[2月23日12:30.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 たかつえスキー場・スキーセンタースペーシア]
リサ達は最初、初級コースを滑っていた。
それが上手く行ったので、今度は中級コースにチャレンジしてみる。
それもだいたいできたので、更に上級コースにチャレンジするかどうかで意見が分かれた。
そうしているうちにお昼の時間になり、昼食会場であり、朝食会場でもあったスキーセンターへと一旦戻る。
リサ:「わたしは上級コースにチャレンジしてみたい」
絵恋:「リサさんなら、きっと上級コースも上手く行くわよ!皆もそう思うでしょ!?」
淀橋:「いや、けっこうアタシ、ギリだったし……」
小島:「私も、もう少し中級で練習したい……かな」
リサだけ大盛りである。
淀橋:「リサさんと斉藤さんは運動神経いいからね。でもアタシ達、体育の成績はフツーだし」
リサ:「それもそうか」
リサは大きく頷いた。
リサ:「上級コースにチャレンジしたかったけど残念」
絵恋:「い、いいのよ!リサさんの言う事ですもの!一緒に行きましょう!」
淀橋:「いや、だからムリだって」
小島:「もう少し練習してみて、それで大丈夫そうだったら、一度くらい上級にチャレンジしてもいいと思うけどね」
淀橋:「上級コースって、プロ並みの人達が滑ってるんだから、そんな所に素人のアタシ達が行っても迷惑じゃん?」
絵恋:「リサさん、プロ並みだったわよ!?」
淀橋:「いや、だから、リサさんは特別だって」
リサ:「分かった。じゃあ、私1人で行って来る」
絵恋:「ちょ……お供します!私は!一緒に!」
淀橋:「じゃあ、斉藤さんは一緒に行って来なよ」
小島:「ゴメン。もう少し練習してみて、上手く行ったら付き合うから」
と、そこへ……。
愛原:「いたいた。ここにいたのか」
絵恋:「愛原先生」
リサ:「何かあった?」
愛原:「ちょっと聞きたいことがあるんだが、色々とゲレンデで滑ってみて、何か違和感は無かったか?」
リサ:「違和感?」
淀橋:「別に。普通のゲレンデでしたよ?」
愛原:「聖クラリス学院のコ達はどうだ?」
小島:「聖クラ?」
淀橋:「初級コースで滑っている所は見かけましたけど……そんなに違和感は……」
愛原:「そうか……」
リサ:「何かあったの?」
愛原:「いや……」
愛原は淀橋や小島をチラッと見て、それ以上何も言わなかった。
恐らく、何も知らないこの2人に話すことは憚れる内容なのだろう。
リサは残りの昼食を一気に平らげた。
リサ:「ごちそうさま。ちょっと出かけて来る」
絵恋:「私、片付けてくるね!」
絵恋はリサの分も一緒に、下膳口に持って行った。
その間、リサと愛原は外に出る。
リサ:「何かあった?」
愛原:「善場主任からの情報なんだが、聖クラリス学院の中に、『要観察者』がいるらしい」
リサ:「それって……」
愛原:「ああ。まだ『1番』から感染させられたウィルスが根絶していない為、経過観察になっているコだな」
リサ:「ワクチンがあるのに、それでもまだ経過観察?」
愛原:「多分あれだろう。『1番』のウィルスに、却って馴染んでしまったコがいるんじゃないか?」
リサ:「それって……。でも、ちょっとくらい適合する程度じゃ、化け物になるだけだと思うけど?」
愛原:「それが、そうではなかったコが1人いるんだ。恐らく、ほぼ100%適合してしまったんじゃないかと言われてる」
リサ:「それじゃ、わたし達と大して変わんないよ」
愛原:「そうなんだ。リサ・トレヴァーの亜種が、あの聖クラリスの中にいる。今のオマエみたいにおとなしくスキーをしているだけならいいが、人を襲ったりすると厄介だ」
リサ:「見つけ次第殺せばいい?」
愛原:「待て。オマエみたいに、おとなしくしている分にはいい」
リサ:「この世にリサ・トレヴァーは、わたし1人で十分だと思うけど?」
愛原:「とにかく、オマエはそういうのに鼻が利くだろう?誰が要観察者の亜種なのか、確認してほしいんだ」
リサ:「分かった。捜してみる。……というか、何かヒントは無いの?」
愛原:「ああ、そうだな。名前は梅田美樹。ウィルスの影響で髪の色が銀色に変わったらしい」
リサ:「あれ?それって……」
愛原:「俺も浅草駅で見た。少し背の高い、ポニーテールのコだな。電車内で何か起こったわけじゃないから、多分おとなしくしているんだろうが、本当にそうしているかどうか確認して欲しいんだ」
リサ:「分かった。先生の命令、必ずこなす」
愛原:「頼むぞ」
リサは愛原に頭を撫でられて、ニヤけた。
愛原:「あくまでも、向こうがおとなしくしている分には手出しは無用だ。分かったな?」
リサ:「分かった。手を出していいのは、向こうが襲ってきたり、人間を食べた時だね?」
愛原:「そういうことだ」
リサ:「それより先生は滑らないの?」
愛原:「俺はPTA会長代理として、ここで連絡係だとよ」
リサ:「大変だね」
愛原:「いや、全く」
愛原は肩を竦めた。
[同日13:30.天候:曇 同スキー場 第6リフト→山頂林間コース→トップヒルコース]
昼食を終えたリサ達は、午後の部を開始。
まずはスカイロード①で一気に中腹付近まで昇る。
それから中級のカラマツコースを滑った。
これは4人とも全員滑れた。
それで、第3ペアリフトまで行く。
絵恋:「2人とも、ちゃんと滑れたじゃない!」
淀橋:「まあ、ここまではね……」
小島:「でも、『何とか』って感じ」
それから第3ペアリフトで、更に上に昇る。
そして、山頂へ向かう第6リフトに向かった。
絵恋:「すっごーい!絶景!」
リサ:「おおー!」
小島:「確かにいい眺め!皆で写真撮ろ!」
淀橋:「そうしよう!」
山頂にて、4人でスマホで自撮りする。
リサ:「で、ここからどう行く?」
第6リフトからのルートは3つ。
まずは、中級の山頂林間コースをひたすらZ型を描くように、第6リフトの乗り場まで滑るルート。
もう1つはそこからすぐに分岐して、上級のマウンテンコースを行くルート。
最後は、Z型の右上のカーブ部分で分岐する上級のトップヒルコースを行くルートだった。
いずれも最後は、第3ペアリフトや第6リフトの乗り場付近がゴールである。
小島:「まずは、山頂林間コースを一度滑ってみましょうよ?」
リサ:「山頂輪姦コース?コジマ、エッチ」
小島:「ええっ!?」
淀橋:「いや、字が違うって」
リサ:「しょうがない。コジマの意見を採用」
絵恋:「ええっ!?」
小島:「ありがとう!そこで上手く行ったら、上級コースへのチャレンジ、考えてみるからね」
絵恋:「分かった」
淀橋:「そうと決まったら、さっさと行きましょうか。何だか曇ってきたし」
リサ:「それもそうだ。ヨドバシとコジマ、先に滑って。わたしとサイトーは後から行く」
小島:「うん、分かった」
淀橋:「OK」
4人は、まずは中級コースを滑り始めた。
最初の上級コースへの分岐は無視して、中級コースを滑る。
そして、最初のカーブに差し掛かった時だった。
まだ何とか中級コースを滑れる程度の淀橋と小島は、ここで慎重に減速する。
その時、リサの後ろを誰かが通過していった。
その気配に、リサは違和感を覚えた。
リサ:「!?」
振り向くと、聖クラリス女学院の生徒達が4~5人ほど、上級コースの方へと向かって行った。
しかもその先頭にいるのは、あの銀髪の少女であった。
リサ:「いた!」
絵恋:「え、なに!?」
リサ:「サイトー、予定変更!わたしはあっちへ行く!」
絵恋:「えっ?ちょっと、リサさん!?」
リサは急いで銀髪達の後を追った。
リサ:(どうやら、わたし達よりもスキーは上手いみたい。……おとなしくスキーをしてるだけ?それなら、戦う必要は無さそうだけど……)
だが、ここで銀髪達は予想外の行動に出る!
それは何だ!?
A…全員が転んだ。
B…全員が雪に埋もれた。
C…全員がコースアウトした。
D…全員が地吹雪の中に消えた。
E…全員がリサに向かって銃撃してきた。
リサ達は最初、初級コースを滑っていた。
それが上手く行ったので、今度は中級コースにチャレンジしてみる。
それもだいたいできたので、更に上級コースにチャレンジするかどうかで意見が分かれた。
そうしているうちにお昼の時間になり、昼食会場であり、朝食会場でもあったスキーセンターへと一旦戻る。
リサ:「わたしは上級コースにチャレンジしてみたい」
絵恋:「リサさんなら、きっと上級コースも上手く行くわよ!皆もそう思うでしょ!?」
淀橋:「いや、けっこうアタシ、ギリだったし……」
小島:「私も、もう少し中級で練習したい……かな」
リサだけ大盛りである。
淀橋:「リサさんと斉藤さんは運動神経いいからね。でもアタシ達、体育の成績はフツーだし」
リサ:「それもそうか」
リサは大きく頷いた。
リサ:「上級コースにチャレンジしたかったけど残念」
絵恋:「い、いいのよ!リサさんの言う事ですもの!一緒に行きましょう!」
淀橋:「いや、だからムリだって」
小島:「もう少し練習してみて、それで大丈夫そうだったら、一度くらい上級にチャレンジしてもいいと思うけどね」
淀橋:「上級コースって、プロ並みの人達が滑ってるんだから、そんな所に素人のアタシ達が行っても迷惑じゃん?」
絵恋:「リサさん、プロ並みだったわよ!?」
淀橋:「いや、だから、リサさんは特別だって」
リサ:「分かった。じゃあ、私1人で行って来る」
絵恋:「ちょ……お供します!私は!一緒に!」
淀橋:「じゃあ、斉藤さんは一緒に行って来なよ」
小島:「ゴメン。もう少し練習してみて、上手く行ったら付き合うから」
と、そこへ……。
愛原:「いたいた。ここにいたのか」
絵恋:「愛原先生」
リサ:「何かあった?」
愛原:「ちょっと聞きたいことがあるんだが、色々とゲレンデで滑ってみて、何か違和感は無かったか?」
リサ:「違和感?」
淀橋:「別に。普通のゲレンデでしたよ?」
愛原:「聖クラリス学院のコ達はどうだ?」
小島:「聖クラ?」
淀橋:「初級コースで滑っている所は見かけましたけど……そんなに違和感は……」
愛原:「そうか……」
リサ:「何かあったの?」
愛原:「いや……」
愛原は淀橋や小島をチラッと見て、それ以上何も言わなかった。
恐らく、何も知らないこの2人に話すことは憚れる内容なのだろう。
リサは残りの昼食を一気に平らげた。
リサ:「ごちそうさま。ちょっと出かけて来る」
絵恋:「私、片付けてくるね!」
絵恋はリサの分も一緒に、下膳口に持って行った。
その間、リサと愛原は外に出る。
リサ:「何かあった?」
愛原:「善場主任からの情報なんだが、聖クラリス学院の中に、『要観察者』がいるらしい」
リサ:「それって……」
愛原:「ああ。まだ『1番』から感染させられたウィルスが根絶していない為、経過観察になっているコだな」
リサ:「ワクチンがあるのに、それでもまだ経過観察?」
愛原:「多分あれだろう。『1番』のウィルスに、却って馴染んでしまったコがいるんじゃないか?」
リサ:「それって……。でも、ちょっとくらい適合する程度じゃ、化け物になるだけだと思うけど?」
愛原:「それが、そうではなかったコが1人いるんだ。恐らく、ほぼ100%適合してしまったんじゃないかと言われてる」
リサ:「それじゃ、わたし達と大して変わんないよ」
愛原:「そうなんだ。リサ・トレヴァーの亜種が、あの聖クラリスの中にいる。今のオマエみたいにおとなしくスキーをしているだけならいいが、人を襲ったりすると厄介だ」
リサ:「見つけ次第殺せばいい?」
愛原:「待て。オマエみたいに、おとなしくしている分にはいい」
リサ:「この世にリサ・トレヴァーは、わたし1人で十分だと思うけど?」
愛原:「とにかく、オマエはそういうのに鼻が利くだろう?誰が要観察者の亜種なのか、確認してほしいんだ」
リサ:「分かった。捜してみる。……というか、何かヒントは無いの?」
愛原:「ああ、そうだな。名前は梅田美樹。ウィルスの影響で髪の色が銀色に変わったらしい」
リサ:「あれ?それって……」
愛原:「俺も浅草駅で見た。少し背の高い、ポニーテールのコだな。電車内で何か起こったわけじゃないから、多分おとなしくしているんだろうが、本当にそうしているかどうか確認して欲しいんだ」
リサ:「分かった。先生の命令、必ずこなす」
愛原:「頼むぞ」
リサは愛原に頭を撫でられて、ニヤけた。
愛原:「あくまでも、向こうがおとなしくしている分には手出しは無用だ。分かったな?」
リサ:「分かった。手を出していいのは、向こうが襲ってきたり、人間を食べた時だね?」
愛原:「そういうことだ」
リサ:「それより先生は滑らないの?」
愛原:「俺はPTA会長代理として、ここで連絡係だとよ」
リサ:「大変だね」
愛原:「いや、全く」
愛原は肩を竦めた。
[同日13:30.天候:曇 同スキー場 第6リフト→山頂林間コース→トップヒルコース]
昼食を終えたリサ達は、午後の部を開始。
まずはスカイロード①で一気に中腹付近まで昇る。
それから中級のカラマツコースを滑った。
これは4人とも全員滑れた。
それで、第3ペアリフトまで行く。
絵恋:「2人とも、ちゃんと滑れたじゃない!」
淀橋:「まあ、ここまではね……」
小島:「でも、『何とか』って感じ」
それから第3ペアリフトで、更に上に昇る。
そして、山頂へ向かう第6リフトに向かった。
絵恋:「すっごーい!絶景!」
リサ:「おおー!」
小島:「確かにいい眺め!皆で写真撮ろ!」
淀橋:「そうしよう!」
山頂にて、4人でスマホで自撮りする。
リサ:「で、ここからどう行く?」
第6リフトからのルートは3つ。
まずは、中級の山頂林間コースをひたすらZ型を描くように、第6リフトの乗り場まで滑るルート。
もう1つはそこからすぐに分岐して、上級のマウンテンコースを行くルート。
最後は、Z型の右上のカーブ部分で分岐する上級のトップヒルコースを行くルートだった。
いずれも最後は、第3ペアリフトや第6リフトの乗り場付近がゴールである。
小島:「まずは、山頂林間コースを一度滑ってみましょうよ?」
リサ:「山頂輪姦コース?コジマ、エッチ」
小島:「ええっ!?」
淀橋:「いや、字が違うって」
リサ:「しょうがない。コジマの意見を採用」
絵恋:「ええっ!?」
小島:「ありがとう!そこで上手く行ったら、上級コースへのチャレンジ、考えてみるからね」
絵恋:「分かった」
淀橋:「そうと決まったら、さっさと行きましょうか。何だか曇ってきたし」
リサ:「それもそうだ。ヨドバシとコジマ、先に滑って。わたしとサイトーは後から行く」
小島:「うん、分かった」
淀橋:「OK」
4人は、まずは中級コースを滑り始めた。
最初の上級コースへの分岐は無視して、中級コースを滑る。
そして、最初のカーブに差し掛かった時だった。
まだ何とか中級コースを滑れる程度の淀橋と小島は、ここで慎重に減速する。
その時、リサの後ろを誰かが通過していった。
その気配に、リサは違和感を覚えた。
リサ:「!?」
振り向くと、聖クラリス女学院の生徒達が4~5人ほど、上級コースの方へと向かって行った。
しかもその先頭にいるのは、あの銀髪の少女であった。
リサ:「いた!」
絵恋:「え、なに!?」
リサ:「サイトー、予定変更!わたしはあっちへ行く!」
絵恋:「えっ?ちょっと、リサさん!?」
リサは急いで銀髪達の後を追った。
リサ:(どうやら、わたし達よりもスキーは上手いみたい。……おとなしくスキーをしてるだけ?それなら、戦う必要は無さそうだけど……)
だが、ここで銀髪達は予想外の行動に出る!
それは何だ!?
A…全員が転んだ。
B…全員が雪に埋もれた。
C…全員がコースアウトした。
D…全員が地吹雪の中に消えた。
E…全員がリサに向かって銃撃してきた。