自分には3つ上の姉が居て、たいへんに出来がよかった。
鼓笛隊の指揮者をやったり児童会長をやっていたので、余計に自分のクソヤロウ感が際立つっていうね。
いや文句ではない、どういう形にせよ目立ちたかった自分としては、白と黒のエクスタシー? といったらいいのか、コントラストが気持ちよかったくらいなんだ。
それでも内心は、比較されてアレヤコレヤいわれているんだろうな・・・などと思っていた。
幸い両親とも「お姉ちゃんに比べて、お前は―」みたいな叱りかたをしてこなかったから、べつに気にすることもなかったのだが、やっぱりオトシゴロですから、生活態度はともかく学力の面で差が開くことはプライドが許さなかった。
というわけで、無理をして姉と同じ高校を目指した。
(奇妙なこと? に)現在では頭の悪い高校らしいが、当時は進学校として「そこそこ」有名で。
自分の偏差値は50の前半、しかしそこは50の真ん中から後半が平均、優れた生徒は60台を維持していた。
受験日までに、たぶん7~8くらい偏差値を上げねばならない。
だから、いちおう? 頑張って受験勉強をした。
試験や受験の勉強というと、やっぱり深夜になる。
なんでだろうね、より「やっている感」が出るってことだろうか。
現在は日光を浴びることが珍しいくらいの夜型人間だが、ガキにとっちゃ深夜に「寝ていない」というだけでテンションが上がるもの、
起きていて満足!! みたいな感覚ゆえ、勉強が身についていたかどうかも疑わしい。
それでも夏休みから受験日の1ヶ月前くらいまでは、深夜の受験勉強をつづけたのだった。
起きているうちの半分は、エロ本を広げてしこしこ。
しこしこが終われば、ノートにエロ漫画を描いていた。
それを読み返し、わははと笑う日々。
そして、自分の部屋から外に出ることが出来たので外出。
・・・といっても、繰り返すが群馬の片田舎である。
星がキレイ。
カエルの合唱が聞こえてくる。
以外に、なんの見どころも動きもないのだ。
ただ徒歩20分くらいで、母校の小学校には行けた。
とりあえずそこまで歩き、校門を飛び越え、ブランコなどで遊んでいたのである。
だいたい、深夜3時くらいだったと思う。
都心ではあり得る? かもしれないが、田舎の小学校の光景としては、なかなか不気味だったんじゃないか。
帰宅後、やっと勉強を始める。
正味45分くらいの受験勉強。
5時間くらい部屋のあかりを灯していたというのに。
姉と比較されたくない! と思いつつ、こんな感じだったということは、じつは焦燥感とは無縁だった。
というのも、「エロ本しこしこ」「ブランコぶらぶら」がメインだったにも関わらず、次第に偏差値が上がっていったから。
いけるじゃん自分! みたいな。
で、中途半端な自信をつけたと。
しかも、合格しちゃったと。
どう考えても自分より努力しているAくんが散って、自分が咲いてしまったよと。
以来、学校の受験というものをしたことがないので、はっきりいえば、受験勉強というものをなめているところがあるのだと思う。
なにもそこまでやらんでも・・・とか、もっと楽しいことがあるのにな・・・とか、思ってしまうのだもの。
ところで。
深夜の受験勉強を始めて、3ヶ月くらいが経ったころ―。
朝になって眠たくなるものだから、エロ本を仕舞うのを忘れたまま登校したことがあった。
勉強机の上に、エロ本が2冊。
はっきり覚えているが、表紙は冴島奈緒だった。
ベタな展開だが、それが母親に見つかり、帰宅後に詰問された。
「―あなたには、まだ早い!」
「早くない!」
「早い!」
「早くない!!」
「もういいから、明日までに、持っている本をぜんぶ机に出しておきなさい。お母さんが、燃やしてあげるから」
もうよくないじゃん!!
翌日―。
当然、いうことはきかなかった。
このあと数日間、母親とギクシャクしたのは想像に難くないだろう。
・・・って、あれ、受験勉強のエピソードだったはずなのにな!!
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『ソラでいいたい』
鼓笛隊の指揮者をやったり児童会長をやっていたので、余計に自分のクソヤロウ感が際立つっていうね。
いや文句ではない、どういう形にせよ目立ちたかった自分としては、白と黒のエクスタシー? といったらいいのか、コントラストが気持ちよかったくらいなんだ。
それでも内心は、比較されてアレヤコレヤいわれているんだろうな・・・などと思っていた。
幸い両親とも「お姉ちゃんに比べて、お前は―」みたいな叱りかたをしてこなかったから、べつに気にすることもなかったのだが、やっぱりオトシゴロですから、生活態度はともかく学力の面で差が開くことはプライドが許さなかった。
というわけで、無理をして姉と同じ高校を目指した。
(奇妙なこと? に)現在では頭の悪い高校らしいが、当時は進学校として「そこそこ」有名で。
自分の偏差値は50の前半、しかしそこは50の真ん中から後半が平均、優れた生徒は60台を維持していた。
受験日までに、たぶん7~8くらい偏差値を上げねばならない。
だから、いちおう? 頑張って受験勉強をした。
試験や受験の勉強というと、やっぱり深夜になる。
なんでだろうね、より「やっている感」が出るってことだろうか。
現在は日光を浴びることが珍しいくらいの夜型人間だが、ガキにとっちゃ深夜に「寝ていない」というだけでテンションが上がるもの、
起きていて満足!! みたいな感覚ゆえ、勉強が身についていたかどうかも疑わしい。
それでも夏休みから受験日の1ヶ月前くらいまでは、深夜の受験勉強をつづけたのだった。
起きているうちの半分は、エロ本を広げてしこしこ。
しこしこが終われば、ノートにエロ漫画を描いていた。
それを読み返し、わははと笑う日々。
そして、自分の部屋から外に出ることが出来たので外出。
・・・といっても、繰り返すが群馬の片田舎である。
星がキレイ。
カエルの合唱が聞こえてくる。
以外に、なんの見どころも動きもないのだ。
ただ徒歩20分くらいで、母校の小学校には行けた。
とりあえずそこまで歩き、校門を飛び越え、ブランコなどで遊んでいたのである。
だいたい、深夜3時くらいだったと思う。
都心ではあり得る? かもしれないが、田舎の小学校の光景としては、なかなか不気味だったんじゃないか。
帰宅後、やっと勉強を始める。
正味45分くらいの受験勉強。
5時間くらい部屋のあかりを灯していたというのに。
姉と比較されたくない! と思いつつ、こんな感じだったということは、じつは焦燥感とは無縁だった。
というのも、「エロ本しこしこ」「ブランコぶらぶら」がメインだったにも関わらず、次第に偏差値が上がっていったから。
いけるじゃん自分! みたいな。
で、中途半端な自信をつけたと。
しかも、合格しちゃったと。
どう考えても自分より努力しているAくんが散って、自分が咲いてしまったよと。
以来、学校の受験というものをしたことがないので、はっきりいえば、受験勉強というものをなめているところがあるのだと思う。
なにもそこまでやらんでも・・・とか、もっと楽しいことがあるのにな・・・とか、思ってしまうのだもの。
ところで。
深夜の受験勉強を始めて、3ヶ月くらいが経ったころ―。
朝になって眠たくなるものだから、エロ本を仕舞うのを忘れたまま登校したことがあった。
勉強机の上に、エロ本が2冊。
はっきり覚えているが、表紙は冴島奈緒だった。
ベタな展開だが、それが母親に見つかり、帰宅後に詰問された。
「―あなたには、まだ早い!」
「早くない!」
「早い!」
「早くない!!」
「もういいから、明日までに、持っている本をぜんぶ机に出しておきなさい。お母さんが、燃やしてあげるから」
もうよくないじゃん!!
翌日―。
当然、いうことはきかなかった。
このあと数日間、母親とギクシャクしたのは想像に難くないだろう。
・・・って、あれ、受験勉強のエピソードだったはずなのにな!!
おわり。
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明日のコラムは・・・
『ソラでいいたい』