田中優の“持続する志”より
トリチウムの危険性について(2013年3月28日13時現在)
今日、岐阜県内の重水素実験が調印されます。
http://nonuke-tajimi.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-059b.html
トリチウムの危険性がないかどうか、このNHK番組をご覧ください。
実際の影響が出てきます。
→ http://www.at-douga.com/?p=4738
ただし、調印されたからと言って実際に実験はまだされていません。
…………………………………
「 トリチウム 」
トリチウムとトリウムとリチウム、なんだか名前が似てるよなぁ。
しかも「重水素、三重水素」のどっちも重水素と呼んでるし。
というわけでちょっとだけ説明します。
水素の陽子はひとつだけ、化学記号の最初に来るヤツだ。
普通の水素は電子も一つ回っているだけ。
でも一番内側の電子の軌道は二つあるからそのままでは安定せず、普通は水素が二つ集まって軌道に二つの電子を共有して安定している。
これと酸素が反応したものが私たちが飲んでいる水だ。
この水素がたまたま中性子をもう一つ持ったものが「重水素」、中性子を二つ持ったものがトリチウム(三重水素)だ。
「トリ」ってのは三つのことだからね。
でもかつては両方とも重水素と呼んでいたから混乱する。
今は三重水素がトリチウムで、中性子ひとつのものは重水素となっている。
「重と三重じゃ数字が合わないじゃん」と思うかもしれないが、陽子の数も入れたんでそうなったんだろう。
このトリチウムは自然界にもある、「自然放射能」のひとつだ。
宇宙線のおかげで常に生成している。
「そっか、オレら慣れてるじゃん」と言いたいところだが、これを増やすと大変なのだ。
体の外にあるときは何の問題もない。
これが電子を一つ発すると「中性子」の一つが「陽子」に変わる。
すると周期表の水素の次、ヘリウムに物質が変わる。
その「中性子」が「陽子」に変わるときに捨てるのが「電子」だ。
この電子を捨てて安定することを「ベータ崩壊」といい、飛びだす電子線を「ベータ線」という。
トリチウムのベータ線のエネルギーは弱く、皮膚も突き抜けない。だから安心なのだ。
問題なのは「体の中に入れてしまったとき」だ。
残念ながら水と完全に一体化してしまうので、水に含まれてしまう「スパイ」のようなヤツなのだ。
これを垂れ流すのが今回、岐阜県瑞浪市で実験されようとする施設で、これが水に混じってしまう。
水は私たち人間が最も多く摂取する物質で、呼吸を除くとほぼ半分になる。
そこにスパイが入り込むのだ。ところが体の中でこれがベータ崩壊すると、体の内側からだから防げない。
ピストルで撃たれたとき、突き抜けたときの方がエネルギーが出るので被害が少ないが、この場合はその逆になる。
抜けて体外に出ることがないのでダメージが大きくなる。
そしてわずかな量なのに被害が出るのだ。
ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)などの被曝に関するダメージ量(シーベルト値)などは、特に内部被曝の場合は信じない方がいい。
外部被曝も過小評価だが、さらに桁外れにデタラメだからだ。
このスパイをばんばん増やして撒こうというのが岐阜県の施設の計画だ。
研究者は被曝の現実の専門家ではないので、純粋に研究したいのだろうが危険性を理解していない。
人柄がいくら良くても健康面からは信頼できない。
このトリチウムを増やす危険性から、ノーベル賞受賞者の小柴氏も京大の小出さんも反対しているのだ。
***************************************
このトリチウムの問題は、原発事故後すぐに「暮らしと食品の安全」でも取り上げていた。
今に始まったわけではなく、原発から冷却水や水蒸気として大量に出ている。
水素分子Hと酸素分子Oからできているので、水と同じに体内に取り込まれ、内部被曝をおこす厄介な代物。
除去する方法がないうえ、問題が深刻すぎて、誰も言わなかったというわけ。
福島第一だけから放出されているわけではない。
すべての原発から出ている。
本当に核融合発電などというものを考えているのだろうか?
「自然エネルギー100%社会を」という世界の流れと真っ向反対を向いている。
トリチウムの危険性について(2013年3月28日13時現在)
今日、岐阜県内の重水素実験が調印されます。
http://nonuke-tajimi.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-059b.html
トリチウムの危険性がないかどうか、このNHK番組をご覧ください。
実際の影響が出てきます。
→ http://www.at-douga.com/?p=4738
ただし、調印されたからと言って実際に実験はまだされていません。
…………………………………
「 トリチウム 」
トリチウムとトリウムとリチウム、なんだか名前が似てるよなぁ。
しかも「重水素、三重水素」のどっちも重水素と呼んでるし。
というわけでちょっとだけ説明します。
水素の陽子はひとつだけ、化学記号の最初に来るヤツだ。
普通の水素は電子も一つ回っているだけ。
でも一番内側の電子の軌道は二つあるからそのままでは安定せず、普通は水素が二つ集まって軌道に二つの電子を共有して安定している。
これと酸素が反応したものが私たちが飲んでいる水だ。
この水素がたまたま中性子をもう一つ持ったものが「重水素」、中性子を二つ持ったものがトリチウム(三重水素)だ。
「トリ」ってのは三つのことだからね。
でもかつては両方とも重水素と呼んでいたから混乱する。
今は三重水素がトリチウムで、中性子ひとつのものは重水素となっている。
「重と三重じゃ数字が合わないじゃん」と思うかもしれないが、陽子の数も入れたんでそうなったんだろう。
このトリチウムは自然界にもある、「自然放射能」のひとつだ。
宇宙線のおかげで常に生成している。
「そっか、オレら慣れてるじゃん」と言いたいところだが、これを増やすと大変なのだ。
体の外にあるときは何の問題もない。
これが電子を一つ発すると「中性子」の一つが「陽子」に変わる。
すると周期表の水素の次、ヘリウムに物質が変わる。
その「中性子」が「陽子」に変わるときに捨てるのが「電子」だ。
この電子を捨てて安定することを「ベータ崩壊」といい、飛びだす電子線を「ベータ線」という。
トリチウムのベータ線のエネルギーは弱く、皮膚も突き抜けない。だから安心なのだ。
問題なのは「体の中に入れてしまったとき」だ。
残念ながら水と完全に一体化してしまうので、水に含まれてしまう「スパイ」のようなヤツなのだ。
これを垂れ流すのが今回、岐阜県瑞浪市で実験されようとする施設で、これが水に混じってしまう。
水は私たち人間が最も多く摂取する物質で、呼吸を除くとほぼ半分になる。
そこにスパイが入り込むのだ。ところが体の中でこれがベータ崩壊すると、体の内側からだから防げない。
ピストルで撃たれたとき、突き抜けたときの方がエネルギーが出るので被害が少ないが、この場合はその逆になる。
抜けて体外に出ることがないのでダメージが大きくなる。
そしてわずかな量なのに被害が出るのだ。
ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)などの被曝に関するダメージ量(シーベルト値)などは、特に内部被曝の場合は信じない方がいい。
外部被曝も過小評価だが、さらに桁外れにデタラメだからだ。
このスパイをばんばん増やして撒こうというのが岐阜県の施設の計画だ。
研究者は被曝の現実の専門家ではないので、純粋に研究したいのだろうが危険性を理解していない。
人柄がいくら良くても健康面からは信頼できない。
このトリチウムを増やす危険性から、ノーベル賞受賞者の小柴氏も京大の小出さんも反対しているのだ。
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このトリチウムの問題は、原発事故後すぐに「暮らしと食品の安全」でも取り上げていた。
今に始まったわけではなく、原発から冷却水や水蒸気として大量に出ている。
水素分子Hと酸素分子Oからできているので、水と同じに体内に取り込まれ、内部被曝をおこす厄介な代物。
除去する方法がないうえ、問題が深刻すぎて、誰も言わなかったというわけ。
福島第一だけから放出されているわけではない。
すべての原発から出ている。
本当に核融合発電などというものを考えているのだろうか?
「自然エネルギー100%社会を」という世界の流れと真っ向反対を向いている。