズボンを脱ぎかける。列車は止まっていて、ここはどこなんだろう?

 ………だよと、彼は答える。じゃあ、私降りなきゃと言って彼女は降りてしまう。おい、ちょっと待ってくれと、彼女の熱いキスの味が忘れられず、彼は彼女を追いかけて、列車を降りて、そのまま森の中へ向かってしまう。

 森の奥では、ウーマンリブの大会が行われていて、様々な分科会。セックスについて。男根。主婦の1日を茶化したコント。自由結婚の体験者談。もうハチャメチャで、男は女をセックスの道具としてしか見ていないと、参加者の女性たちに断罪され、女性たちの意気は上がる。

 せせら笑って見ていたスナッポラは、先ほどの女性から、ほら、あそこに私を追いかけてきたバカな男の代表がいる。あいつこそ女をセックスの道具としてしか見ていない男の代表だ。ほら、証拠の写真もあると、きっき彼女とキスした写真などのスライドが提示されている。かくして、彼は会場の全女性から、まるで恐怖映画かなにかのように、襲いかかられてしまうのだった。


 いや、違うんだといくら弁解をしても受け入れられない。そこへ髪の長い、小柄で黒髪でグラマーな女の子が、「こっちよ」と助けてくれて、抜け出たところは、体育館みたいなところだった。

 「さあ、ローラースケートを付けて、滑るのよ」と彼女が言うので、言うとおりにしてみると、どーっと女たちが現れ、思いおもいのスポーツに興じている。うわーっ、大変だと思っていると、彼女たちにもてあそばれているうちに、ローラースケートが滑って、階段を転げ落ちてしまう。彼女たちに対して抗議をし、腰も打ち、クタクタになったところで、えたいの知れないダミ声がする。

 ある程度年をとった女が現れた。少し太っていて、おしゃべりで何かブツブツ言っている。エプロンをつけて、いかにも仕事をしている感じで、そこは彼女の仕事場であるらしい。

 スナッポラは言う。「(自分は途中で列車を降りてしまって、迷っているから)私は駅に行きたいんだ」と言う。すると、仕事女は、「ああ、わかったよ。連れて行ってあげるから、おいで」と言い、彼女の運転するバイクに乗せてもらう。うしろに乗っている主人公に、「もっと強くしがみついて!」などと言う。このおばあさんも、何かあやしい雰囲気で、お客は、何か新しい展開があるぞと見ている。

 バイクは田園地帯を走る。少し寄り道をして、……にあいさつしていこうと提案されて、温室に案内される。そこにはピーマンなどが成っている。さあ、どうなるの? おばあさんが素直に駅に連れて行ってくれるわけはなく、おばあさんは好色家の主人公を誘う行動に出る。ものすごくストレートで、明るい猥雑さだ。

 おばあさんに迫られて、主人公が力なく拒否し続けていたら、この温室の主人が現れた。この映画の2人目の男だ。



★ 前回の記述のあと、私はひたすらストーリーを振り返ろうと、ノートに書き付けていました。それを打ち込みながら、何とも言えない悪夢が続いていくなあと思いました。
 
 そうです。もう、オチは最初から分かっていました。だから、すべてはイメージの起こるまま、不条理で、奔放で、気ままな主人公を翻弄する物語が続いていきます。

 お客は、そのめまぐるしく動くイメージのままに物語(といっても、何もドラマはないのです。ただ、男と女のくだらないあれこれが続いていくだけです。でも、その猥雑さが何とも楽しく、こうして騒がしく、おもしろおかしく男と女を語っていくのもいいのかもしれないという気にさせてしまいます)を追い続けるのです。

 後半は、イメージに象徴性をからめて、フェリーニさんが何度も語ってきた幼い頃からの女性観。こわくて何をしているのかわからない部分のある女たちは、キレイな人も、そうでない人も、それぞれに魅力があって、みんな個々に自分の人生を生きていて、彼女たちは割とぶれずに生きていることが語られる。

 それに比べて男どもは、目先の何かにつられてホイホイ居場所を変えて、とんでもない所へも行ってしまうし、そうした軽薄さに対してもあまり反省はなく、流されていくばかり、という男の所在なさと女のたくましさが語られていくような気がします。

 もう何年も見ていないですけど、いつか見られるチャンスがあったら、見たいですね。後半の紹介はもうしないかもしれませんし、するかもしれない。いい加減な私です。雨がやんでくれるといいけど、明日は暑いそうです。何だかイヤですね。


 ああ、「女の都」、どういうわけかBSでもやってくれません。DVDも出ているかもしれないけど、そういうのを集める気がしません。もう何も要らない感じ。ただ、毎日が流れていくのを見ているだけです。だけど、ある映画はDVD欲しいんだけど、高いです。だから買わない。

 ビデオは持っているし、8ミリビデオだってあるんです。でも、VHSも8ミリもデッキが壊れて見られません。何と言うことでしょう。

 だから、執着しない。ビデオもどんどん捨てて行かなくちゃ! 何も持たずにあるがまま生きたいです。難しいけれど……。



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