こんなにボロボロな私ですから、実現は難しいかもしれない。でも、地域を活性化させるというのは、私の大切な目標ではあります。
どうしたらいいのだろう。
とりあえず、ヒントになる内容が、昨日の「日曜美術館」でやっていました。
番組進行の小説家・小野正嗣さんが熊本の3つの美術館を訪ねて、そこであれこれ見て、考えてしていた内容のものでした。
ひとつ目は、熊本市内の島田美術館というところで、熊本に晩年の5年間を過ごした宮本武蔵さんにまつわる作品を展示しているそうです。有名な肖像画や、武蔵さんの枝とトリの図を取り上げたり、熊本市内にそんな美術館があったのかと感心する内容でした。
正月に熊本市を訪れはしましたが、鉄道の方に興味が行っていた私は、お城にもちゃんと向き合わず、翌朝には福岡にこれまた鉄道ネタを探しに行ってしまいましたので、とても落ち着いて熊本市内を見るというわけにはいきませんでした。
ああ、もったいない。せっかく、熊本に行ったのに、市電に乗ったのと、皿うどん食べたのと、加藤神社にお参りしたのと、夜の熊本城をながめたのと、それくらいでした。何ということでしょう。
また今度、鉄道で熊本に行くことができたら、その時こそ、もう少し落ち着いてあちらこちら歩かねばならない。
というわけで、宮本武蔵さんは、あまり知らなくて、よくわかりませんでした。
つづいて、小国町の坂本善三美術館の活動。これまた、地域に根差して、美術館前でアートフリマをしてみたり、体験教室をしてみたり、地域から出た画家さんの力によって、街を活気づけようという動きを見せてもらいました。
最後が、一番感心した津奈木町のつなぎ美術館の活動で、肥薩オレンジ鉄道の津奈木駅を降りたところから、町中にある美術の仕掛けを紹介していました。
駅のホームの上の白線による絵、これもみんな総がかりで作成したそうです。わりとおもしろかった。駅の白線というと、そのまんまなんですが、もう白線の材料を使ったキレイな落描きみたいなものだから、見る分にはおもしろい。でも、何にも知らずに駅に降り立ったら、私なら見落としそうです。
不知火海に浮かぶ、廃校になった小学校を使って、ここに手紙を送ってもらい、その手紙への返事に、だれかの手紙のコピーを送る取り組み。これは、この不思議な学校の上で、そこに集う人々のことばをつなげる取り組みのようで、デジタルの時代の、ものすごくアナログな取り組みではありますが、だれかとつながるという一点で、そこに魅力を感じる人たちをつなげていた。
津奈木町だけに、「つなぐ」ということをキーワードにしているようです。
雑木林に、そこの木を使って仏さまを作ったり(これは私はちょっと引いてしまいそうです。有り難いような、怖いような感じですから)もしていました。
何か月間か、津奈木町に滞在してもらい、住居とアトリエを提供し、そこでいくつか作品を描いてもらうという「アーチスト・イン・レジデンス」という取り組みもおもしろかった。
若い画家さんにとって、何か月間かの田舎暮らしというのは、魅力的でもあり、不安もあるでしょう。でも、あえてそこに飛び込もうとする画家さんは、そういう田舎暮らしの面倒くささを求めている部分もあるはずで、それで逆に今まででは描けない何かが描けるかも知れないのです。
番組で紹介されていたのは、富田直樹さんという、もとヤンキーの方で、現在はものすごく良心的で繊細な大人になっている人でした。
もとヤンキーだから、もっと人との関りがバンバンなのかと思ったら、描く絵にはたいてい人が描かれてなくて、誰もいない空間に、人々の息吹きを感じさせるような作品を描いていました。
この写真の後ろの絵も紹介されていて、津奈木町で描いた、もっとも津奈木町らしいところは、ドラッグストアの駐車場だったというのです。
そこに人々の暮らしを感じたというのです。夜の国道のポツンとした灯りとか、そういうものを取り上げていた。
彼は、町にこれらの作品を寄贈するのかもしれません。そして、どんどん町営の「つなぎ美術館」のコレクションが増えていくという計画なんだそうです。
私は、この美術館に行くためなら、鉄道でも、クルマででも、行きたいなと思いました。それらの作品に、若い画家さんの気持ちがこもっているみたいで、魅力を感じました。
これからも、津奈木町の挑戦は続くのでしょう。私も、何か参加できると、うれしいんだけど、いつか関わりたくなりました。
それで、私も、三重県の山あいの町の中で、誰かと誰かをつなげる仕事をしたいなと思ったわけですが、アイデアはありません。構想を練っていきます!