伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

化学物質過敏症と言っても農薬系、香料系、両方のマルチ系といろいろです

2012-09-15 16:00:03 | 化学物質過敏症
日本には農薬、化学物質で苦しんでいる患者が70万人から100万人いると言われています。
国は3年前に化学物質過敏症を病名として登録しました。
立派に病気であると認めています。
その原因は、生活の中に使われている化学物質ですが、農薬も化学物質で大きな原因になっています。

患者とその支援者で活動している「生活環境を健康にする会」のメンバーの中でも、農薬系、香料系と強く反応する物質は分かれますが、MCS(多種類化学物質過敏症)発症者は、香料、タバコ、農薬など全部に反応します。 

患者さんでひどくなれば家から出られず、転居したくてもどこもいろいろな問題があり、みんな悩んでいます。

特に学生は、シャンプーのにおい、衣服に染みついた合成洗剤のにおい、そしてここ一年は制汗剤のにおいがひどくて、去年より学校に行けない日が増えてしまった、といった問題も報告されています。
洗剤やシャンプーや制汗剤もどんどん臭いが強くなっているようです。
吸い込むと胸が痛くなるそうです。

教室に何十人も学生が居れば、それぞれ髪の毛、衣服から発散する化学物質は恐ろしいほどの量でしょう。

それで学校に行けなくなっている子もいるそうですが、本人も家族も原因が分からずに悩んでいるそうです。

友人の娘さんは中学校で具合が悪くなると保健室に逃げ込むそうです。
保健教諭がとても理解があり、保健室から化学物質を排除してくれたので、助かっています。
同じように逃げ込むほかの子も立派な化学物質過敏症患者だけど、親も本人も理解していないそうです。

農薬に苦しんでいる家族は、家の前の農家の畑で散布されていた農薬で一家全員が発症しました。
大学生だった息子さんは、夏休み中に大学の校舎が塗装補修されたことが原因で、学校を辞めざるを得なくなったそうです。
現在の悩みは化学物質過敏症対応の家を新築中だけど、周りの住宅地や学校、公園でまかれる農薬をどうにかしてほしい、ということ。

佐倉市は昨年4月から農薬を極力使わず、毛虫などを手で取ったり、自然由来のニームを散布したりし、公園、校庭、園庭には農薬を散布していません。
公共施設も同様に、ゴキブリやダニ、ネズミも生態調査をして、ゴキブリホイホイのようなワナを仕掛けたり、必要に応じて対応することにして、一斉に定期的に散布することを止めました。
保育園も塩素系の消毒薬でおもちゃや床などを拭いていたのが、水ぶきと日光消毒で、厚労省からのマニュアルに沿ってきちんと対応しています。

私が一期目で取り組んできた、岐阜市なみに「農薬を使わずに管理する」ことは、佐倉市では順調に取り組まれています。

農水省、環境省の両局長名で平成19年1月31日に出された、「住宅地等における農薬使用について」では、

むやみやたらに農薬の定期散布はだめですよ。
土づくりや施肥に気を付けて、発生しても手で捕ったり、枝をすいたり、物理的に対応しなさいね。
仕方なく農薬を使う場合も、必要最小限度にしてくださいね。
使用する前にきちんと近隣住民に知らせて、使用後も注意書きを置きなさいね。
農薬の混合使用は危険ですよ。
使用基準をきちんと守りなさいね。
健康被害があった場合は、きちんと対応しなさいね。
等など

平成15年に出された農水省・環境省通知が、自治体によってはちゃんと対応せず農薬を定期散布していたり、現地で危険な農薬の混合を行ったりしていました。
それで、再度出しますよという、文章を付けて、県、市町村はもとより関係省庁と農薬に関連する民間団体すべてに送っています。

千葉県は今年1月「ちょっと待って!住宅地などでの農薬散布」というチラシを6万部作って、市町村に配布しました。
農薬散布をめぐっては、健康被害とトラブルが多く発生していて、患者の声を受けて作成したそうです。

とてもよくできているので、ぜひ各市でも印刷して使用してもらいたいものです。

また、幼稚園近くの患者さんがスミチオンの定期散布で、とても体調が悪く困っており、「生活環境を健康にする会」から県に対応を要望しました。
それを受けて、8月8日、依頼書「農薬使用に伴う健康被害の防止等について(依頼)」といっしょに農水省・環境省通知の住宅地通知と、チラシ「ちょっと待って!住宅地などでの農薬散布」を全県のすべての私立幼稚園430園と私立の小中学校30校に郵送して周知しました。

その「農薬使用に伴う健康被害の防止等について(依頼)」には、

 住宅地等における病害虫防除に当たっては、農薬の飛散が周辺住民、子ども等に健康被害を及ぼすことがないよう、病害虫の早期発見やできるだけ農薬を使用しない管理に努め、病害虫の発生や被害の有無にかかわらず定期的に農薬を散布するのではなく、病害虫の状況に応じた適切な防除等を行うことが重要です。
 また、市販されている農薬の中には、フェニトロチオン(別名:スミチオン、MEP) のように、国際化学物質安全性カードにおいて、その取扱いに際し青少年、小児への暴露を避けるよう記載されているものもあります。
 
 農薬使用に伴う健康被害の防止等についてご配慮くださるよう、お願いします。

とあるのですね。
なかなか千葉県もやりますねえ。

ぜひぜひ、子どもたちの安全のためにも、農薬、化学物質被害を減らす取り組みを行っていかなければなりません。

放射能被害も心配だけど、それ以上に農薬、化学物質も恐ろしいものです。
放射能は測ればわかる、農薬、化学物質は測りようがないのです。 

ちなみに環境省の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」もよくできています。
  







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