fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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句集『るびい17』

2024年10月12日 | 本の紹介

      

 知り合いの作家さん達がやってらっしゃる「るびいの会」の句集をいただきました。

 17人のメンバー全員が、児童文学作家か元編集者さんなど、児童文学にかかわっている方達です。メンバーを引っ張ってらっしゃる忍々さんが、俳人、坪内稔典さんの系列とのこと。読んでいて、俳句を楽しんでらっしゃるのが伝わってきます(何人かエッセイには、苦しんでと書いてますが)。

 選りすぐりの中から、好きだった句をあげさせていただきます。

 銀河より散らばり落ちる鼓笛隊 

 海底に放つたままの沖縄忌   忍々

 サザエさんちもワニを一匹飼ってます  てんまり

 今宵雪は嘘をつきに舞い降りる    酔命酒

 朝曇りお釜を背負った人がいた  案山子

 青みかんドアの向こうで咳一つ

 話したりない日胸の小人がラムネ飲む  純子

 銀漢眺めカリツと金平糖  踊波

 空蝉の中にかくれる夏の影

 吾の中のずるさよ蜥蜴の丸い眼よ   ふくね

 泳いだか流されたのかここにいる  夢眠

 棄てたこと棄てられぬこと秋の雲   酔牛

 春の夜の睡れん鉢の底の泥  くるむ

 終点は五月晴れだよいざさらば   萱

 はぎしりし八月の底ゆききする   丹太

 カーネーション涙もろくて骨もろい  満月

 連結のはやぶさこまちねぷたまつ  朔

 

 きっと句会後は、楽しく飲んでらっしゃることでしょう。句集には、児童文学者としてのペンネームも書かれてましたが、ここでは出さずにおきますね。

 皆さん言葉のプロなので、5・7・5の定型に収まっていなくても、詩であることをきちんと意識してらっしゃる。定型を意識しつつそこからはみ出している句は、魅力的。これは今の私の心境ですし、今書いている物語でも書きながら考えていること。

 よい刺激をいただきました。ありがとうございます。


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