このレコード、いつ買ったんだろう。80年代だと思いたいけど、もっと後かもしれないです。ストーンズが話題になった時、慌ててこっそり買ったのか、それとも中古で安かったからか。
初めてのローリング・ストーンズが「Tattoo You」だったんです。それから、中古で「Sticky Fingers」(1971)を買う。これは、「ブラウン・シュガー」という曲に惚れて買ったんだと思う。いや、ローリング・ストーンという雑誌の歴代アルバム評の中で、四つ星だったから、買おうと思ったのか?
ローリング・ストーンズに接するにしても、教養主義・評価の定まったものを聞こうとするのだから、まあ、それくらい私のチャンネルも狭かったんでしょう。FMを聞くわけでもないし、たまたま出会う曲を期待してたら、何にも出会えないし、とにかくロックの歴史を改めてたどろうとしていたようです。
けれども、折角買ったはいいものの、この「スティッキー……」は、ジャケットにYKKのファスナーがついていて、上げ下げはできるんだけど、この出っ張りが他のレコードを傷つけるんじゃないかと気が気でなくて、いつもレコード棚のすみっこに置かざるを得なかった。せっかくのジャケットデザインではあるんだけど、ありがた迷惑な感じ。
そして、あまり取り出していなくて、今盤面を見てみたら、聞いてないのか、とてもキレイだった。これも奮発して買ったはずなんだけれど、残念なことでした。
いつもの反省ですね!
「Tattoo You」も同じ運命で、うちに請われてやってきたら、棚で永い眠りにつかされていた。
とはいうものの、1990年の2月、私のまわりの人たちで、コアなファンの人たちは、初来日のストーンズの東京ドームライブを見に行ったようでした。その人たちの余熱を感じながら、自分はそこまでのファンではないなあと半分諦め、半分憧れ、ぜひいろいろ見て来てねと思ってから、もう31年が経過してるんですね。早いもんです(そして、初来日の2月14日がストーンズ記念日に日本ではなってるって、最近ネットで見つけて、こんな記念日作りたがる人がいるんだと感心したんでした)。
この間私は、たいしたストーンズマニアにもなれなくて、憧れたまま、遠くで見て過ごしてきました。たぶん、このままずっとそうなんでしょう。
でも、あのドタドタした演奏、淡々としたギター、とらえどころのない曲の雰囲気、ちっともポップではないし、キラキラしてないし、曲の内容もよくわからないんですけど、そういうのが世の中にあるというのをキープしておきたいし、自分はそっちにも振れることができる可能性を持っていたかった。
私はそのまんま(ぼけた!)オッサンになってしまった。ストーンズのメンバーは今も活躍しています。いつまで続けられるのか、それはわからないけど、私がボンヤリ過ごしていても、あの人たちはずっと同じポジションで、私たちを見てくれていて、有り難い気がします。
CDのベストは、ウチのどこにあるんだろう。もう何年も見てないけど、たぶん、ウチの中にはあると思います。見つけたら、何年ぶりかで聞くんだけどな。
そういうとぼけたオッサンに、わたしはなりたい。いや、十分とぼけている!