さようなら、サクラ 今年は楽しかった！

　サクラの季節が終わろうとしています。というのは、何日か前に書きました。
でも、昨日はそれでもまだ言い足りないと思ったんです。

　一筋の道の両側に桜が咲いていたら、サクラのトンネルで、私たちはその下を歩いてみたいと思うでしょう。満開の桜でもいいし、チラホラと散り始めるのも風情があります。風に吹かれて、次から次と花びらが落ちてくるのは、少し落ち着かないけど、誰かと歩いているのだったら、万感の気持ちを抱きつつ、歩いて行けそうな気がします。

　でも、これが平面にサクラが所狭しと並んでいたら、どうかなと思いました。辺り一面すべての空間をサクラで埋め尽くしていたら、よりどりみどりの桜林を散策するでしょうか。今思いついたのは、青森の弘前公園とか、函館の五稜郭とか、ひょっとしてそういうサクラの名所なのかもしれませんけど、すべてがサクラの林だったら、どこを歩いてもサクラでは、道に迷うというのか、何を見たらいいのだよ！　と思ったり、大混乱をするのではないでしょうか。

　やはり、サクラには私たちをある方向にいざなってほしいと思います。発想が偏っているのはダメですけど、サクラはトンネルでもいいですし、お城の上までつながっているとか、川沿いにずっと続いているとか、そういう形の道状になっているのがうれしいかなと思います。



　サクラは、下から見上げて、その空間に包まれて何かを思わせてくれるものなんです。それではモクレンは？　春に先駆けて真っ白な花、白と紅の見事なコントラストで遠くからでも私たちを驚かせてくれるものです。ハッとさせてくれます。



　アカシアは？　見上げるほどの高さの木ではないので、これは近くまで寄って行き、こんな黄色の花があるのだと、サクラもきれいだけど、春には黄色がよく似合うと思ったらそれでいいのです。何もサクラだけに恋する必要はないのです。こんな個性をもった花もあるよと、私たちの偏りを直してくれる花です。



　シデコブシは？　形の見事さを教えてくれる花です。辺り一面に一斉に咲き、見事に散っていくサクラとは違い、庭に派手な赤のような、ピンクのような、白のような何かが咲いていて、近づくと星のような花が咲いている。その形にビックリする。



　いろいろな花がある４月。ウチでは、新しいエースたちが出てきました。ジューンベリーの小さく控えめな花、カリンの何だかわからないけど薄紅色の花、ローリエの花とも言えないような集団黄色の花など、新しい花たちが出てきて、サクラたちがいなくなった私たちを楽しませてくれます。何もサクラだけにこだわることはなく、それ意外にもたくさんの春の花々があるなと言いたかっただけでした。失礼しました。