とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2024吉野山お花見ハイキング

2024-04-01 23:38:24 | 山登り
先週末、お花見を目的に奈良の吉野山を歩いてきた。吉野山とは、大峯連山の北の端から、南に約8kmつづく尾根一帯を指し、桜の名所として有名だ。谷や尾根を埋める桜は3万本ともいわれ、麓から下千本、中千本、上千本、奥千本と順に開花し、山を染めていく様子は見事である。また、2004年7月、吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコの世界遺産に認定された。吉野山は山全体が世界遺産として登録されており、吉野水分神社・金峯神社・金峯山寺・吉水神社などの世界遺産の建造物を徒歩で回れることも魅力である。

今回の参加者は、全部で10人。吉野駅に全員集まったところでスタートする。吉野駅前には、桜をイメージしたピンクのポストが立っている。


さすがに世界遺産で桜の名所という事で、駅前は既に多くの観光客で賑わっていた。


歩き出してすぐに、川沿いに桜が咲いていた。


七曲のあたりもほぼ満開になっている。


参道沿いには、ミツマタの花も満開だ。


金峯山寺の銅鳥居(かねのとりい)前まで来た。北向きに建つ鳥居型の門で、重要文化財に指定されている。大峯山上に詣でるまでの間にある四門の最初にあたり、発心門と称され、菩提心を起こすところとされている。


金峯山寺の本堂である蔵王堂。蔵王堂は、白鳳年間に役行者が創建されたと伝えられている。この辺りからは桜は咲いておらず、この日が開花日くらいの状態だった。


とりあえず、本堂にお参りして集合写真。


東南院の多宝塔と枝垂れ桜は絵になる。


庭が有名な竹林院。


お昼を過ぎた頃、お腹が空いてきたので、小高い丘の上でランチ休憩とする。本来なら、このあたりでも満開の桜を見ながら休憩できるはずだったが、3月後半が思ったより寒い日が続いたせいで、予想より桜の開花が遅れてしまったようだ。多少は咲いている木もあるので、これで良しとするしかない。


花矢倉展望台からは、眼下に上千本、中千本、蔵王堂を見下ろせ、金剛・葛城・二上山を遠望できる。桜はほとんど見えないが、景色がいい場所であることは間違いない。


吉野水分(みくまり)神社の入り口に着いた。


水の分配を司る天水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神に玉依姫命(たまよりひめのみこと)以下6柱の神を祀る世界遺産の神社である。子守宮(こもりのみや)ともいい、子授け・安産・子どもの守護神として篤く信仰されているそうだ。


豊臣秀吉が子授け祈願をし、その子秀頼を授かったことから、現在の社殿はその申し子である秀頼が慶長9年(1604)年に再建したもので、桃山様式建築の三殿一棟の本殿・幣殿・拝殿・楼門・回廊は国の重要文化財に指定された美しい建築だ。


急登を上りきると高城山の山頂702mだ。奈古くは万葉集にも歌われている山で、鎌倉時代末期の元弘の乱の際には、後醍醐天皇の子供の大塔宮護良親王の詰城となったとされている。


金峯神社の坂下にある修行門。ここからは、本当に修行のような急坂が続く。


金峯神社の裏手に回ると、金峯山寺の僧兵の山狩りから逃れるため、源義経が身を隠したと伝えられている義経隠れ塔がある。追手に囲まれた義経が屋根を蹴破って逃げたと伝えられていることから「蹴抜の塔」(けのけのとう)とも呼ばれている。


さらに山を登っていくと、青根ヶ峰との分岐点に女人結界の石柱がある。「大峯奥駈道」へと続く修行の道だ。これより右方向へは女性は入ることが出来ない。


左側の分岐から青根ヶ峰858mに登る。吉野山の最高峰だ。


吉野水分神社の下まで戻り、近畿自然歩道の分岐から宮滝方面に下っていく。


宮滝への自然歩道は、吉野山の賑やかな風景とは打って変わり、静かな自然の中を進む。森の中の渓流沿いに歩けるのが、またいい感じだ。


谷あいには美しい滝も見える。


象(きさ)の小川の清らかな流れと鮮やかな朱塗りの社殿が印象的な桜木神社。


標高が少なくなってきたので、この辺りは桜を再び見られる。


宮滝に着いた。吉野川の上流にあり、巨岩奇岩が両岸に迫り、瀬と淵が交錯する景勝地であり、天武天皇・持統天皇がしばしば訪れた吉野離宮の跡と推定されている。


宮滝は、飛び込みの有名スポットだったそうだが、死亡者が続出したため現在は禁止になっているらしい。橋の欄干には柵が張られ、欄干から乗り出せないようになっている。


宮滝のバス停でコミュニティーバスに乗って大和上市駅まで行き、近鉄線、JRを乗り継いで帰路についた。満開の桜は残念ながら見ることが出来なかったが、世界遺産の吉野山と宮滝への自然歩道も歩き、思いのほか変化のある楽しい山歩きとなった。

参考1.吉野山の高低図&コースタイム


参考2.吉野山のコースマップ