甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

マクラ・まくら・枕  2007.7.31 Tue

2015年05月17日 08時25分14秒 | ザンネン日記・身辺雑記
ジャスミンは奥様の趣味で、ブドウは私の好みで、どっちも鉢植えだから、もう少しパワーが足りないです。



 結婚して21周年になる。淡々とここへたどり着いた感じで、これから30周年、40周年になっても、「ああ、もうそんなになるのか」という感想を持つのだろう。その時にはその時の感懐があるのかもしれないが、現在の印象としては「あっという間の21年」である。

 20年近く私を支えてきてくれた物。せんべいブトン、86年型のNECのワープロ(文豪ミニ5だったかな)、コタツ、1980年型のリコーのカメラ、阪神優勝記念のタオル(もちろん85年!)、89年型のカミソリ等々……。いくつか引退したものもあるが、せんべいブトンとカミソリは毎日つきあってくれる貴重な存在だ。そして86年デビューのまくらも貴重な存在だった。それが1年ほど前に現役を退き、気づいたときには妻に捨てられていた。

 そのまくらは、結婚する前のバタバタした買い物の中で、うちにやって来た。近所の公設市場内のフトン屋さんで、夫婦おそろいで買った物である。たしかビニールの袋に包まれて、そろいでぶら下げられていて、それを新婚カップルの自分たちがサラリと買ったものだった。今は、この市場はなくなって、ショッピングセンターに変わってしまっているが、バブル景気のころに消滅したあの市場は何となく懐かしい。

 市場の中へ入ったすぐの正面の左手に肉屋さん、右手は何だったろう。お茶屋さんか、何か飲み物関係のお店だった。左の通路を行くと漬け物屋さんがあって、その隣にはいつも見るだけで、ほとんど買ってもらった記憶のない、でもあこがれのお菓子屋さんがあった。逆の右の通路を少し入るとフトン屋さんがあって、ここの店先にまくらがあった。その二つがうちへやって来た! ペアの枕のカバーも、新婚だったので赤と青のチエックにクレヨンの絵が描いてあった。



 それから21年。妻のまくらは現役で、薄くて柔らかいので、いつももみくちゃにされている。近頃は頼りないのか、二つに折り曲げられたりしてこきつかわれているが、しっかりと妻の頭を支えている。片割れのボクのまくらは、残念ながら破けてしまい、中のソバガラが飛び出てきて、カバーをはがして修理をするか、まくらの布地そのものが疲弊しているので布をかぶせてもそこからさらに破けてきそうだからと、新しいまくらを妻が買ってきてくれた。大きくてしっかりしているものではあったが、しばらく使うと高いし、硬いしで、すぐ嫌になった。自分でもう一度昔のようなのを買いに行くと、たしかに同じようなものが見つかった。それに頭を載せてもう1年くらいになるが、いまだに朝をさわやかに起きられない。

 そして、ついこの間、弁当を作るのですでに起きてしまった妻のかわりに目覚まし時計を消しに行くことがあって、そのまま妻のフトンに倒れこみ、その勢いで妻のまくらに自分の頭をのっけてみた。するとどうだろう。あの心地よさがそこにあって、「ああ、この感じ。妻のまくらでは感じられる!」と、

 愛するまくらに頭を沈める心地よさを、実に1年ぶりくらいにかみしめたのだった。しかし、これは自分のまくらではない!





 さらに8年が過ぎて、妻の枕は今も現役で、何代目かの枕カバーもボロボロになってきている。でも、ほんわりした感じは相変わらずだ。この間に、私はイケアさんでフカフカの枕に手を出して失敗し、06年デビューのまくらのソバがらを少し抜いて、調整しながらまくらと生活している。けれど、もう昔のあの感じは無理だから、今の枕とせいぜい長くつきあっていこうと思う。何か昔のあの感じが恋しくなったら、奥さんのまくらに寝っ転がったらいいのだから、奥さんのまくらが現役である限り、とにかく大丈夫なのだ。


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