[2月23日06:30.天候:晴 福島県南会津郡南会津町高杖原 会津高原たかつえスキー場]
バスは6時に会津高原尾瀬口駅を出発した。
先頭は一般客を乗せた2台であるが、そのうち1台は別の道に行った。
私達はこれから会津高原たかつえスキー場という所に向かうのだが、シャトルバスは他にだいくらスキー場行きがあり、そちらへ向かうバスだろう。
私達を乗せた東京中央学園の貸切バス3台は、その後ろを行く。
そして、最後に聖クラリス女学院のバス2台が出た。
両脇に高く積もった雪壁の中をバスは進む。
豪雪地帯とはいえ、国道ということもあり、除雪はちゃんとされているようだ。
駅から30分ほど走って、バスはたかつえスキー場へと到着した。
さすがにこの時間になると、外も少しは明るくなってくる。
但し、まだ薄暗いのは曇っているからだろう。
一応、天気予報では昼には晴れることになっているが……。
リサ:「先生、お腹空いた」
後ろの席からリサが顔を覗かせた。
愛原:「分かった。確か、スキー場内のレストハウスで朝食が出るはずだ。多分、スキーはそれからだろう」
バスは駐車場に到着した。
愛原:「大沢さん、やはり朝食はあの建物の中で?」
大沢:「そうです。朝食サービス付きなので」
愛原:「朝食はバイキングですか?」
大沢:「そうです」
絵恋:「聞いた、リサさん?朝食はバイキングですって」
リサ:「おー!」
愛原:「皆の分を食べ尽くすなよ」
バスの床下の荷物室から荷物を降ろす手伝いをしていると、遅れて聖クラリス女学院のバスも到着した。
男子生徒A:「知ってるか?聖クラリスって、可愛いコいっぱいいるらしいぞ?」
男子生徒B:「ホントか?」
男子生徒C:「ちょっと声掛けてみようかな」
こういうこともあるので、特に女子校は男子校や共学校と混在させることはないと聞いたことがあるのだが、聖クラリス女学院は違うのだろうか。
あそこも御嬢様学校で、『悪い虫』には特に警戒するような学校だと思うのだが。
反面、同じ女子には甘く、それが日本版リサ・トレヴァー『1番』の侵食を許してしまった感がある。
教師:「オマエ達、何言ってる。他校の人に迷惑を掛けたりしたら、内申に響くぞ」
男子生徒A:「冗談っスよ」
男子生徒B:「でも先生、女子ならいいんスか?」
教師:「へ?」
女子生徒A:「あのー、付き合ってる人とか、いますか?」
高橋:「一応いるぞ」
女子生徒B:「バレンタインのチョコ、後で受け取ってもらえますか?」
高橋:「もう過ぎてんだろ」
イケメン高橋、女子にはモテるモテる。
教師:「オマエ達!さっさと建物に入れ!」
愛原:「高橋は連れて来ない方が良かったかなぁ……」
高橋:「何でですか!?」
リサ:「わたしが感染させて、兄ちゃんに近づけさせないようにするというのは?」
愛原:「後で善場主任に怒られるから、やめなさい」
リサ:「はーい」
リサも荷物を持って、スキーセンターへと向かって行った。
女子生徒A:「もしかして、愛原さんのお兄さん?」
リサ:「一応」
女子生徒B:「ねぇねぇ!良かったら、お兄さんの連絡先教えて!?」
リサ:「それは……」
絵恋:「ちょっと!リサさんが困ってるでしょ!散った散った!」
小島:「リサさんを困らせちゃダメね」
淀橋:「魚心あれば水心って言うけどね」
淀橋:「リサさん、どうしてもって言う場合はどんな条件?」
リサの取り巻き達も応援に回る。
全員、リサから老廃物(と多少の血液)を吸い取られて子飼いと化したコ達だ。
リサ:「愛原先生にパンツ見せてあげて。何なら今すぐ脱いで差し上げて」
絵恋:「そうよ!それくらいやりなさいよ!」
愛原:「こらぁーっ!」
全く、油断も隙も無い。
リサ:「JKのパンツなんて、そうそう見れるモンじゃないから、それくらいの価値はあると思う」
愛原:「そういう問題じゃない!」
こういう感覚がズレている所、リサは人間じゃないって思い出させてくれる。
愛原:「高橋!収拾がつかなくなる前に、オマエのTwitterとFacebook、教えてやれ!」
高橋:「はあ……分かりました」
愛原:「さすがにLINEやメールは早いから、まずはそこからやり取りをしてもらう。いいね?」
女子生徒A:「やった!」
女子生徒B:「ありがとうございます!」
リサ:「後で先生にパンツ……」
愛原:「いらんっちゅーに!」
もっとも、高橋のTwitterとFacebook、内容はフツーの報告のはずなのに、何故か犯罪臭がするんだよなぁ……。
リサ:「それならスパッツからでいいや」
愛原:「だから!」
リサ:「そうだ!ブルマー貸してあげから、それ穿いて先生に見せてあげて」
愛原:「やめなさい!」
女子生徒A:「ぶ、ぶるまぁ!?」
女子生徒B:「愛原さん、普段家で何してんの?」
リサ:「サイトー達と楽しいこと!」
絵恋:「そう!楽しい事よ!」
小島:「うん、楽しい事」
淀橋:「楽しい事……だね」
女子生徒A:「な、なに?何か怪しいんですけど……」
女子生徒B:「ブルマってことは、おうちでコスプレイベントとか?」
リサ:「ちが……」
愛原:「リサ、この際そういうことにしておけ!」
私はリサの口を塞いでそう言った。
しかし、本当にリサは主導権を握るのが上手いな。
きっと『1番』も、そうして聖クラリス女学院を侵食したのだろう。
それにしても……。
愛原:(確かに不自然だな……)
東京中央学園はこんな感じで楽しくやっているのに、聖クラリス女学院の方はそんな雰囲気が微塵も無い。
そこの生徒をナンパしようと企んでいた男子生徒も、首を傾げた。
男子生徒A:「何かさ、全員陰キャじゃね?」
男子生徒B:「まるでお通夜みたいっスね」
男子生徒C:「あれも何かのネタ?」
男子生徒D:「いや、違ェだろ」
聖クラリス女学院の生徒の制服は、宝塚音楽学校の制服にやや似ている。
あれをもっと黒くした感じ。
ミッション系の女子校なので、制服のデザインもシックなものなのだろう。
恐らく、修道女の衣装をモチーフにしているのではないだろうか。
無宗教の東京中央学園が、明るい緑色のブレザーを着ているのとは対照的である。
それにしても、何だか精気が無い。
夜通し電車の中だったので、疲れているのだろうが、それにしても……と思う。
愛原:(後で善場主任に連絡しておくかな)
私は取りあえず朝食を済ませた後、善場主任に報告も兼ねて問い合わせてみることにした。
バスは6時に会津高原尾瀬口駅を出発した。
先頭は一般客を乗せた2台であるが、そのうち1台は別の道に行った。
私達はこれから会津高原たかつえスキー場という所に向かうのだが、シャトルバスは他にだいくらスキー場行きがあり、そちらへ向かうバスだろう。
私達を乗せた東京中央学園の貸切バス3台は、その後ろを行く。
そして、最後に聖クラリス女学院のバス2台が出た。
両脇に高く積もった雪壁の中をバスは進む。
豪雪地帯とはいえ、国道ということもあり、除雪はちゃんとされているようだ。
駅から30分ほど走って、バスはたかつえスキー場へと到着した。
さすがにこの時間になると、外も少しは明るくなってくる。
但し、まだ薄暗いのは曇っているからだろう。
一応、天気予報では昼には晴れることになっているが……。
リサ:「先生、お腹空いた」
後ろの席からリサが顔を覗かせた。
愛原:「分かった。確か、スキー場内のレストハウスで朝食が出るはずだ。多分、スキーはそれからだろう」
バスは駐車場に到着した。
愛原:「大沢さん、やはり朝食はあの建物の中で?」
大沢:「そうです。朝食サービス付きなので」
愛原:「朝食はバイキングですか?」
大沢:「そうです」
絵恋:「聞いた、リサさん?朝食はバイキングですって」
リサ:「おー!」
愛原:「皆の分を食べ尽くすなよ」
バスの床下の荷物室から荷物を降ろす手伝いをしていると、遅れて聖クラリス女学院のバスも到着した。
男子生徒A:「知ってるか?聖クラリスって、可愛いコいっぱいいるらしいぞ?」
男子生徒B:「ホントか?」
男子生徒C:「ちょっと声掛けてみようかな」
こういうこともあるので、特に女子校は男子校や共学校と混在させることはないと聞いたことがあるのだが、聖クラリス女学院は違うのだろうか。
あそこも御嬢様学校で、『悪い虫』には特に警戒するような学校だと思うのだが。
反面、同じ女子には甘く、それが日本版リサ・トレヴァー『1番』の侵食を許してしまった感がある。
教師:「オマエ達、何言ってる。他校の人に迷惑を掛けたりしたら、内申に響くぞ」
男子生徒A:「冗談っスよ」
男子生徒B:「でも先生、女子ならいいんスか?」
教師:「へ?」
女子生徒A:「あのー、付き合ってる人とか、いますか?」
高橋:「一応いるぞ」
女子生徒B:「バレンタインのチョコ、後で受け取ってもらえますか?」
高橋:「もう過ぎてんだろ」
イケメン高橋、女子にはモテるモテる。
教師:「オマエ達!さっさと建物に入れ!」
愛原:「高橋は連れて来ない方が良かったかなぁ……」
高橋:「何でですか!?」
リサ:「わたしが感染させて、兄ちゃんに近づけさせないようにするというのは?」
愛原:「後で善場主任に怒られるから、やめなさい」
リサ:「はーい」
リサも荷物を持って、スキーセンターへと向かって行った。
女子生徒A:「もしかして、愛原さんのお兄さん?」
リサ:「一応」
女子生徒B:「ねぇねぇ!良かったら、お兄さんの連絡先教えて!?」
リサ:「それは……」
絵恋:「ちょっと!リサさんが困ってるでしょ!散った散った!」
小島:「リサさんを困らせちゃダメね」
淀橋:「魚心あれば水心って言うけどね」
淀橋:「リサさん、どうしてもって言う場合はどんな条件?」
リサの取り巻き達も応援に回る。
全員、リサから老廃物(と多少の血液)を吸い取られて子飼いと化したコ達だ。
リサ:「愛原先生にパンツ見せてあげて。何なら今すぐ脱いで差し上げて」
絵恋:「そうよ!それくらいやりなさいよ!」
愛原:「こらぁーっ!」
全く、油断も隙も無い。
リサ:「JKのパンツなんて、そうそう見れるモンじゃないから、それくらいの価値はあると思う」
愛原:「そういう問題じゃない!」
こういう感覚がズレている所、リサは人間じゃないって思い出させてくれる。
愛原:「高橋!収拾がつかなくなる前に、オマエのTwitterとFacebook、教えてやれ!」
高橋:「はあ……分かりました」
愛原:「さすがにLINEやメールは早いから、まずはそこからやり取りをしてもらう。いいね?」
女子生徒A:「やった!」
女子生徒B:「ありがとうございます!」
リサ:「後で先生にパンツ……」
愛原:「いらんっちゅーに!」
もっとも、高橋のTwitterとFacebook、内容はフツーの報告のはずなのに、何故か犯罪臭がするんだよなぁ……。
リサ:「それならスパッツからでいいや」
愛原:「だから!」
リサ:「そうだ!ブルマー貸してあげから、それ穿いて先生に見せてあげて」
愛原:「やめなさい!」
女子生徒A:「ぶ、ぶるまぁ!?」
女子生徒B:「愛原さん、普段家で何してんの?」
リサ:「サイトー達と楽しいこと!」
絵恋:「そう!楽しい事よ!」
小島:「うん、楽しい事」
淀橋:「楽しい事……だね」
女子生徒A:「な、なに?何か怪しいんですけど……」
女子生徒B:「ブルマってことは、おうちでコスプレイベントとか?」
リサ:「ちが……」
愛原:「リサ、この際そういうことにしておけ!」
私はリサの口を塞いでそう言った。
しかし、本当にリサは主導権を握るのが上手いな。
きっと『1番』も、そうして聖クラリス女学院を侵食したのだろう。
それにしても……。
愛原:(確かに不自然だな……)
東京中央学園はこんな感じで楽しくやっているのに、聖クラリス女学院の方はそんな雰囲気が微塵も無い。
そこの生徒をナンパしようと企んでいた男子生徒も、首を傾げた。
男子生徒A:「何かさ、全員陰キャじゃね?」
男子生徒B:「まるでお通夜みたいっスね」
男子生徒C:「あれも何かのネタ?」
男子生徒D:「いや、違ェだろ」
聖クラリス女学院の生徒の制服は、宝塚音楽学校の制服にやや似ている。
あれをもっと黒くした感じ。
ミッション系の女子校なので、制服のデザインもシックなものなのだろう。
恐らく、修道女の衣装をモチーフにしているのではないだろうか。
無宗教の東京中央学園が、明るい緑色のブレザーを着ているのとは対照的である。
それにしても、何だか精気が無い。
夜通し電車の中だったので、疲れているのだろうが、それにしても……と思う。
愛原:(後で善場主任に連絡しておくかな)
私は取りあえず朝食を済ませた後、善場主任に報告も兼ねて問い合わせてみることにした。