[1月22日14:15.天候:晴 東京都千代田区丸の内 東京駅丸の内北口→都営バス東20系統車内]
高橋:「先生、あのバスです!急いで!」
愛原:「ま、待て……!食ったばかりでキツいぞ……!」
ラーメン食べた後で、バスの発車時間がギリギリだったことに気づいたのが運のツキだった!
〔「14時15分発、東京都現代美術館前経由、錦糸町駅前行き、発車致します」〕
リサ:「待ってーっ!」
高橋:「でっ!?」
リサ、高橋の肩を跳び箱のように手を付いて高く跳び、1回転して見事にバスの乗車口前に着地する。
リサ:「あと2人、乗ってきます!」
運転手:「は、はい」
そして、リサのおかげで私達はバスに間に合ったのだった。
〔発車致します。お掴まりください〕
こうして、バスは発車した。
運賃前払いなので、先にICカードで運賃を払い、それから空いている席に座る。
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは日本橋、東京都現代美術館前経由、錦糸町駅前行きです。次は呉服橋、呉服橋でございます。……〕
リサと高橋には2人席に座ってもらい、私はその前の1人席に座った。
愛原:「あー、疲れた……」
高橋:「先生、お疲れ様っした」
高橋も少し息が上がっているが、気持ちの良い運動をしたといった感じである。
それに引き換え私は……。
歳は取りたくないものだな。
高橋:「帰ったら、ゆっくり休んでください」
愛原:「いや、そうもイカンよ。明日、善場主任に提出する報告書を作成しなくては……」
高橋:「でもそれは、午後でいいってことになったんじゃ?」
愛原:「時間的余裕を持たせる為の口実だよ。お役所ってな、時間に厳しい所だからな」
高橋:「それもそうっスね。このバスだって、リサが止めてくれなきゃ、さっさと出発してましたし……。さすが東京都交通局」
愛原:「いや、それに関しては民営のバスも同じだと思うぞ?」
書類提出の期日の事を言っているのだが、私は。
と、そこにどうやらリサのスマホに着信があったようだ。
リサ:「フム……」
愛原:「どうした、リサ?」
リサ:「サイトーが遊びに行きたいだって」
愛原:「いいんじゃない?このバスが菊川に到着するのは……」
リサ:「……『今、東京駅からバスに乗ったとこ』って返信したら、すぐに既読が付いた上、『それなら、菊川駅前に到着するのは14時46分ね。15時に遊びに行くってことで、どうかしら?』って来たんだけど?」
愛原:「何でこのバスのダイヤ、熟知してるんだ、この御嬢様は?!」
高橋:「ストーカーキモレズが……!」
リサ:「ど、どうする?断る?」
さすがのリサも、少し顔が青くなっていた。
高橋:「お、おう、そうだそうだ。断っとけ。だいたい、先生の仕事の邪魔になるだろうが」
愛原:「い、いや、いいよいいよ。こういうのは逆に断ったりすると、却って面倒なことになる」
リサ:「本当に大丈夫?」
愛原:「どうせ夕食まで、俺は自分の部屋で報告書作りをしているから、うるさくしなければそれでいいよ」
リサ:「分かった。それなら……」
リサは、『まだ宿題終わってない。一緒にやらない?』と、返したそうだ。
確かに、勉強なら静かだろう。
だがそれでも、斉藤さんは大喜びだったそうである。
[同日14:46.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営バス菊川駅前停留所→愛原のマンション]
〔ピンポーン♪ 次は菊川駅前、菊川駅前でございます。都営地下鉄新宿線、都営バス、とうきょうスカイツリー駅前方面と築地駅方面はお乗り換えです。次は、菊川駅前でございます〕
リサ:「あ、降りる」
リサは降車ボタンを押した。
〔次、止まります。お降りの際はバスが停車し、扉が開いてから席をお立ち下さい〕
こうして、私達は最寄りのバス停まで着いたのだが……。
〔「ご乗車ありがとうございました。菊川駅前です」〕
愛原:「あっ」
リサ:「ん?」
高橋:「あぁ?」
バス停には、斉藤さんがいた。
絵恋:「お迎えに参上!」
高橋:「何でいるんだよ!?」
絵恋:「いちゃ悪いの!?」
バスを降りた高橋が、真っ先に立ち向かっていく。
愛原:「まあまあ。待ちきれずに、バス停まで来たんだね?」
絵恋:「そうなんですぅ!さすが愛原先生!」
リサ:「その通りだ、サイトー。愛原先生は名探偵。見くびってもらっては困る」
愛原:「こんなもの推理でも何でも無いよ。まあ、いいや。とにかく、一緒に行こうや」
絵恋:「はぁーい!お供しまーす!」
愛原:「きび団子は無いけどね」
途中、菊川駅前の交差点に差し掛かる。
リサ:「先生、ちょっとジュースとお菓子買って行きたい」
その交差点にはコンビニがある。
愛原:「ああ、分かった。買い過ぎるなよ」
高橋:「先生。俺は夕飯の支度があるんで……」
愛原:「分かった。先に帰ってていいぞ」
高橋:「サーセン」
私達はコンビニに立ち寄ってから帰宅した。
高橋:「先生、お土産の相模ビールは冷蔵庫に入れといたんで」
愛原:「悪いな。早速、夕食の時に飲もう」
高橋:「了解っス!」
リサ:「サイトー、お土産。藤野行ってきたの」
絵恋:「わ、私に?!萌えぇぇぇぇっ!」
リサ:「北海道のお土産もらったから、お返し」
絵恋:「そ、そうだったわね」
リサ:「網走番外地は寒かった?」
絵恋:「網走じゃないから!」
高橋:「舎弟の竜二は年内に出られそうですか、組長?」
愛原:「うむ。今年の暮れには仮釈になる……って、コラ!昭和の任侠映画か!」
リサ:「可愛いお友達の所に高飛びしたんでしょ?」
絵恋:「高飛びなんかしてないわよ!全部、新幹線と電車だったもの!」
愛原:「いや、高飛びって、何も飛行機だけじゃないからね」
絵恋:「ていうか、可愛いお友達ってなに!?」
高橋:「ヒグマに知り合いでもいんのか?」
絵恋:「いません!」
リサ:「だって、『くっちゃんちにいる』って言ってたじゃん。くっちゃんって誰?」
絵恋:「違うわよ!『倶知安の町にいる』って言ったの!」
愛原:「北海道はアイヌ語発祥の珍しい地名が多いからね。てか、網走よりは札幌に近いんじゃない?」
絵恋:「そ、そうですね」
愛原:「まあ、いいや。俺は自分の部屋で仕事してるから、なるべく静かにしてくれな?」
リサ:「分かった。サイトー、宿題やろ」
絵恋:「待ってました!こんなこともあろうかと、一切手は付けてなかったのよ!」
リサ:「いや、私はもう半分くらい終わってるからな?少しは手を付けろよ……」
何だか、勉強中も賑やかになりそうな予感がするのは私だけだろうか?
高橋:「先生、あのバスです!急いで!」
愛原:「ま、待て……!食ったばかりでキツいぞ……!」
ラーメン食べた後で、バスの発車時間がギリギリだったことに気づいたのが運のツキだった!
〔「14時15分発、東京都現代美術館前経由、錦糸町駅前行き、発車致します」〕
リサ:「待ってーっ!」
高橋:「でっ!?」
リサ、高橋の肩を跳び箱のように手を付いて高く跳び、1回転して見事にバスの乗車口前に着地する。
リサ:「あと2人、乗ってきます!」
運転手:「は、はい」
そして、リサのおかげで私達はバスに間に合ったのだった。
〔発車致します。お掴まりください〕
こうして、バスは発車した。
運賃前払いなので、先にICカードで運賃を払い、それから空いている席に座る。
〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは日本橋、東京都現代美術館前経由、錦糸町駅前行きです。次は呉服橋、呉服橋でございます。……〕
リサと高橋には2人席に座ってもらい、私はその前の1人席に座った。
愛原:「あー、疲れた……」
高橋:「先生、お疲れ様っした」
高橋も少し息が上がっているが、気持ちの良い運動をしたといった感じである。
それに引き換え私は……。
歳は取りたくないものだな。
高橋:「帰ったら、ゆっくり休んでください」
愛原:「いや、そうもイカンよ。明日、善場主任に提出する報告書を作成しなくては……」
高橋:「でもそれは、午後でいいってことになったんじゃ?」
愛原:「時間的余裕を持たせる為の口実だよ。お役所ってな、時間に厳しい所だからな」
高橋:「それもそうっスね。このバスだって、リサが止めてくれなきゃ、さっさと出発してましたし……。さすが東京都交通局」
愛原:「いや、それに関しては民営のバスも同じだと思うぞ?」
書類提出の期日の事を言っているのだが、私は。
と、そこにどうやらリサのスマホに着信があったようだ。
リサ:「フム……」
愛原:「どうした、リサ?」
リサ:「サイトーが遊びに行きたいだって」
愛原:「いいんじゃない?このバスが菊川に到着するのは……」
リサ:「……『今、東京駅からバスに乗ったとこ』って返信したら、すぐに既読が付いた上、『それなら、菊川駅前に到着するのは14時46分ね。15時に遊びに行くってことで、どうかしら?』って来たんだけど?」
愛原:「何でこのバスのダイヤ、熟知してるんだ、この御嬢様は?!」
高橋:「ストーカーキモレズが……!」
リサ:「ど、どうする?断る?」
さすがのリサも、少し顔が青くなっていた。
高橋:「お、おう、そうだそうだ。断っとけ。だいたい、先生の仕事の邪魔になるだろうが」
愛原:「い、いや、いいよいいよ。こういうのは逆に断ったりすると、却って面倒なことになる」
リサ:「本当に大丈夫?」
愛原:「どうせ夕食まで、俺は自分の部屋で報告書作りをしているから、うるさくしなければそれでいいよ」
リサ:「分かった。それなら……」
リサは、『まだ宿題終わってない。一緒にやらない?』と、返したそうだ。
確かに、勉強なら静かだろう。
だがそれでも、斉藤さんは大喜びだったそうである。
[同日14:46.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営バス菊川駅前停留所→愛原のマンション]
〔ピンポーン♪ 次は菊川駅前、菊川駅前でございます。都営地下鉄新宿線、都営バス、とうきょうスカイツリー駅前方面と築地駅方面はお乗り換えです。次は、菊川駅前でございます〕
リサ:「あ、降りる」
リサは降車ボタンを押した。
〔次、止まります。お降りの際はバスが停車し、扉が開いてから席をお立ち下さい〕
こうして、私達は最寄りのバス停まで着いたのだが……。
〔「ご乗車ありがとうございました。菊川駅前です」〕
愛原:「あっ」
リサ:「ん?」
高橋:「あぁ?」
バス停には、斉藤さんがいた。
絵恋:「お迎えに参上!」
高橋:「何でいるんだよ!?」
絵恋:「いちゃ悪いの!?」
バスを降りた高橋が、真っ先に立ち向かっていく。
愛原:「まあまあ。待ちきれずに、バス停まで来たんだね?」
絵恋:「そうなんですぅ!さすが愛原先生!」
リサ:「その通りだ、サイトー。愛原先生は名探偵。見くびってもらっては困る」
愛原:「こんなもの推理でも何でも無いよ。まあ、いいや。とにかく、一緒に行こうや」
絵恋:「はぁーい!お供しまーす!」
愛原:「きび団子は無いけどね」
途中、菊川駅前の交差点に差し掛かる。
リサ:「先生、ちょっとジュースとお菓子買って行きたい」
その交差点にはコンビニがある。
愛原:「ああ、分かった。買い過ぎるなよ」
高橋:「先生。俺は夕飯の支度があるんで……」
愛原:「分かった。先に帰ってていいぞ」
高橋:「サーセン」
私達はコンビニに立ち寄ってから帰宅した。
高橋:「先生、お土産の相模ビールは冷蔵庫に入れといたんで」
愛原:「悪いな。早速、夕食の時に飲もう」
高橋:「了解っス!」
リサ:「サイトー、お土産。藤野行ってきたの」
絵恋:「わ、私に?!萌えぇぇぇぇっ!」
リサ:「北海道のお土産もらったから、お返し」
絵恋:「そ、そうだったわね」
リサ:「網走番外地は寒かった?」
絵恋:「網走じゃないから!」
高橋:「舎弟の竜二は年内に出られそうですか、組長?」
愛原:「うむ。今年の暮れには仮釈になる……って、コラ!昭和の任侠映画か!」
リサ:「可愛いお友達の所に高飛びしたんでしょ?」
絵恋:「高飛びなんかしてないわよ!全部、新幹線と電車だったもの!」
愛原:「いや、高飛びって、何も飛行機だけじゃないからね」
絵恋:「ていうか、可愛いお友達ってなに!?」
高橋:「ヒグマに知り合いでもいんのか?」
絵恋:「いません!」
リサ:「だって、『くっちゃんちにいる』って言ってたじゃん。くっちゃんって誰?」
絵恋:「違うわよ!『倶知安の町にいる』って言ったの!」
愛原:「北海道はアイヌ語発祥の珍しい地名が多いからね。てか、網走よりは札幌に近いんじゃない?」
絵恋:「そ、そうですね」
愛原:「まあ、いいや。俺は自分の部屋で仕事してるから、なるべく静かにしてくれな?」
リサ:「分かった。サイトー、宿題やろ」
絵恋:「待ってました!こんなこともあろうかと、一切手は付けてなかったのよ!」
リサ:「いや、私はもう半分くらい終わってるからな?少しは手を付けろよ……」
何だか、勉強中も賑やかになりそうな予感がするのは私だけだろうか?