米オスカー賞の前日に発表されることで知られる、ワースト映画の祭典「ラジー賞」のノミネーションにおいて、
「ラジー名誉挽回賞」(ラジーの救い手賞)
という部門が新設されて、その候補が明らかになった。
つまり、いろいろコケにされたけど、のちのキャリアで評価を受けました、おめでとう!! という賞。
エリザベス・バンクス(『ムービー43』でラジー作品賞と監督賞を受賞したのち、たくさんのヒット作に出演する)
M・ナイト・シャマラン監督(連続ラジー賞ノミネートののち、佳作『ヴィジット』を発表)
ウィル・スミス(駄作『アフター・アース』から、快作『コンカッション』に出演)
シルヴェスター・スタローン(ラジー王者だったはずなのに、『クリード チャンプを継ぐ男』で助演男優賞を取りまくり)
さすが米国、シャレが効いていて面白い。
日本では、ちょっと難しいかなぁ、、、と思う。
誰か思いつきそうで、なかなか挙げられないし。
そんなわけで。
映画史全体から、自分が選出する「ラジーの救い手賞」を挙げてみようかなと。
作品によって魅力がばらつくキアヌ・リーヴスもいい、
兄リヴァーの存在が大き過ぎて不遇な少年期を過ごしたであろうホアキン・フェニックスもいいが、
『ゴッドファーザーPART3』(90)の失敗? の原因を、すべて彼女の所為にされたソフィア・コッポラで決まりじゃないだろうか。
そもそもこの映画が不評であったのは、前2作の出来が「神がかっていた」ことによる。
物語のバランスを欠いているのはたしかだが、そこまでつまらなくはない。
ないが、なにか消化不良だぞと。
可哀想だったのは・・・
どうしてこうなった? と議論すら起こらず、もちろんソフィアが悪いに決まっている! などといわれたこと。
当初、ソフィアの役はウィノナ・ライダーが演じるはずだった。
現在のウィノナを考えると、それはそれで感慨深いものがあるが、当時のウィノナは人気実力とも申し分なく。
しかし彼女が体調不良で降板したため、手っ取り早く・・・というと語弊があるか、その代役としてフランシスの愛娘ソフィアが選ばれたのだった。
演技素人に、荷が重かったのはたしかだろう。
贔屓目に見ても演技が巧いとはいえず、アル・パチーノやアンディ・ガルシア、すでに貫禄のあったブリジッド・フォンダに囲まれて、おどおどしているようにさえ見えた。
そうして、批判の嵐が起こった。
じつはその批判は、安易に家族を起用したフランシスに当てられたものだったのだが・・・。
そうして、ソフィア・コッポラは消えた。
誰もがその存在を忘れた99年―。
ソフィアは、映画監督になっていた。
『ヴァージン・スーサイズ』(99)や『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)、『ブリングリング』(2013)を観ると、
デヴィッド・リンチの愛娘ジェニファーとの差は一目瞭然、制作そのものにフランシスの援助はあったかもしれないが、
作家性を宿した、21世紀の米映画を代表するかもしれない映画監督だと評価出来る、、、のではないか。
そんなわけで個人的な「ラジーの救い手賞」は、ソフィアで決まり!
おめでとう!!
でも、このときの演技も嫌いではないのよ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『イイワケ禁止のオスカー予想』
「ラジー名誉挽回賞」(ラジーの救い手賞)
という部門が新設されて、その候補が明らかになった。
つまり、いろいろコケにされたけど、のちのキャリアで評価を受けました、おめでとう!! という賞。
エリザベス・バンクス(『ムービー43』でラジー作品賞と監督賞を受賞したのち、たくさんのヒット作に出演する)
M・ナイト・シャマラン監督(連続ラジー賞ノミネートののち、佳作『ヴィジット』を発表)
ウィル・スミス(駄作『アフター・アース』から、快作『コンカッション』に出演)
シルヴェスター・スタローン(ラジー王者だったはずなのに、『クリード チャンプを継ぐ男』で助演男優賞を取りまくり)
さすが米国、シャレが効いていて面白い。
日本では、ちょっと難しいかなぁ、、、と思う。
誰か思いつきそうで、なかなか挙げられないし。
そんなわけで。
映画史全体から、自分が選出する「ラジーの救い手賞」を挙げてみようかなと。
作品によって魅力がばらつくキアヌ・リーヴスもいい、
兄リヴァーの存在が大き過ぎて不遇な少年期を過ごしたであろうホアキン・フェニックスもいいが、
『ゴッドファーザーPART3』(90)の失敗? の原因を、すべて彼女の所為にされたソフィア・コッポラで決まりじゃないだろうか。
そもそもこの映画が不評であったのは、前2作の出来が「神がかっていた」ことによる。
物語のバランスを欠いているのはたしかだが、そこまでつまらなくはない。
ないが、なにか消化不良だぞと。
可哀想だったのは・・・
どうしてこうなった? と議論すら起こらず、もちろんソフィアが悪いに決まっている! などといわれたこと。
当初、ソフィアの役はウィノナ・ライダーが演じるはずだった。
現在のウィノナを考えると、それはそれで感慨深いものがあるが、当時のウィノナは人気実力とも申し分なく。
しかし彼女が体調不良で降板したため、手っ取り早く・・・というと語弊があるか、その代役としてフランシスの愛娘ソフィアが選ばれたのだった。
演技素人に、荷が重かったのはたしかだろう。
贔屓目に見ても演技が巧いとはいえず、アル・パチーノやアンディ・ガルシア、すでに貫禄のあったブリジッド・フォンダに囲まれて、おどおどしているようにさえ見えた。
そうして、批判の嵐が起こった。
じつはその批判は、安易に家族を起用したフランシスに当てられたものだったのだが・・・。
そうして、ソフィア・コッポラは消えた。
誰もがその存在を忘れた99年―。
ソフィアは、映画監督になっていた。
『ヴァージン・スーサイズ』(99)や『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)、『ブリングリング』(2013)を観ると、
デヴィッド・リンチの愛娘ジェニファーとの差は一目瞭然、制作そのものにフランシスの援助はあったかもしれないが、
作家性を宿した、21世紀の米映画を代表するかもしれない映画監督だと評価出来る、、、のではないか。
そんなわけで個人的な「ラジーの救い手賞」は、ソフィアで決まり!
おめでとう!!
でも、このときの演技も嫌いではないのよ。
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明日のコラムは・・・
『イイワケ禁止のオスカー予想』