伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

議会質問から「学校、幼稚園、保育園での石けん使用について」

2016-10-01 12:10:18 | 日記
8月議会で議会質問した環境問題について、質問と答弁をアップします。

この質問をするにあたって、各担当課から事前に使用洗剤の調査を行い、それを製品名から成分を調べ、人体へ有害な成分かどうかを検索し、と準備して質問にしました。

成分がなかなかわからず苦労もしたのですが、特に、大手洗剤メーカー、特に環境にやさしいを売りにしているメーカーなど、HPには成分を載せていないのですから、驚きです。
それだけ、知られるのがいやなのでしょうか?

佐倉市の自校方式の学校給食は定評があり、佐倉市のウリになっています。
それもネットの先輩議員たちが、栄養士さん達と一緒になってセンター方式への変更計画をくい止め、守ってきた歴史があるからです。

また、調理室での石けん使用も直営時から(現在は委託事業)取組まれています。

9月8日伊藤とし子議会質問から******************

環境問題について

1.学校、幼稚園、保育園、給食調理室における石けん利用について

 化学物質過敏症の観点から環境問題に取り組んできました。
日本で使われている化学物質は、1200万種類あり、その内、私達の生活の中にある化学物質の数は約8万種類もあります。
その中には発がん性や生物に奇形、生殖機能の異常などを引き起こす有害なものも少なくありません。
 
 現在、佐倉市は公共施設を総合防除という方法で農薬、化学物質を極力使わず管理しています。
それに関連して、今回小・中学校、幼稚園、保育園での石けんと合成洗剤の使用状況調査を行いました。

 「石けん」とは「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」のことで、動物精油脂・植物性油脂に苛性ソーダや、液体せっけんの場合は苛性カリで反応させたものです。
それ以外の合成界面活性剤を主成分としたものは、全て合成洗剤です。

 小・中学校の給食調理室では委託事業になる前から石けんを使用しており、現在も継続していることは大変評価されます。
また、幼稚園3園、小学校23校中17校、中学校11校中10校には手洗いにも石けんが利用されていました。
しかし、石けん成分以外に有害成分が入っているレモン石鹸や化学物質がたくさん入り刺激性の強い(ミューズやキレイキレイなどの)薬用ハンドソープも併用されています。石けんのみは4小学校(佐倉小、千代田小、南志津小、山王小)、3中学校(佐倉中、井野中、西志津中)2幼稚園(和田幼稚園、弥冨幼稚園)でした。

① 薬用ハンドソープは普通の石けんに比べて値段が高いわりに、殺菌力に優れているわけではありません。
皮膚から浸透する毒性が強く皮膚障害の原因にもなっています。
米食品医薬品局は9月2日19種類の殺菌剤を含有する抗菌石けんなどの販売を健康に悪影響を及ぼすという理由で禁止すると発表しました。
石けん使用について、教育委員会のご見解を伺います。

教育長
 子どもたち一人ずつの健康調査票の記載事項を確認した上で健康に被害を及ぼすことのないよう使用している。
多くの学校は無添加せっけんだが、使用していない学校も。
理由として、無添加せっけんは使用しているうちに柔らかくなって使いづらい、子どもたちから『他の人が触れた固形せっけんではなく、液体せっけんを使いたい』という声がある。
今後も学校の実情を把握しながら使用するように周知していく。

伊藤
 せっけん成分で作った液体せっけんをぜひ検討してください。
このような薬用ハンドソープの害については、アメリカで非常に明確に言われているので、極力避けなければいけないと思う。
保育園は1園を除いて無添加液体せっけんを使用していた。
調理室では、食器洗浄機用の合成洗剤、食缶洗浄にも合成洗剤を使用していた。
小中学校と同様に、まずはせっけんで洗浄し、食洗機ですすぐ方法に改善すべきと思うがどうか。

健康こども部長
 保育園の調理室はシンクが狭く、食器洗いに使えるスペースが限られている、おやつも出しているため、学校に比べて食器洗いに使える時間が限られていることなどから、時間節約のため食器洗浄機を使用している。
小中学校で行っている【せっけんで洗浄し、食洗機ですすぐ方法】については、手洗いにかかる時間・人員配置・作業スペースなど解決すべき問題が多数ある。
他の方法を含めて今後研究していく。
 
伊藤
 調理室の構造上や、人手の点からも学校調理室と同様の対応ができない、ということでした。
では、せめて手洗い用の合成洗剤は石けんに切り替えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
ヤシノミ洗剤とはネーミングは環境によさそうですが実際は合成洗剤です。
また、調乳室でも同じ合成洗剤を使用しています、哺乳瓶、乳首の洗浄にも使われていたら、残留も心配です。
改善を検討していただきたいが、いかがでしょうか。

健康こども部長
 無添加液体せっけんなど化学物質を含まない洗剤が市販されている場合には、それらを購入して是正をしてまいりたいと思う。

伊藤
 今回報告された洗剤名からすべてをホームページで調べました。
液体でもせっけん成分のもの、せっけんなのに化学物質が入っているものもある。
調達するときにそれらを賢く選択していただきたい。
手荒れやアトピーも合成洗剤がかなり大きな要因になっており、石けんに代えれば症状は良くなります。
子ども達の健康のためにも、石けんへの変更を求めます。
日本学校保健会の合成洗剤プレゼントに惑わされることの無いよう、手洗い石けんを調達する養護教諭へ石けんと合成洗剤の違いから研修していただきたいと考えます。

教育長
 今後研修を進めていきたい。

2.PRTR法と自治体の役割について

 PRTR法とは「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」のことです。
この法律では「人の健康や生態系に有害なおそれがあるなどの性状を有する化学物質」の規制を目的としています。
平成22年から462種類の有害化学物質を指定し、これらの有害化学物質をどのくらい仕入れてどのくらい環境中に排出したかを毎年公表しています。
人や生態系に有害な恐れありと判断された物質がリストアップされ、移動や排出が監視されています。
その中にダイオキシンや重金属類、農薬成分などと並んで、台所用洗剤やシャンプーの洗浄成分である9種類の合成界面活性剤が入っています。
この合成界面活性剤は水生生物への毒性がきわめて強いことが証明されており、出来る限り使用しない、環境中に排出しない取組が重要となります。
また、PRTR法第17条には国や自治体の役割として、教育活動、広報活動等を通じて化学物質の性状、管理、排出状況等に関する国民の理解増進の支援を務めることが盛り込まれています。
これについて佐倉市のご見解を伺います。

環境部長
 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」による国民の理解増進への支援について、
千葉県において化学物質の排出状況の集計・公表を行うほか、千葉県PRTRデータ県民ガイドブックの作成・配布、化学物質に関するセミナーを開催し、県民や事業者に化学物質の性状・管理に理解を深めてもらうための周知・啓発を行っている。
本市においても化学物質に関心を持ち、理解してもらえるようホームページなどを活用し、県からの情報を提供・周知していきたい。

伊藤
 毎年市民団体が行政訪問を行い、環境問題として石けんの使用状況について質問しています。
その中でPRTR法に関わる有害化学物質の把握と削減のための取組、市民への啓発活動を質問していますが、
佐倉市の回答は「合成洗剤に含まれる成分がPRTR法による「第一種指定化学物質」に指定されているからと言って、使用に伴い危険をきたすというものではないと認識している。
合成洗剤は正しい認識のもとに用途に応じて適量を正しく使用するのであれば安全であると考えている。」というものです。
PRTR法の主旨から鑑み、環境政策としての回答にはふさわしくないと考えます。
この点を指摘して、質問を終わります。